2018.08.07

クラウド型CTIシステムの選び方〜主要5サービスを比較〜

コールセンターにおける電話対応業務の改善・強化に向けたソリューションとして、CTIシステムが注目されています。しかし、その選び方や強み・弱みを詳細に把握できているでしょうか。CTIはビジネスの規模や形態によって最適なソリューションが変わるため、しっかりとポイントを整理して比較しなくてはなりません。

本稿ではCTI比較のポイントを整理しながら、最適なCTI選定の一助となるような情報を提供します。

最適なCTIはクラウド?オンプレミス?

昨今、あらゆるICTシステムがクラウドに置き換えられています。これはCTIも例外ではありません。ストレージやビジネスアプリ、果ては基幹システムまでがクラウドによって提供されています。もちろんこれは単なる流行ではありません。クラウドがトレンドとなっている背景には、ビジネスにおけるさまざまなメリットがあるのです。

そこで、まずはクラウドとオンプレミスの比較を見ていきましょう。

○クラウド型

・メリット

自社内にサーバーやネットワーク機器(電話回線も含む)などのハードウェア資産を持たず、ベンダーから間借りする形態であるため、調達コストがかからない。また、導入スピードも速く、短納期かつ低コストで新しいシステムを立ち上げられる。

・デメリット

システム構成がサービスを提供するベンダーのプランに依存するため、ややカスタマイズ性が低い。また、オンプレミス型のクローズドネットワークとは異なり、外部との通信が発生するため、セキュリティリスクがある。

○オンプレミス型

・メリット

ハードウェアやネットワークの構成をきめ細やかに設定でき、カスタマイズ性が高い。また、クローズドネットワークでセキュリティ性を高めやすく、他システムの連携も容易。

・デメリット

システムの要件定義や設計、実装などをゼロベースから行うため、短納期での導入が難しく、導入費用も高い。また、スケーラビリティの確保や運用管理にもコストがかかり、事業の足かせになりがち。

このようにクラウド型とオンプレミス型は、一長一短のように見えます。しかし、実際にはコスト面での恩恵が大きいクラウド型に軍配が上がるでしょう。特にコールセンター向けCTIの場合、導入に至る動機の多くは「効率化・コスト削減」です。

また、主要CTIの多くはセキュリティ対策や他システム連携にも注力しており、クラウド型特有のデメリットも解消されつつあります。つまり、今後はクラウド型コールセンターシステムのCTIを選択するメリットのほうが大きい、といえるでしょう。

CTIの導入目的

CTIを選ぶ際には、まず導入目的を明確にすることが重要です。

以下では、主なCTIの導入目的を紹介します。

業務効率化とコスト削減

CTIシステムの導入によって、オペレーター業務の効率化が図れます。例えば、顧客管理システムと連携することで、着信したタイミングですぐに顧客情報や活動履歴の確認が可能となります。

また、着信の振り分け機能により、オペレーターの業務量の平準化も実現できるでしょう。結果として、作業時間の短縮やコスト削減にもつながります。

応対品質の改善

上述の通り、着信時に顧客情報を表示することで、スムーズな案内や本人確認が可能となり、顧客のストレスを軽減できます。

また、通話の録音ファイルをストレージに保存できるため、受付した内容に間違いがないかの確認や、スタッフの電話応対の指導などに活用することもできます。

通話データを他のシステムに連携

CTIは、通話に関する情報を他のシステムに連携できます。例えば、CRMやSFAの顧客応対履歴に通話録音ファイルを紐付けたり、Slackなどのビジネス用チャットに顧客から着信があったことを通知したりすることが可能です。

このほかにも、現在利用しているシステムやツールと電話の情報を組み合わせることで、様々な業務改善を実現できます。

導入失敗を防ぐ!CTI比較のポイント7つ

それでは実際にクラウド型CTIを比較する上でおさえるべきポイントを整理していきます。
クラウド型CTIの比較ポイントは、主に以下の7つに集約できるでしょう。

得意とするコールセンターの規模(ビジネスの規模)

小~中規模のコールセンター(10席から100席規模)であれば、短納期でのシステム構築や柔軟な運営が可能で、スケールしやすいサービスが有効です。

また、席数が少ない場合であっても、質の高い顧客体験を提供するためには機能が充実したシステムが必要です。よって、小規模でも価格を抑えて導入でき、かつ、様々な機能が利用できるクラウド型CTIを選択することもポイントといえるでしょう。

一方、大規模コールセンター(100席超)の場合は、安定性・信頼性・トラブル発生時のサポート体制・セキュリティ対策を重視すべきです。
大規模なコールセンターは、システム障害などのトラブルが発生した際に顧客に与える影響も大きくなります。そのため、システムトラブル発生時のサポート体制が充実しているかどうかは重要なポイントです。
また、近年では、クラウド型でもセキュリティ・可用性などに優れたサービスが登場しており、大規模なコールセンター構築においても有効な選択肢となっています。

②業務タイプ(インバウンド・アウトバウンド)

インバウンド(受電)」「アウトバウンド(架電)」それぞれの業務に対しどの程度対応できるかも重要な比較ポイントです。
インバウンド業務は「顧客から電話を受ける」業務であり、主に商品・サービスの問い合わせや予約受付・受注などがこれに該当します。
対してアウトバウンド業務は「顧客へ電話をかける」業務であり、アンケート調査や販売促進活動・アポイント取りなどが該当します。

サービスによって有する機能が異なるため、導入するコールセンターの目的によって選ぶべきシステムも異なります。特にアウトバウンド業務に対応していると、販促活動やアンケート、アポイント獲得など、コンタクトセンターとして付加価値を高める顧客対応の仕組みを構築しやすくなります。

③機能

「何でもできるCTI」ではなく「自社のコールセンター業務に必要な機能を持ったCTI」を選定していきましょう。
そのためには、あらかじめ自社に必要な要件を洗い出したうえで、それぞれのCTIサービスが備えている機能と比較する、いわゆるFit&Gap分析が有効です。Fit&Gap分析により、システムの機能が過剰になってしまったり、逆に不足してしまったりする事態を避けることができます。

また、コストパフォーマンスを考え、最小構成時の価格やオプション機能の種類なども検討したいところです。

④カスタマイズ性

オンプレミス型のシステムであれば自社の業務やシステムに合わせて比較的自由にカスタマイズを実現できますが、クラウド型はサービス内容がパッケージ化されているものが多いため、カスタマイズ性という視点ではやや劣る側面があります。それだけに、自社の業務に合わせたカスタマイズの可否は、重要な選定ポイントです。

CTIシステムの選定時には、上述したFit&Gap分析と合わせ、自社の必須要件が標準機能にない場合にカスタマイズで実現できるのか、またその際の費用はどの程度なのかを比較することが大切です。

⑤外部連携の可否

すでに社内で利用しているシステム(CRMやSFAなどの顧客管理システム)との連携が可能かどうかも選定ポイントになり得ます。ICT(情報通信技術)のシステムは連携によってシナジー効果を生みやすいため、外部連携が可能かどうかで導入の成否が決まるといっても過言ではありません。特に、着信した電話番号と紐づいた顧客情報を自動でパソコン画面にポップアップ表示するCRM連携ができると、受電業務の効率は劇的に改善します。

また、他社のパッケージやアプリとの連携に、どれだけのコストがかかるかも把握しておきましょう。
一般的に、カスタマイズ性の高いオンプレミス型のほうが柔軟なシステム間連携を実現できますが、クラウド型CTIであっても、主要なアプリケーションとの連携はサポートしているケースが多いです。自社が利用しているシステムと連携ができるかどうかは必須の確認事項といえるでしょう。

⑥トータルコスト

コストは導入から運用保守までにかかるトータルコストで比較します。初期費用や月間利用料に加え、保守契約期限が切れたタイミングで発生するシステム更改費用なども織り込んで、5〜10年程度のスパンでシミュレーションを行うことをおすすめします。

クラウド型CTIは、「初期費用+座席数や拠点数に応じた従量課金」が一般的です。自社のビジネス規模に応じて最適なものを選んでいきましょう。クラウド型であればベンダーが行うシステム保守に期限がないため、自社が求める機能要件を満たしている限りはオンプレミス型のようにシステムの入れ替えを行う必要がありません。

ちなみにオンプレミス型の場合、ハードウェア購入費やシステムの開発費が初期費用として発生するほか、運用保守費用がランニングコストとなります。導入時には多額のコストが必要ですが、長期的に運用すれば費用面でメリットがある場合もあります。ただし、保守契約期限が切れた際の買い替えや、将来的な機能拡張にかかる導入・開発費用も視野に入れて検討するべきでしょう。

⑦サポート体制と導入実績

まず、自社の業務に合わせてサポート要件(対応してほしい時間帯、範囲など)を決め、可能な限りそれに近いものを選定していきましょう。

また、導入実績は一つの評価指標となります。特に、自社と同じ業種や業態への導入実績があるかどうかもあわせてチェックしてみましょう。そのような実績が豊富なシステムであれば、業務面での知見を活用したスピード感のある導入ができる可能性が高く、運用開始後の安定性にもつながりやすいです。

主なクラウド型のCTI5サービスを比較

それでは、比較ポイントが整理できたところで、より具体的に主要CTIを比較してみます。今回比較するのは、国内で特にシェアが高い、以下5つのクラウド型CTIソリューションです。

● BIZTELコールセンター
● 楽天コネクト
● CT-e1/SaaS
●GENESYS Cloud CX
● BlueBean

【BIZTELコールセンター】

BIZTELコールセンターは、クラウド型CTIのなかで最も利用されているシステム※1 です。規模に関わらずどのようなコールセンターにもマッチする国内有数のCTIといえます。
インバウンド・アウトバウンド両対応で、外部システムと連携するためのAPI機能を多数用意しており、ユーザ固有の仕様にも柔軟に対応できます。

さらに、BIZTELコールセンターはセキュリティの堅牢性も強みです。導入実績は1,700社以上と国内トップ※2 であり、小規模から大規模まで幅広く対応することが可能です。
導入スピードも最短5営業日と速く、機動性が高いCTIです。通話にかかる費用が大幅に削減された企業の事例もあり、コストカットも見込めます。

【楽天コネクト】

楽天コネクトは、楽天コミュニケーションズ社が提供するクラウド型CTIシステムです。プランによっては1席から導入可能で、最低利用期間も1か月と手軽に導入ができます。
規模の大小にかかわらず柔軟な導入が可能であり、簡単・スピーディーにコールセンター環境が構築できる「楽天コネクトSpeed」に加え、メールやチャットなどの多様なチャネルに対応できる「楽天コネクトStorm」の2つのサービスから選択できます。
1,200社以上の導入実績を誇り、また初期費用が安いことも強みです。ただし、カスタマイズについては、問い合わせて確認する必要があります。

【CT-e1/SaaS】

CT-e1/SaaSは、コムデザイン社が提供するクラウド型CTIシステムです。小規模なコールセンターにマッチし、インバウンド・アウトバウンドに対応しています。

災害時を想定したネットワーク冗長化が可能で、導入スピードも速いことが強みでしょう。さらに、開発エンジニアによって提供される高品質なサポートも評判を呼んでいます。

また、運用開始後のカスタマイズ費用がかからない点も大きな特徴です。

【GENESYS Cloud CX】

GENESYS Cloud CXは、ジェネシスクラウドサービス社が提供するクラウド型CTIシステムです。

電話をはじめ、チャットやビデオコールなどを統合したソリューションを提供しており、自動応答を実現するIVRやマルチチャネル環境の運営状況をリアルタイムで確認できるレポート機能なども含んだ、幅広い機能を利用することができます。

【BlueBean】

BlueBeanは、ソフツー社が提供するクラウド型CTIシステムです。インバウンド・アウトバウンド両機能を備えており、特にプレディクティブ発信やリスト管理などのアウトバウンド機能が標準で利用できる特徴があります。
簡易的なCRM機能を備えており、単体で顧客情報を管理することも可能です。

※1 ※2
デロイト トーマツ ミック経済研究所より2021年5⽉に発刊された、『マーテック市場の現状と展望 2021 クラウド型CRM市場編(第5版)』による。

まとめ

CTIシステム導入に際しては、コールセンターの規模や電話業務の内容など、さまざまな選定基準があります。それだけに比較ポイントの整理は重要なのです。しかし、必ずしも自社の選定基準に合致したCTIが存在するとは限りません。妥協や譲歩が必要なこともあります。ただし、重要な比較ポイントを把握しておけば、自然と最適なソリューションが見つかるはずです。今回紹介した7つのポイント「規模」「業務タイプ」「CTI機能の内容」「カスタマイズ性」「外部連携」「トータルコスト」「サポート体制と導入実績」は、忘れずにチェックしましょう。本稿を参考にしながら、ポイントを抑えたCTI比較を行い、お客様はもちろん、電話応対に従事している人たちの満足度の上がるシステム選定をぜひしてみてください。

 

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