2020.12.03

ロジハラ問題について考える。「共感」足りていますか?

最近、”新種”のハラスメントがネットやメディアで取り上げられています。

「ロジハラ」ってご存知ですか。

ロジカル・ハラスメントのことで、正論(ロジカル)を振りかざして相手を追い詰めるハラスメントだそうです。
なんとも世知辛い世の中になってきました。
これもコロナ禍で、先の見えない世の中に対する不安やストレスが原因かもしれません。

とはいえ、「ロジハラ」については現在、賛否両論の真っ最中で、ハラスメントにあたるのかどうか判然としません。

かたや
「正しいことを言って何が悪い。」
「ミスや間違いはロジカルに考えないと解決しないのでは。」

一方では
「正論さえ言えば相手の感情なんか無視してもいい、という考えがそもそも間違っている。」
「他者の気持ちを配慮せずに正論を押し付けて、相手に必要以上のストレスを与えるからだめ。」

 

さて、皆さんは「ロジハラ」はハラスメントにあたりますか、それともどのように考えますか。

 

ひとつはっきりしていることがあります。

私たちのコールセンター業務で、お客さまとのやりとりにロジハラを振りかざすと、かなりの確率でクレームになりそうですね。

またコールセンターの管理者がロジハラを振りかざすなら、そのセンターは離職率の高いセンターになりそうな予感がしますね。

一方で、今のビジネス界は「ロジカル・シンキング」が花盛りです。
「ロジカル・シンキング」と「ロジハラ」、
この一見して矛盾する問題。
何が問題で、私たちはどう向き合えばよいのか考えてみましょう。

 

1.皆が心の「いいね!」を求めている。

コロナ感染の恐怖。
テレワークによる孤独感。
コロナ禍による倒産や閉店など、未来に対する不安。

今、人々は得も言われぬ不安に駆られています。
お互いが心のよりどころや安心感を求めています。
そんな状況のなかで、相手の気持ちを顧みず、正論を振りかざして相手を追い詰めることが果たしてどうなるのか。

正しいことが、いつも正しいとは限りません。

そんなことは皆分かっている。
分かっているけど…という気持ちが問題になっているのではないでしょうか。

「気持ちを受け止めてほしい。」

これが今、人々が望む気持ちが強まっていて、それに反する行為が「ロジハラ」という形で顕在化しているのかもしれません。

「気持ちを受け止める」それはまさに、「共感」です。

 

2.「共感」とは

共感とは、自分の気持ちや正論はとりあえず置いておき、まず相手の気持ちを受け止めることです。

内心は同意できなくても良いのです。ここが大事です。

しかし、この点を受け入れられない方が結構いらっしゃいます。
「言動一致」、「有言実行」という美名に縛られているのでしょうか。
それとも「本心とは違うことをいう = 嘘をつく」と思っているのかもしれません。

大事なことは「相手の気持ちを受け止めること」であって、受け止めることは同意とは異なります。

 

例えばこうです。

Aさん「私、最近太ってない?」

Bさん「えー、全然そんなことないよ。」

 

上のBさんの対応が正解です。

ここでは間違っても、
「確かに、すこしふっくらしてきたよね」
と言ってはいけません。友情が壊れます。

 

なぜか?

Aさんは、自分が太ったことにうすうす気づいています。
でも気持ちとしては、「そうであってほしくない」と思っていて、誰かに否定して欲しいと望んでいます。
これがAさんの気持ちであり、Bさんは、その気持ちを受け止めて、その期待する言葉を返してあげればよいのです。

なにも、AさんはBさんを試したわけでも、クイズを出したわけでもなく、Bさんは本当のことを言う必要はありません。
本当のことを言って、何か両者に得することはありますか?

これが「共感」です。

そしてこの「共感」をベースにした「共感コミュニケーション」こそが、お客さまや同僚、部下との人間関係を良好に保つのです。

 

3.「共感」は身に着けられるスキル。

さて、自分の共感性をひとつテストしてみましょう。
下記の質問に対し、あなたはどのように答えますか。

 

晴子:「いまの仕事が辛くて辛くて気が滅入るのよ。」

 

あなた:「                   」

 

さて、あなたはどのように回答しますか。
ポイントは晴子さんの気持ちはどういう状態なのかで、どういう回答を期待しているかです。

「じゃあ、転職すればいいじゃない。」
「仕事なのだからしょうがないじゃない。」

と回答した人はアウトです。
晴子さんは別に助言が欲しいわけではありません。
またあなたが激励のつもりで言ったとしても、激励もほしいわけではありません。

気持ちを受け止めてほしいのです。
それならば、
「大変そうだね。でもよく頑張っているよね。」
こういう共感が欲しいのです。

確かに「転職すれば」も「仕事なのだから」も正論です。
最初に述べたように
「正しいことが、いつも正しいとは限らない。」
これにつきます。

まだまだ精神的にきつい時期が続きそうです。
そういう時こそ、「共感コミュニケーション」で乗り切りましょう。