BIZTEL コールセンター 導入事例
導入目的
※ ヤマハ発動機株式会社さまへの事例取材は今回で2度目となります。
2017年 1月に行われた前回の取材では、システム担当者さまから導入の経緯を中心にお話を伺いました。
今回( 2019年 11月)はコールセンターの現場担当者さまに取材を行い、BIZTEL のリアルな利用状況についてお聞きするとともに、センター運営の「その後」を追いました。
前回の記事はこちらをご覧ください。
全国約1万店のヤマハ販売店からの問い合わせ対応。
BIZTEL と kintone の組み合わせで業務効率化を実現
ーお客さまの事業についてお聞かせください。
村井氏:
ヤマハ発動機は、世界をリードするパワートレイン技術、車体・艇体技術、制御技術、生産技術を核として、180を超える国と地域で、バイク、電動バイク、電動アシスト自転車、マリン製品、発電機、除雪機などの製品を販売しています。
ーご出席者の役割についてお聞かせください。
土川氏:
現在はグループ会社の株式会社ワイズギアに出向していますが、2019年5月までヤマハ部品サポートセンターの運営責任を担い、業務の標準化や効率化を進めてきました。サポートセンターでは、国内ヤマハグループ会社とその取引先であるヤマハ販売店からの問い合わせ対応を行います。モーターサイクル、電動アシスト自転車、船外機、ボート、マリンジェット、発電機、ゴルフカー、除雪機等、ヤマハ発動機で製造販売するほぼ、全ての本体製品の補修用部品やアクセサリーなどが対象です。
村井氏:
土川の後任で、サポートセンターの運営責任者を務めています。
ーBIZTEL の利用シーンについてお聞かせください。
土川氏:
BIZTEL と、弊社の部品業務基幹システムと連携したkintone を組み合わせて利用しています。kintone と連携することで、着信と同時に販売店の情報や過去の対応履歴等をパソコンの画面に自動表示しています。ヤマハ本体製品を取り扱う約1万店の販売店から入電があり、問い合わせ内容としては、主にオーダーに対する納期、純正部品やアクセサリー類個々の機能に関する質問等を多く受け付けています。
ー1日あたりの受信/発信件数についてお聞かせください。
村井氏:
入電件数は1日あたり平均 470件、確認、調査後の返答発信件数は 160件程度。電動アシスト自転車の販売店などからの問合せ件数は多い傾向です。一方でヤマハ製品専売店や大型販売店はヤマハディーラーオンラインシステムを利用しており問合せ件数は少ないのですが、入電の問合せ内容自体は高度、複雑傾向にあると言えます。
即答できない場合は、一旦、終話し調査・確認した上で返答発信します。オペレーター教育は通録のモニタリング期間を充分に取りながら取り扱い製品全般についての知識を習得させます。実際に電話オペレーションを開始してから1年程度で問合せの入電に対し 80%程度は自己完結できるようになり、3年程度で1入電の対応中に即答出来るレベルに達しています。
ーサポートセンターの体制についてお聞かせください。
村井氏:
オペレーターは31名で、うち18名が電話対応を行います。その他、受注入力専任スタッフやEDI受注対応、FAX問合せの処理を分担しています。
ーBIZTEL 導入前に利用していたシステム環境についてお聞かせください。
土川氏:
他社の CTI システムを利用していました。運用開始が2003年で、10年以上利用していましたが老朽化が否めず、システム管理の面からリプレイスの必要性を強く感じていました。また、一般的な IT 環境、弊社の各業務システム、インターネット環境、端末環境も変化しており、CTI システムを刷新することで業務効率が大幅に改善できる可能性があると考えていました。
ー当時の問題点、課題についてお聞かせください。
土川氏:
部品サポートセンターの現場にいくつか課題を感じていました。
例えば、販売店とのやり取りで万一齟齬が発生した場合でも、自動で通話が録音される機能があれば安心です。当時は残念ながら、通話録音するためには事前操作が必要で、利便性が欠けていました。
また、レポートを閲覧することができるのは特定のパソコンのみといった制約があったのと、入電本数、応答率などを含めた分析用の細かいレポートが取得できなかったので、リプレイスによってスタッフの正しい評価やコールセンター全体のポテンシャルの可視化ができればと考えていました。
システム連携の面でも、現在のような入電時の販売店情報の自動ポップアップ表示もありませんでしたので、都度販売店情報を聞いて入力しなければならない手間がありました。他にも、問い合わせ内容の管理の仕組みが不足していたと思います。例えば、応対履歴の入力はテキストでベタ打ちするしかなかったので、どのような問い合わせが多いかなどの傾向分析が難しい状態でした。
レポートを活用して、KPI に設定した応対本数、
平均通話時間、平均保留時間をバランス良く達成
ーリプレイスの検討と BIZTEL の利用開始はいつ頃でしょうか?
土川氏:
2014年の年末からどのサービスを選定すれば良いか、弊社の情報システム部門(ヤマハ発動機 プロセス・IT 部)と協議しました。結論としては、レポート機能、データ分析、通話録音機能などの現場の要望を叶える BIZTEL と kintone に決定し、2016年6月から運用を開始しました。
ーBIZTEL の導入によって、実際にどのような点が解決されましたか?
土川氏:
全ての入電が録音され対応品質の改善・向上に役立てられています。取引先さまとの会話の中でミスの有無やオぺレーター教育に重要なツールとして利用しています。新人には通話録音を徹底的に聴かせる事で、早い段階で実際の電話オペレーション業務に就かせることができます。
その他には、充実したレポート機能を活用することで、稼働状況の可視化ができたことです。応答率は 90%を大きく超えていて、業務実績は日報として情報共有しています。KPI に設定した応対本数、平均通話時間、平均保留時間をバランス良く達成できているか?を管理しています。1日 100本ほど応対するオペレーターもいますが、バランス良く KPI を意識するよう、オペレーターに対して指示しています。
また、BIZTEL と kintone が連携することでオペレーションの省力化につながりました。例えば、入電時に販売店情報や過去の対応履歴等がパソコンの画面に自動表示されることや、分析用に問い合わせのカテゴリー(例:納期、製品問合せ、価格問合せ 等々)を選択できることです。
村井氏:
私たちは応対の現場で、BIZTEL とkintone を個別のサービスとして意識することがほとんどありません。それぐらいシームレスな連携が実現できていると思います。
ー導入してわかったことや想定していなかった便利な機能/効果はありますか?
村井氏:
モニタリング・ささやき機能はいいですね。経験の浅いオペレーターの応対中に先輩オペレーターが通話内容をモニタリングし、ささやき機能を用いてフォローアップすることで、回答品質が向上していると思います。
その他、BIZTELの導入に合わせてソフトフォンに切り替えました。慣れに時間がかかることを想定し、事前にテスト環境で練習もしました。今は全員ソフトフォンを利用していますが、音声が聞き取りやすくて、いいですね。あとは、レポート機能でオペレーターの応対状況をしっかり管理できるようになりましたので、オペレーターの派遣元の会社に評価をフィードバックしています。
ー部品サポートセンターの運営で工夫していることがあれば教えてください。
村井氏:
週次でオペレーター対象の定例ミーティングを実施しています。最近よくある問い合わせや模範解答などの情報交換の場です。必要に応じて私も同席しています。
土川氏:
建設的な意見が出やすい雰囲気があります。
村井氏:
その他には、席替えをすることでオペレーターが持っている知識や経験を共有しやすい環境作りができています。そうしてスタッフ全員のスキルアップにつながるよう心掛けています。BIZTEL はクラウドサービスなので、回線工事が不要で自在に席替えができる点がありがたいですね。
ー今後、BIZTEL に期待することについて教えてください。
土川氏:
以前、弊社の部品サポートセンターを見学された異業種のお客さまがいらっしゃいました。弊社業務のさらなる標準化、効率化を進めていくにあたり、他社の取り組みを参考にしたいと考えており、BIZTEL 利用のメーカー系 BtoB コールセンターを運営されている企業があれば、センター運営について情報共有の機会をいただければと思っています。
(取材:2019年 11月)
社名 | ヤマハ発動機株式会社 |
---|---|
事業内容 | 二輪車、船外機、船舶、ウォータービークル、バギー車、サイド・バイ・サイド・ビークル、スノーモビル、自動車用エンジン、サーフェスマウンターの製造及び販売、並びにレジャー・レクリエーション施設の運営 |
URL | https://global.yamaha-motor.com/jp/ |
本事例で導入されている主なサービス・オプション
※ 資料ダウンロードフォームに遷移しますので、必要事項をご記入の上お進みください。
ご記入いただいたメールアドレス宛に、資料ダウンロードページのURLをお送りします。