2021.03.05

IP電話の特徴と強みとは?ビジネスで役立つ組み合わせも紹介

IP電話は、インターネットを介した電話回線、および電話機能の総称です。

IP電話は導入・ランニングコストが低く、クラウド型電話システムとの相性も良いことで知られています。個人向けサービスが耳目を集めがちなIP電話ですが、実はビジネスユースでこそ真価を発揮する仕組みです。

ここでは、IP電話の仕組みや特徴、強みとともに、ビジネスシーンでよく使われる周辺システムについても紹介します。

1.IP電話とは?

まず、IP電話の概要と強みについて整理していきましょう。

IP電話の概要

IP電話は、VoIP技術を利用した電話サービスです。VoIPとは「Voice over Internet Protocol」の略称で、音声を圧縮してパケットに変換し、IPネットワークでやり取りする技術を指します。

IP電話が普及し始めたのは2000年頃で、ちょうどブロードバンド環境の拡大時期と重なります。この頃から、従来のアナログ電話回線によるインターネット接続がADSLに置き換わり、定額で大容量かつ高速な通信を行えるようになりました。

この流れに乗るようにIP電話も普及し始め、一般の電話回線よりも安く音声通話を行う下地が整ったのです。

IP電話の強み

IP電話が注目を集めた背景には「コストの低さ」があります。

従来のアナログ電話回線よりも時間当たりの通話料金が安く、なおかつ、導入コストも必要最小限で済みます。これは、個人用途のみならずビジネス用途にも言えることです。

例えば、一般的なビジネスフォンを使用する場合、従来のアナログ電話回線であれば、内線網の構築やPBXの設置・設定作業が必要でした。具体的には、最低でもビジネスフォン設置工事費用として1台あたり15000~20000円前後が必要です。

また、オンプレミス型PBXの設置には1台あたり数百万以上のコストを要することから、電話システムの構築に多額の費用が必要だったわけです。

しかし、IP電話を使うことで、電話システムの構築コストを大きく削減できるようになります。これは、同じくインターネットを介してサービスを提供するクラウド型電話システムと相性が良いことが理由です。

クラウド型の電話システムでは、そもそもシステムのすべてがクラウドベンダーの管轄下にあるため、物理的な配線作業やPBX購入・設置が必要ありません。

また、IP電話アプリケーションを活用することで「据え置き型の電話機」以外でも通話が可能になります。PC・スマートフォンなどをビジネスフォンとして利用できるため、物理的な電話機の購入費用も削減できるというわけです。

こうして、導入費用・ランニングコストともに非常に低額であるにも関わらず、高い柔軟性を誇るIP電話は、変化の速い現代のビジネス環境にマッチしていると言えるでしょう。

2.IP電話とクラウドPBX・CTIの違い

ビジネスユースでは、IP電話と共に「クラウド型PBX」や「クラウド型CTI」などが使われています。それぞれのシステムの特徴やIP電話との違いを整理してみましょう。

クラウドPBX

  • クラウドPBXの特徴

クラウドPBXは、PBXが提供する内線/外線間の接続・交換機能などをクラウドサービスとして提供するものです。

クラウドPBXでは、電話回線を使ったオンプレミス型PBXのようにオフィス構内への設置作業や物理的なスペースの確保、メンテナンスなどが必要ありません。インターネット回線さえあれば物理的な制限を受けずにPBXの機能を利用できるという強みを持っています。

  • IP電話とクラウドPBXとの違い

どちらもインターネットを介するという点では同じです。しかし、IP電話は「VoIPを利用した電話網、もしくは電話サービス」である一方、クラウドPBXは「電話交換機能などを提供するクラウドサービス」であるといった違いがあります。

PBXは電話網を構築する「交換機」ですから、電話機そのものを表しているわけではないのです。

クラウドCTI

  • クラウドCTIの特徴

CTIとは、「Computer Telephony Integration」の略称で、「コンピューターと電話を統合した仕組み」を指します。

一般的にコールセンターや企業内では、PBXとビジネスフォンを接続し、電話網を構築しています。

しかし、現代は単に電話網を構築するだけでなく、複数の外部システムとの連携も必要になってきました。CTIは電話とPC・FAX・CRMなどを連携させ、電話を「複数の機能をもったコミュニケーションデバイス」に変化させます。

また、CTIの導入によって「顧客情報のポップアップ表示」「クリックトゥコール(クリックで架電)」「通話録音連携」といった付加機能も利用できるようになります。クラウドCTIは、こうしたCTIの機能をクラウド上から提供するサービスです。こちらもクラウドPBXと同様にイニシャルコストが極めて小さく、物理的な制限が無かったりスケーラビリティに優れていたりと、クラウドならではの強みを有しています。

  • IP電話とクラウドCTIの違い

こちらもインターネットを介するという点では似ていますが、クラウドCTIは「電話を含めた複数の仕組みを、コンピューターによって統制・管理するシステム」です。クラウドCTIが管理する仕組みの中に、IP電話があると考えて良いでしょう。

3.IP電話が主流の時代へ 〜新規導入・リプレイスはIP電話前提がおすすめ

今後は、ビジネスユースでも間違いなくIP電話が標準となります。なぜなら、政府が2025年までにアナログ電話を廃止し、IP電話網に完全移行することを決定しているからです。

この決定の背景には、「アナログ電話回線契約者の減少」や「アナログ電話網の維持が限界に達すること」などの事情があるようです。

また、こうした政府の決定を抜きにしても、以下のような理由からIP電話の導入がおすすめです。

新規導入・リプレイスにIP電話がおすすめの理由

  • スモールスタート

小規模なビジネスの立ち上げ時には、イニシャルコストが小さく、なおかつ使用開始までの時間が短いIP電話が有利です。また、クラウドサービスと組み合わせることで、低コストかつ高機能な電話網の構築も可能です。

PBXやCTIもクラウドが主流である今、電話システムの構築に必要なものはすべてクラウドサービスで調達できます。

  • 拠点間をつなぐ格安の内線網として

IP電話はインターネットを介してデータ通信を行うため、「距離によって通話料金が変わらない」という特性を持っています。つまり、遠隔地同士を結んでも通話料金が上がらないのです。

さらに、同じ契約内での利用であれば、距離に関係なく内線の通話料金がかからないプランもあります。したがって、IP電話で遠隔地同士を結ぶ内線網を構築できれば、拠点間の通話コストをゼロにできる可能性があるわけです。

  • 在宅勤務時のコミュニケーション手段

IP電話は、コロナ禍で一気に一般化が進んだ在宅勤務制度においても有用です。特別なビジネスフォンを導入せずとも、従業員の自宅PCやスマートフォンにIP電話アプリケーションをインストールするだけで、内線化が可能になるからです。

4.まとめ

ここでは、IP電話の特徴やPBX・CTIとの違い、IP電話の強みなどについて解説してきました。

IP電話はコストメリットや機能の豊富さ、周辺システムとの連携など、現代のビジネス環境にマッチしています。電話システム自体のクラウド化とも相性が良いため、スモールスタートやコールセンターの新設などにも対応できるでしょう。

今後、あらたな電話システムを構築するならば、IP電話を前提とした構成を検討してみてはいかがでしょうか。