2017.12.19
2025.08.15

CTIとは?機能・連携システム・メリット・クラウド型サービス比較まで徹底解説

[最終更新日:2025/7/29]

こんにちは、BIZTELです!

このブログでは、BIZTELが2,000社以上にCTIシステムを提供し、電話にまつわる課題解決を支援してきた経験から、ビジネスに役立つ情報をお伝えしていきます。

今回のテーマは「CTI」。

CTIシステムは電話業務の効率化、応答率の改善、顧客満足度の向上など、さまざまなビジネス課題が解決できるため、コールセンターやオフィスへの導入が進んでいます。

この記事ではCTIの意味から、連携できるシステム、主要な機能、メリット、導入にかかる期間、代表的なサービスまで、基礎的な知識を網羅してわかりやすくお伝えします。

業務改善のために、CTIの基本を抑えていきましょう!

CTIとは

CTI(Computer Telephony Integration)は「コンピューターと電話を統合する技術」を意味します。

コンピューターのアプリケーションと電話を連携させ、電話応対に便利な機能を使えるようにする仕組みです。

例えば、

  • 顧客管理システムと連携させることで、電話がかかってきたタイミングでお客さまの名前や過去の応対履歴、取引状況などを表示させる
  • 顧客管理システムの応対履歴に、通話録音ファイルを紐付ける
  • 音声認識システムと連携して、通話の書き起こしを表示する

など、多彩な機能が使えるようになります。

コールセンター・カスタマーサポート・ヘルプデスク・受注センター・お客さま相談室・テレマーケティングなど、電話で顧客対応をする部署で利用されています。

CTIとPBXの関係・違い

CTIシステムと関連して話題にでることが多いシステムのひとつに、PBX(Private Branch eXchange:構内交換機)があります。

PBXは、オフィス内に電話のネットワークを構築し、内線・外線通話の発着信や、転送・保留といった機能を提供するシステムです。

PBXは、CTIによって他のシステムと連携されることが多い仕組みの一つです。

近年ではPBXの機能を持っているCTIシステムが多いため、意味が混同されることがあります。上記のように、本来は異なる仕組みであることを抑えておきましょう。

※CTIとPBXの違いについてもっと詳しく知りたい場合は、こちらの記事も参考にしてみてください!
 → CTIについて学ぶ!仕組み・PBXとの違い・必要な機器は?

CTI連携ができる主なシステム

CTIを導入することで電話と連携できるシステムには、次のようなものがあります。

CRMシステム(顧客管理システム)

CRMシステムは、顧客情報・購入履歴・問い合わせ内容などが一元管理できる仕組みです。CTIシステムによって電話と連携される、代表的なシステムの一つでもあります。

CTI連携をすることで、客さまから着信があった際、CRMシステムに記録されている顧客情報を自動で表示する「着信ポップアップ」機能が使えるようになります。また、通話の終了後に、発着信の履歴、通話録音ファイルのリンク、文字起こしなどを自動でCRMシステムに保存できます。

架電のシーンであれば、CRMシステム上に表示された電話番号をクリックするだけで発信ができる「クリックトゥコール」機能も利用できるようになります。

※ CTI連携ができる代表的なCRMシステム

Salesforce、FastHelp、kintone、Zendesk、デコールCC.CRM、enjoy.CRMⅢ、Discoveriez、FlexCRM、inspirX、iXClouZ、HubSpot CRM、CSStream、楽テル、FileMaker、GENIEE SFA/CRM

SFA(営業支援システム)

SFAとは、顧客情報や商談の進捗状況、日報などの営業活動データを一元管理し、売上アップを支援するシステムです。

CRMシステムと同様に、SFAに登録されているお客さまから着信があった際に顧客情報を自動で表示できるほか、電話の発着信の履歴、通話録音ファイルのリンク、文字起こしなどを自動でSFAに保存できるので、営業活動の記録や情報共有にかかる手間を大幅に削減できます。

SFA上に表示された電話番号をクリックするだけで発信ができる「クリックトゥコール」機能も利用でき、電話によるアプローチも効率化できます。

※ CTI連携ができる代表的なSFA

Salesforce、eセールスマネージャー Remix Cloud、Sales Force Assistant、GENIEE SFA/CRM

音声認識AI

音声認識AIは、文字起こしができるシステムです。CTIシステムを介して電話と連携することで、通話内容をテキスト化することができます。お客さまの発言のメモや、応対履歴の入力、苦情やトラブルに関する報告書の作成などにかかる手間を大幅に削減することが可能です。また、通話内容を後から確認する際も、録音を聴くのと比較して短時間で行えます。

連携する音声認識AIのサービスによっては、会話に出てきたワードをもとに関連するマニュアルやFAQをオペレーターに表示したり、クレームと類推できる単語やNGワードが発せられたら管理者に通知できたりと、さらに便利な機能が利用できます。

※ CTI連携ができる代表的な音声認識AI

AmiVoice、MSYS Omnis、AI Dig、RECAIUS、AI Call Center Service

生成AI

AIがユーザの指示にしたがって文章を作成したり、情報の整理をしたりと、従来は人が行っていたさまざまな作業が自動化できる技術です。ChatGPTなどのAIチャットボットで利用されていることでもお馴染みです。

CTIシステムによって電話・音声認識AI・生成AIサービスの3つを組み合わせて使うことで、通話内容の書き起こしを要約でき、応対履歴の入力などにかかる作業時間を大幅に削減できます。そのほか、顧客とオペレーターの会話内容から、VOC(お客さまのご意見・ご要望)の抽出、FAQの作成、言葉づかいのチェック、ヒアリング項目の抜け漏れの確認なども可能です。

※ CTI連携ができる代表的な生成AI

OpenAI API、Azure OpenAI API

ボイスボット

ボイスボットは、AIを活用して電話の自動応対ができるシステムです。 問い合わせ内容への回答や、購入・解約の手続き、予約日時の変更といった対応を自動で行うことができます。

CTIシステムと連携することで、ボイスボットからオペレーターへ通話を取り次ぐ場合に、それまでお客さまとボイスボットの間でしたやり取りの内容や相手方の電話番号を、オペレータに表示できます。

また、内線を経由して取り次げるようになり、オペレーターへの転送にかかる通信費を削減することもできます。

※ CTI連携ができる代表的なボイスボット

AI Messenger Voicebot、PKSHA Voicebot、commubo、LINE WORKS AiCall

その他のシステム

CTIシステムはこのほかにも、「ネクストエンジン」「EC-CUBE」「たまごリピート」などのECプラットフォーム、「TableSolution」といった飲食店向けの予約・顧客管理システム、「メールディーラー」をはじめとするメール共有管理システムと連携することができます。

また、「Slack」などの社内チャットシステムと連携し、顧客から着信があったことを通知したり、通話録音データを共有したりすることも可能です。

API機能(他のシステムと簡単に連携できるようにする仕組み)が充実しているCTIシステムを利用すれば、さらに幅広いシステムと連携でき、従来にない便利な仕組みを作ることができます。

CTIの機能

CTIシステムを導入することで、さまざまな機能が使えるようになります。ここでは代表的なものを紹介していきます。

着信ポップアップ機能

CRMシステムやSFAなどと連携し、着信時に相手方の電話番号をもとに顧客データを検索して、PCに表示する機能です。

電話を取る前に相手の名前や住所、過去のやり取りなどが把握できるので、顧客に合わせた応対が可能になるほか、電話口での本人確認にかかる手間を減らすことができます。

通話録音

通話を録音して、CTIシステム内に保存できます(※)。お客さまと話した内容を後から聴き直したり、電話応対の品質をチェックしたりする際などに利用されています。

※保存できる期間や容量が設定されている場合があります。詳しくは、CTIシステムの提供会社に確認してみましょう。

通話履歴連携

通話の開始時間や終了時間、CTIシステムに保存されている録音ファイルのURLリンクを、CRMシステムなどの応対履歴に自動で登録することができます。通話内容を後から確認する際、簡単に探し出せるようになります。

クリックトゥコール

CRMシステムやSFAなどの顧客情報画面に表示されている電話番号をクリックするだけで発信できる機能です。ダイヤルの入力が必要なく、かけ間違いを防ぐこともできるので効率よく架電できます。テレアポなど、アウトバウンド業務をする際に役立ちます。

音声テキスト化

音声認識AIと連携して、通話を書き起こすことができます。通話内容のテキストは、CTIシステムや音声認識AIの管理画面で確認できるほか、CRMシステムなどの応対履歴に自動で登録することもできます。

通話終了後の作業時間(ACW)の短縮や、お客さまとの通話を蓄積してデータ活用することなどが可能になります。

通話内容の要約

生成AIへ指示を出し、音声認識AIで書き起こした通話内容を要約することができます。要約は、CRMシステムなどの応対履歴に自動で記録することができます。

応対履歴を作成する作業が大幅に削減されるので、後処理の時間(ACW)を短くできます。

カスハラ・クレームの自動判定

テキスト化した通話内容をもとに、生成AIが応対の中にカスハラやクレームが含まれていないか自動で判定します。

判定結果は、通話の文字起こしや録音とともにCRMシステムへ自動で記録・蓄積でき、カスハラ・苦情事例のデータベースを作ることが可能です。業務の改善や、社内教育などに活用できます。

※詳しくは、こちらの記事をご覧ください。

応対品質の自動評価

AIが通話を分析し、電話応対の品質を評価する機能です。お客さまの話にかぶせて発言している回数や、話すスピード、お客さまと担当者のトーク比率といった項目が計測できます。話し方の改善点が可視化でき、セルフコーチングすることが可能です。

オペレーターの応対品質改善はもちろん、電話営業をする担当者のスキル向上にも役立ちます。

稼働状況モニタリング

現在の「待ち呼数」「通話数」「保留数」や、受付可能・後処理中・離席中といったオペレーターの「業務ステータス」など、コールセンター全体の状況を見える化する機能です。

各自がコールセンターの状態をひと目で把握できるため、「待ち呼があるから、後処理を急いで終わらせて電話をとろう」といった状況に応じた行動を、オペレーターが意識的にできるようになります。

レポート機能

着信数・保留数・応答率・放棄数といった受電に関するデータや、発信数・コンタクト数・コンタクト率といった架電に関するデータを、それぞれ自動集計してグラフで表示できます。期間の指定や、オペレーターごとの集計も可能です。

部署全体や個人ごとの業務改善に役立てられるほか、週次・月次などで実績報告書を作成しているコールセンターであれば、そうした作業の時間も短縮できます。

ACD(着信分配)

オペレーターへの着信を自動で振り分ける機能です。応対件数の偏りがなくなるよう公平に着信させたり、役割や業務スキルなどに応じて優先度を変更したりできます。

また、一定時間の応答がなければ、別のオペレーターに着信させるといった設定も可能です。

IVR(自動音声応答)

お客さまからの入電に自動音声で回答したり、「●●●の問い合わせについては『1』を、△△△については『2』を押してください」といったガイダンスを流して、ダイヤル操作や音声で回答してもらって担当窓口につないだりできる機能です。

さらに発展的な活用法として、購買管理システムやCRMシステムなどと連携し、商品の購入・解約や来店予約の自動受付ができるほか、SMS送信サービスと連携して、Webサイトや商品資料などのURLを送信するコールフローなどを作ることもできます。

オペレーターの負担削減、お客さまの待ち時間の短縮、営業時間外の自動対応など、さまざまな効果が期待できる機能です。

モニタリング・ささやき

顧客とオペレーターの通話をリアルタイムで聴くことができます。また、オペレーターにしか聞こえない音声で、アドバイスや指示を送ることも可能です。

難しい問い合わせや苦情対応のサポートに役立つほか、在宅勤務をしているオペレーターのフォローにも役立ちます。

メモ機能

通話の履歴ごとに、応対内容などのメモをCTIシステムに記録することができます(※)。簡易的なCRMシステムのように活用することが可能です。

※保存期間が設定されている場合があります。詳しくは、CTIシステムの提供会社に確認してみましょう。

プログレッシブコール

登録した顧客リストの電話番号に自動発信を行い、応答したお客さまをオペレーターに接続する機能です。通話が終了したら、直ちに次のお客さまへの架電が開始されます。

オペレーターが電話をかける手間がなくなることに加え、通話が繋がるまでの待ち時間や、不通・話し中・留守番電話といった無応答の時間が削減でき、より多くのお客さまへアプローチができます。テレアポ業務や督促業務などの生産性が改善できる機能です。

プレディクティブコール

プログレッシブコールと同じく、登録した顧客リストの電話番号に自動発信を行い、応答したお客さまをオペレーターに接続します。異なっているのは、通話の終了を待たず、予め設定した時間が経過したら次の架電を行う点です。

予測的(プレディクティブ)に架電数を増やすことができるので、より多くのお客さまと効率的につながることができます。電話が通じにくい顧客リストへアプローチする際や、大量に架電する必要がある場合などに効果的な機能です。

このほか、オペレーターが電話をかける手間や、通話につながるまでの待ち時間、相手が話し中などで空ぶりする時間が削減できるといったプログレッシブコールと同様のメリットを併せ持っています。

インターネットFAX

メールソフト上でFAXの送受信が行える機能です。紙の代わりにPDFファイルでやり取りを行います。メールを転送することで、手間なく社内共有することが可能です。

ペーパレス化が実現できるほか、FAX機や電話回線の設置、インクの補充も不要になるため、コスト削減が見込めます。また、パソコンやスマートフォンで操作できるので、在宅勤務中にFAX対応できる点もメリットです。

CTI導入のメリット

CTIシステムの導入には、次のようなメリットがあります。

業務効率化

CTIシステムを活用することで、電話応対のさまざまなシーンで業務を大幅に効率化できます。それぞれ見ていきましょう。

● 電話の一次受け・取次ぎの削減

IVR(自動音声応答)機能や、ボイスボットとの連携により、お客さまの問い合わせ内容に応じて担当部署へ自動で転送することができます。電話の一次受け業務や、別部署に問い合わせが入った際の取り次ぎを削減することが可能です。

● 通話時間の短縮

CRMなどの顧客管理システムとの連携により、着信時にお客さまの情報や過去の応対履歴・商談状況などが自動でポップアップ表示されます。通話が始まってからお客さまに本人確認をしたり、顧客情報を検索して履歴を調べたりする手間がなくなるため、通話時間が短縮できます。

● 後処理時間(ACW)の削減

通話内容の文字起こし・要約を、CRMなどの顧客管理システムに自動で登録できるため、終話後の応対履歴の入力作業を大幅に削減することができます。

● 架電業務(アウトバウンド業務)のダイヤル操作削減

CTIシステムでは、CRMシステムなどに表示されている電話番号をクリックするだけでお客さまへ発信できる「クリックトゥコール」や、顧客リストへ自動発信し、お客さまが電話に出たらオペレーターに通話をつなぐ「プログレッシブコール」「プレディクティブコール」など、ダイヤル操作を自動化する機能が使えます。

電話番号を確認してダイヤルする必要がなく、かけ間違いも防げるため、テレアポなどの架電業務を効率よく行うことができます。

人件費の削減

IVR機能などによって電話の一次受け業務を無くすことができるほか、通話時間や後処理作業が削減できることから、オペレーターの採用費を抑えつつ、顧客満足度の高いコールセンター運営が可能になります。

呼損の削減

CTIシステムの稼働状況モニタリング機能により、待ち呼の状況や、受付が可能なオペレーターがどのくらいいるかが一目で確認できるため、一人ひとりのオペレーター・SVが呼損が発生しそうな状況を察知し、すぐに受け付けできるよう手を打つことができます。

また、IVRの活用やボイスボットとの連携によって自動応対が可能になるため、問い合わせをしたお客さまの取りこぼしを減らすことができます。

顧客満足度の向上

CTIシステムは、お客さまの満足度を上げる点でも役立ちます。具体的には、次のような効果があります。

● 顧客一人ひとりに合わせた対応ができる

CRMシステムとの連携により、着信時に顧客情報や過去の応対内容、購買履歴などが表示されるので、相手の状況に合わせた適切な案内がスムーズにできます。

● 顧客の待ち時間を短縮できる

稼働状況モニタリング機能により、オペレーターやSVが待ち呼の状況をリアルタイムで把握できるため、すぐに受け付けができるよう対応することができます。

● 電話のたらい回しが減る

IVRやボイスボットとの連携により、顧客の問い合わせ内容に応じた窓口に電話をつなぐことができるので、取次が発生せず、顧客が「たらい回しにされた」とストレスを感じるケースを減らすことができます。

● 24時間365日の電話対応ができる

IVRやチャットボットとの連携により、休日・夜間といった時間帯でも自動音声で電話対応ができます。自動応対で解決が可能な範囲のものであれば、営業時間外でもお客さまの問い合わせを完結できるので、平日の日中になかなか電話がかけられないお客さまなどの利便性をより高められます。

応対品質の改善

AIによる応対品質の分析が可能なCTIシステムであれば、全通話を自動で評価することができます。

顧客の発言にかぶせて話してしまった回数や、トークのスピードなどが確認できるので、コールセンターのオペレーターやインサイドセールスの担当者は、評価の結果を見ながらセルフコーチングで電話応対を改善することができます。

顧客情報の一元管理

CTIシステムを活用することで、通話のあった日時や録音データ・文字起こしといった電話応対の記録をCRMなどの顧客管理システムに自動で連携できるので、顧客情報の一元管理を促進できます。

問い合わせデータの分析・有効活用

CRMシステムなどと連携して顧客の問い合わせ情報を蓄積できるので、さまざまな改善活動に活かすことができます。具体的には、次のような取り組みができます。

● コールリーズン分析

コールリーズン(顧客がコールセンターに電話をかける理由)について分類・集計ができるので、問い合わせの多い内容についてFAQの追加やオペレーターへの研修といった対策ができるほか、Webサイト・パンフレットの該当箇所をわかりやすくして受電数の削減をするといった改善ができるようになります。

● VOC(お客様の声)の収集・共有

電話応対中にお客様からいただいた要望・ご意見を、CRMシステムなどの顧客管理システムに集約することができます。商品やサービスの改善に役立つ情報を、迅速に社内共有できます。

● カスハラ・クレーム事例のデータベース作り

顧客管理システム上で、カスハラやクレームの応対履歴を一覧にすることができます。文字起こし・通話録音なども確認できるので、事例の共有や再発防止の検討、社内研修への活用に役立てられます。

部署異動や席替えに対応しやすい

クラウド型のCTIシステムの多くは、IP電話・PBX(外線・内線といった電話のネットワークを構築する仕組み)・ソフトフォン(PCの画面で操作できる電話機)などの機能を併せて提供しています。

インターネット環境とPCがあれば、これらの電話機能をどこでも利用できるため、部署異動や席替えをする際もPCを持って移動するだけでよく、手間がかかりません。

テレワークによるコールセンター運営

IP電話・PBX・ソフトフォンの機能があるクラウド型のCTIシステムを導入すれば、PCを自宅に持ち帰り、インターネットやVPN(安全に接続できる専用回線)などの通信に接続するだけで、コールセンターの電話を発着信することができます。

また、「稼働状況モニタリング」機能を使うことで、管理者やSVは在宅勤務中のオペレーターの業務ステータス(通話中・事後作業中・休憩中など)を把握し、管理することが可能です。

さらに、苦情や難しい問い合わせなどを受けた際に、オペレーターがSVにヘルプを求めることができる「手上げ」機能や、SVがお客さまとオペレーターの通話をリアルタイムで聴き、音声でアドバイスを送れる「モニタリング・ささやき」機能を使うことで、遠隔サポートを行うこともできます

CTIのタイプ

CTIには、クラウド型とオンプレミス型があります。それぞれの特徴を見ていきましょう。

クラウド型CTIシステム

クラウド型のCTIシステムは、クラウド上に設置されたサーバーからCTIのソフトウェアが提供されます。インターネットとPCがあればすぐに利用でき、自社にサーバーを設置したり、電話回線をひいたりする必要もありません。

5〜10営業日程度とスピーディーに導入ができるほか、コストが低く抑えられ、繁閑に合わせて利用する人数や機能を細かく調整できるといったメリットがあります。複数拠点やテレワークでも利用できるので、BCP(事業継続計画)対策の面でも有効です。

また、サービスによっては管理画面の操作が分かりやすく、コールセンター現場で設定変更を容易に行うことができます。

オンプレミス型CTIシステム

オンプレミス型のCTIシステムは、自社内にサーバーや通信機器を設置して利用します。他のシステムとの連携や、既存の業務フローに合わせた仕様が設計できるなど、カスタマイズの柔軟性が特徴です。インターネットを使わず、社内ネットワークで通信するため、外部からアクセスされるリスクを最小限に抑えられることに加え、高い音質で通話ができます。

一方で、導入コストが高く、利用開始までの期間も長くなるというデメリットがあります。また、自社のシステム部門や外部のITベンダーが運用・保守を行うケースが多く、ちょっとした設定変更についても対応を依頼する必要があり、時間や費用がかかってしまう場合があります。

CTI_type

CTIシステムは自作可能か?

CTIシステムを自社開発する場合、電話網との接続や音声処理、セキュリティなど、専門的な知識が求められます。また、システムの保守・アップデート・トラブル対応といった運用の負担も発生します。

多彩な機能をパッケージしたCTIシステムが提供されていますので、それらを利用することをお勧めしています。

CTIの導入にかかる期間

現在主流となっているクラウド型のCTIシステムの場合、利用する規模・機能などにもよりますが、要件が決まっていれば最短5営業日から導入が可能です。

※CTIの導入スケジュールについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください!
 → CTI導入におけるポイントとは?費用・スケジュール・実績の観点で解説

CTIの導入事例

事例1:通販会社 – 応答率が「14%」から「最大91%」へ向上

「アイリスオーヤマ」の公式通販サイトを運営しているアイリスプラザ社では、コロナ禍の時分、マスク需要の急増により、回線がパンクするほどの問い合わせが発生していました。
当時の仕組みでは電話回線の増設が難しかったことに加え、注文用の窓口に担当外の問い合わせが入ってきてしまうという課題を抱えていました。また、待ち呼が一定時間を経過するとアナウンスもなく自動で切られてしまうため、クレームに発展することもあったそうです。

同社はクラウド型CTIシステムを導入したことで、IVRを使ってお客さまを適切な窓口に案内できるようになるとともに、待ち呼の状況も可視化できるようになったため、およそ14%だった応答率が最大91%まで向上しました。

また、待ち呼が自動で切断される課題が解決されたほか、通話中にオペレーターだけが聞こえる音声でアドバイスできる「ささやき」機能や、コール状況を自動集計するレポート機能も併せて活用し、応対品質の向上と日常的な業務の効率化も実現できたそうです。

→ アイリスプラザ社の事例全文はこちら

事例2:システム会社 – 大規模コールセンターの在宅化

3拠点150名以上の大規模コールセンターを運営しているピー・シー・エー社では、コロナ禍の当時、在宅勤務体制への変更を余儀なくされたことで、90%以上あった応答率が10%~20%程度にまで落ち込んでしまったといいます。

当時の仕組みではオフィス内の決まった席でしか応対ができず、電話のためにスタッフが出社する必要があったため、在宅勤務の体制がうまく構築できずにいました。

クラウド型CTIの導入によって自宅でもコールセンター業務が行えるようになり、下がってしまった応答率も90%まで回復することができました。

またシステムをクラウド化したことで、どこからでも管理画面を開いて設定変更が行えるようになったり、スタッフが必要な機能を利用できるようになったりと、以前よりも利便性が格段に向上したそうです。

→ ピー・シー・エー社の事例全文はこちら

→ その他のCTIの導入事例はこちら

【企業規模別】おすすめCTIシステム5選を紹介

ここからは、具体的なCTI・コールセンターシステムの​サービス​について、利用者数の規模や費用の観点から比較・紹介していきます。

BIZTELコールセンター

BIZTELは初めての方でも簡単に導入できるクラウド型コールセンターシステム・IP電話サービスです。2006年から19年以上に渡ってサービスを提供しており、導入社数で8年連続 国内No.1を獲得しています。*

また、24時間/365日の有人による電話対応といったサポート体制を構築しており、安心して利用することができます。Salesforceをはじめとした各種CRMやSFAとの連携も可能で、ニーズに合わせた柔軟な運用ができる点も特長です。

*デロイト トーマツ ミック経済研究所「マーテック市場の現状と展望 2024年度版 クラウド型CRM市場編 (第8版)」による。

導入に向いている
センター規模

小〜大規模まで幅広く対応しています。
1〜100席のコールセンターから圧倒的に支持されています。

費用

(最大40席のプランの場合)

  • 初期費用:200,000円
  • 月額費用:81,000円

※別途、1席から利用できるプランがあります。
※その他のプランはこちら

カスタマイズ可否

様々なAPI機能を提供しており、CRMや独自システムと組み合わせて使うことができます。
Salesforce・kintone・Slack・AmiVoiceをはじめ、数多くのサービスとの連携実績があり、システムに業務を合わせることなくスムーズな利用が可能です。

導入実績

2,000社・40,000席以上
沢井製薬さま・日清食品ホールディングスさま・日本生命さま・フジッコさま・freeeさま・ヤマハ発動機さまなど

導入事例一覧はこちら

URL

BIZTEL 公式サイトはこちら

楽天コネクト

楽天コネクト(旧コネクト2.0)は楽天コミュニケーションズが提供するコールセンターシステムです。1席から始められ、最低利用期間も1ヵ月と短いので、ローリスクで導入できます。電話番号発行からシステム開通までワンストップで対応できるのも強みです。

スピーディーにコールセンター環境が構築できる「楽天コネクトSmaCom」と、多様なチャネルに対応することができる「楽天コネクトStorm」の2つから選択できます。

導入に向いている
センター規模

小〜大規模まで幅広く対応しています。

費用

【楽天コネクト SmaCom】
コンタクトセンター

  • ベーシック:1,980円 / 席 / ⽉
  • アドバンス:5,980円 / 席 / ⽉
  • アウトバウンド+:7,980円 / 席 / ⽉

 

【楽天コネクト Storm】
12,000円 / 席 / ⽉
最低利用席数:各サービス1席〜

カスタマイズ可否

要問い合わせ

導入実績

1,200社以上

URL

楽天コネクト公式サイトはこちら

CT-e1/SaaS

CT-e1/SaaSはコムデザインが提供するクラウド型コールセンターシステムです。

実務に必要な機能が標準で備えられていることに加え、カスタマイズ性高いという特徴があります。また、開発エンジニアによる細かく丁寧なサポート対応も魅力です。

CT-e1/SaaSの大きな特徴は、運用開始後のカスタマイズが無料で行える点です。業務変更や商戦期にカスタマイズが必要になっても安心して対応することができます。

導入に向いている
センター規模

小〜大規模まで幅広く対応しています。

費用

  • 初期導入設定費 :300,000円

  • 回線/シート/管理機能ライセンス :各5,000円/月

  • 最低利用席数:要問い合わせ

カスタマイズ可否

対応可能

導入実績

1,745テナント・31,000シート

URL

CT-e1/SaaS 公式サイトはこちら

Genesys Cloud CX

Genesys Cloud CXはジェネシスクラウドサービス社が提供する、高い拡張性と先進的な機能を備えたクラウド型コールセンターシステムです。

電話に加え、チャット・ビデオコール・ソーシャルメディアを統合した、マルチチャネル対応のソリューションを提供しています。あらゆるチャネルを結ぶことで、顧客に合わせた対応が可能となり、システム活用の幅が広がります。

導入に向いている
センター規模

基本的に中〜大規模で利用されています。

費用

  • CX1:9,000円 / ユーザー / ⽉

  • CX2:13,800円〜 / ユーザー / ⽉

  • CX3:18,600円〜 / ユーザー / ⽉

  • CX4:28,800円 / ユーザー / ⽉

    最低利用金額:2,000ドル / 月〜

カスタマイズ可否

対応可能

導入実績

非公開のため、要問い合わせ。

URL

Genesys Cloud CX 公式サイトはこちら

BlueBean

BlueBeanはソフツーが提供するクラウド型コールセンターシステムです。

CTICRM・オペレーター管理・レポートなど、多数の機能を搭載したオールインワンタイプの製品です。
アウトバウンド・インバウンド両方の業務に対応しており、特にプレディクティブ発信やリスト管理などのアウトバウンド機能が標準サービスで利用できるため、効率的な架電業務がすぐに始められます。

導入に向いている
センター規模

基本的に小規模で利用されています。

費用

  • 初期費用:5,000円 / 席
  • 月間利用料:5,000円 / 席
  • 最低利用席数:5席〜

カスタマイズ可否

対応可能

導入実績

300社以上

URL

BlueBean公式サイトはこちら

CTIの価格

CTIシステムの導入にかかる費用は、利用する規模や機能によって変化します。

自社が導入する際の価格を確認したい場合は、以下の料金表を掲載した資料や、個別の見積もりフォームでご確認ください!

CTIについてもっと詳しく知りたい方はこちら

クラウド型CTIシステムの選び方とは〜ポイントと主要5サービスの比較〜
顧客からの信頼を獲得する!電話窓口を開設するメリット・方法・CTIなどおすすめサービス