【クラウドPBXとは?】クラウドPBXの仕組みやメリットを理解して、電話環境を改善しよう!
[最終更新日:2023/6/2]
クラウドPBXとは、構内に置いていたPBX(Private Branch eXchange:構内交換機)をクラウド化し、インターネット上で通話・通信を行うことで、従来の電話環境を改善することができるサービスです。場所を選ばずに電話環境が構築できるほか、設定もWebブラウザやアプリケーション上で簡単に行うことができる点が特長です。
しかし、クラウドPBXといっても様々な機能があり、従来のPBXと比較してどんなメリットがあるのか分かりづらいのが難点です。
- クラウドPBXの仕組みや機能が知りたい
- 従来のPBXとクラウドPBXの違いが知りたい
- クラウドPBXを活用するメリットが知りたい
といったお悩みを抱えてはいないでしょうか?
本記事ではそんなお悩みを解決するために、クラウドPBXの基礎知識から従来のPBXとの違い・メリットを解説します。
クラウドPBXを導入する際にぜひご活用ください。
目次
クラウドPBXの基礎知識
クラウドPBXとは、PBXの機能がインターネット上から利用できるサービスのことです。クラウドPBXを活用することで、場所を問わず、安価に電話環境を構築することが容易になりました。
そもそもPBXとは、オフィスの電話を交換する役割を担うシステムのことを指します。外線を複数の内線電話につなげたり、内線同士を相互に接続したりすることが可能です。
従来から利用されているオンプレミス型のPBXの場合、ハードウェアを購入して拠点ごとに設置する必要があります。また、回線の増減や設定、保守が切れた時の買い替えが必要で、メンテナンスも業者に依頼しなければなりません。そのため、PBXの導入には大きなコストがかかります。
対してクラウドPBXはインターネットを利用するため、ハードウェアを購入する必要がありません。拠点が分散していても対応しやすく、低コストで利用することができる点から、従来のオンプレミスPBXでは難しかった小規模からの利用や費用の削減が実現します。また、利用者や内線番号の設定もブラウザから行うことができることに加え、メンテナンスを自社でする必要がありません。
コストや運用面を考えても、電話環境の構築にはクラウドPBXがオススメです。
PBXの種類
そもそも、PBXにはどのような種類があるのでしょうか。
ここでは、PBXの主な種類と特徴を解説します。
PBX
最初に登場したPBXは、内線同士を接続するのに外線を経由しなければならない課題を解決するために生まれました。PBXを利用することで外線を経由せずに済み、結果として内線同士の通話料金がかからなくなったのです。また、外線を複数の内線端末に対応させることも可能になりました。
しかし、従来のアナログ電話型であるPBXは比較的高価です。電話回線を利用しているため、拠点ごとにPBXを設置する必要があり、導入コストが高くつきます。また、回線の増減や設定には業者への作業依頼が必要であるため、運用コストも大きくなりがちです。PBXには耐用年数があるため、保守が切れた後の買い替えに伴うシステムの選定や移行にもどの程度のコストがかかるか意識しなければなりません。
IP-PBX
IP-PBXとは、IP電話機で外線通話や内線通話を中継するIP型PBXです。IP-PBXはネットワーク回線を利用して内線環境を構築できるため、電話機の増設や設定変更を業者へ依頼せずに済み、運用コストを削減できます。
また、インターネットがつながっていれば、IP-PBXを一拠点に導入するだけで拠点間での内線網を構築できます。CTI連携によりコンピューター上のアプリケーションと連携できるのも魅力の一つです。
しかし、IP-PBXはオフィスに設置する必要があるため、従来の(アナログ電話型)PBXと同様にハードウェアの購入や設置工事といった導入コストはかかります。このように自社にサーバーなどの設備を必要とするPBXを「オンプレ型」「オンプレミス型」とも呼びます。
クラウドPBX
クラウドPBXとは、従来オフィス内に設置する必要があったPBXをインターネット経由で利用できるようにしたサービスです。インターネットがつながっていればPBX機能が利用できるので、従来のPBXやIP-PBXのようにハードウェアを導入する必要がありません。
また、クラウドPBXはサービス提供者がメンテナンスを行います。そのため、PBX自体のメンテナンスに時間を割かれることがなく、運用を意識する必要はありません。
PBXについてはこちらの記事でも詳しく解説しています。
クラウドPBXの機能
クラウドPBXはインターネットを活用することで従来のPBXよりも活用の幅が広がりました。以下ではクラウドPBXが備えている機能について解説します。
活用の幅が広がる基本機能
クラウドPBXでは、ダイヤルインや内線通話・保留・転送など従来のビジネスフォンで利用できる機能が備わっています。ビジネスフォンから乗り換える際も今まで使えていた機能が使えなくなることはありません。
むしろクラウドPBXを導入することで、場所を問わず内線で通話でき、保留や転送がモバイルフォンからでも利用できるようになります。
簡単・スムーズな設定変更
事業所の移転や部署のレイアウト変更の際には電話環境の設定変更が必要です。従来のPBXではそれらを業者に依頼する必要がありましたが、クラウドPBXを導入すればその必要はなくなります。内線番号の追加や削除・変更といった設定がブラウザ上から簡単にできるようになるためです。
顧客応対が効率化する便利機能
顧客数が増えるほど、問い合わせの件数も増えていきます。多くの顧客からの問い合わせに対応するためには、顧客応対を効率化しなければなりません。クラウドPBXには顧客応対を効率化する便利な機能が搭載されています。例えば、IVR機能は顧客の問い合わせに自動音声で応対し、適切なオペレーターに割り振ることでオペレーターの取り次ぎ時間を削減します。また、オペレーターのスキルレベルなどに合わせて着信する順番や割り振りが設定できるACDも、顧客応対の効率化に寄与します。
IVR
主に自動音声で顧客への応答や案内を行う機能です。ダイヤルを押下することで特定の音声ガイダンスを流したり、対応時間外の着信に自動で返答したりすることができます。また、問い合わせ内容に応じて担当のオペレーターに接続することも可能です。特に最近では音声認識の技術が発達してきた影響で、ダイヤルボタンだけでなく音声での入力操作が可能になるなど、改めて注目されている機能です。
ACD
オペレーターへの着信の順番を決めたり、一定時間が経過しても応答がない場合に別のオペレーターに着信するように設定したりといった、主に着信の分配を制御する機能です。
コンピューター上で全て完結
インターネットを活用したクラウドPBXであれば、電話機を用意することなく、コンピューター上で電話業務が完結します。電話機の代わりとなるのがソフトフォンです。コンピューター上で発着信を行うことができ、電話帳や連携したCRM等に登録された電話番号であれば、ダイヤルしなくてもクリックするだけで発信できます。
また、クラウドPBXで忘れてはならないのがCTI機能です。CTI機能を用いることで、顧客の電話番号から顧客情報を検索し、コンピューター上に表示することができます。電話を取る前に相手がわかるので、顧客一人ひとりに合わせた応対が可能です。
よく使われるCTIの機能は次の2つです。
CRM連携
着信番号からCRMのデータを参照し、登録されている顧客であれば着信時に名前・住所・企業名といった情報が表示できます。また、CRMに表示されている番号をクリックすることで即座に発信することも可能です。応対品質の向上やオペレーターの業務負荷の削減ができるため、クラウドPBXを利用する多くの企業で導入されています。
通話録音
通話の内容を録音できる機能です。顧客とのやりとりをあとで聞き返したり、顧客との思わぬトラブルを未然に防いだりすることができます。
クラウドPBXと接続できる電話機の種類(IP電話・ソフトフォン・モバイルフォン)
クラウドPBXはインターネットを活用し、スマートフォンをはじめ様々な電話機と接続できます。ここではクラウドPBXと接続できる電話機について解説します。
SIP端末(IP電話)
SIP端末とは、インターネットを介して電話ができる端末のことです。よく使われているものとしてIP電話が挙げられます。ビジネスフォンとは異なり、LANケーブルを接続することで電話をすることができます。従来のPBXでは電話回線を利用していたため、電話機の増設は業者に依頼する必要がありました。しかし、SIP端末ではインターネットを利用するため、増設などの際もLANケーブルの付け替えや設定を自社で行えます。
ソフトフォン
ソフトフォンとは、インターネットを介してコンピューター上での電話を可能とするソフトウェアです。従来のPBXでは実現できないインターネットを活用した電話環境を構築できます。電話機を購入する必要がなく、コンピューター上にソフトウェアをインストールしたり、ブラウザ上で起動したりするだけで使えるのが利点です。サービスによっては、ソフトフォン自体に電話帳などの機能が付加されています。さらにコンピューター上のアプリケーションと連携できるのも魅力です。
モバイルフォン(携帯電話)
クラウドPBXは携帯電話(フィーチャーフォン)やスマートフォンにも対応しています。インターネットや通信キャリアの電波につながれば利用できるので、社内だけに留まらず社外でも利用できます。モバイルフォンを内線化すれば、自宅でリモートワークも可能になり、活動の幅が広がります。
特に最近では在宅勤務が浸透し始め、オフィスを持たない企業も出てきました。こういった企業ではクラウドPBXを利用して社用の携帯電話やスマートフォンを内線化し、固定電話端末を使用することなく内線通話を実現しているところもあります。
クラウドPBXの導入コスト
クラウドPBXにかかるコストは基本的に「初期費用」と「月間利用料」のみです。物理的な設備を必要としないため、サーバー購入費や配線工事費・システム開発費といった費用がかかりません。
費用の相場としては、1席(1アカウント)あたりで初期費用が数万円程度、月間利用料が数千円〜2万円程度になります。サービスによって基本機能に組み込まれている内容も異なるので若干の幅はあるものの、基本的には数万円程度かかると見込んでおきましょう。
価格が比較的安いサービスの場合、月間利用料が1万円以内で収まることもありますが、機能が限定されていたり、音質や安定性に難があったりする場合があります。
逆に、初期費用や月間利用料が高めに設定されている場合は通話録音や着信振り分けといった業務を効率化する機能が標準利用できることが多いです。
具体的な価格の例として、クラウドPBXサービス「BIZTEL コールセンター」の費用をご紹介します。
座席課金プランの場合(1席あたり)
- 初期費用:50,000円
- 月間利用料:15,000円
- 標準機能:通話録音・ACD・IVR・稼働状況モニタリング・統計レポートなど
クラウドPBXを導入したいケース
ここでは、コールセンターやオフィスでの電話対応で実際によく発生する課題を例に挙げながら、クラウドPBXの導入を検討したいケースをいくつか紹介します。
設定変更・機能追加などの頻度が多い
オンプレミス型PBXの場合、部署の移動や業務要件の変更に伴うガイダンス・電話機などの設定変更は、基本的にベンダーや業者に依頼をする必要があります。対してクラウドPBXは、設定の変更を自社で簡単に行えるため、費用をかけずにスピーディーに運用することができます。また、機能や番号の追加も容易です。
繁忙期・閑散期に応じてオペレーターのシフトを調整している
繁忙期にオペレーターを増員したり、逆に閑散期にはシフトを減らしたりするなど、呼量に応じて人員の調整を行うコールセンターも少なくありません。このような場合にもクラウドPBXの導入がオススメです。月ごとに座席(アカウント)数や、同時通話ができる回線数を調節することで月々の利用料をコントロールすることができるため、繁閑に合わせた無駄のない運用ができます。
在宅勤務や複数拠点での運用を検討している
特定のオフィスだけでなく、自宅や別拠点での利用にもクラウドPBXが有効です。クラウドPBXはインターネットとPCがあれば利用ができるため、自宅であってもオフィスと変わらない電話環境を構築することができます。また拠点分散の際にも物理的な設備の移動や設定が発生しないため、運用コストを抑えることができます。
クラウドPBXの導入メリット
ここでは、クラウドPBXを実際に導入するにあたって知っておきたいメリットについて解説します。
導入時のコスト抑制
サーバー購入費や開発費などの初期費用が高額なオンプレミス型PBXに比べ、クラウドPBXは安価に導入することが可能です。
一般的に、数十万円〜数百万円の導入費用がかかるオンプレミス型PBXに対し、クラウドPBXは月々の利用料はかかるものの、席数の規模にもよりますが数万円〜数十万円程度で導入できるケースもあります。高い導入費用をかけずに数席・数アカウント程度からでも利用が始められる点から、特に小規模であればクラウドPBXの導入メリットの方が大きいといえるでしょう。
場所を問わない柔軟な運用
クラウドPBXはインターネットとPCのみで利用でき、ブラウザで操作できる管理画面から機能の追加や設定変更を行えます。そのため場所に縛られず、自社の業務環境に合わせた柔軟な対応が可能になります。
豊富な機能と高い拡張性
CRMとの連携をはじめ、クラウドPBXには電話業務を効率化する様々な機能を備えたものがあります。最近ではAI分野の進歩に伴い音声認識の活用も本格化しつつあり、通話内容をリアルタイムでテキスト化することも可能になっています。
クラウドPBXを導入することで実現できること
では、クラウドPBXを導入すると何が変わるのでしょうか?ここではクラウドPBXを導入することで実現できることを解説します。
スモールスタートで電話環境を構築
クラウドPBXはスモールスタートに適しています。インターネットがあれば利用できるため、ハードウェアの購入といった導入コストが必要ありません。また、従来のPBXのように設置工事も必要ないため、スピーディーに導入することが可能です。サービスによりますが、おおむね5営業日〜2週間程度でクラウドPBXを使い始められます。低リスク・低コストで環境を構築することができるため、ベンチャー企業や新規事業を始める際に向いているといえるでしょう。
全国だけでなく海外拠点であっても簡単に電話環境を構築
クラウドPBXを導入すれば多拠点であっても電話環境の構築が容易です。従来のPBXでは拠点ごとにハードウェアを用意し、設置や配線の工事を行う必要がありました。しかし、クラウドPBXはインターネットを利用したサービスのため、場所を問わず利用できます。事業所の規模拡大やリモートワークの導入などにより拠点を分散させることも多々ありますが、そういった際にはクラウドPBXの導入がスムーズな拠点構築を実現させる近道となります。
機動的な運用
クラウドPBXは、ブラウザから簡単に内線番号の追加や削除・変更といった設定を行うことができます。ベンダーに依頼しなくてもその場で設定ができるため、新規事業の立ち上げや事業所の移転といった迅速な運用が求められる状況で真価を発揮します。また、運用コストも利用状況に合わせて調節できるので、事業の状況に合わせて機動的な運用が行えます。
オフィス電話を手軽に内線化
携帯電話端末の内線化も行うことができます。例えばクラウドPBXサービス「BIZTELモバイル」では、法人契約をしている携帯電話端末のキャリアの回線を利用したり、アプリをインストールしたりすることで全国どこからでも内線通話をつなぐことができます。クラウドPBXを活用することで、従来のサービスよりも安く、手軽に内線化を行うことができるうえ、携帯電話の通話機能を用いるため音声の品質が高いことも魅力です。
クラウドPBX導入時の比較ポイント
続いて、クラウドPBXを導入する際に知っておきたい比較ポイントを3つご紹介します。
音質・機能性・価格のバランス
PBXの導入においては、上記3点が最も重視されるのではないでしょうか。
音質が安定していて多機能で安価、というサービスに出会うのはなかなか難しいため、自社が求める音質や利用したい機能といった要件をある程度定めておき、総合的なバランスの良さを加味して、自社に合うシステムを選ぶようにしましょう。
導入・運用時のサポート体制
サービス導入・運用時におけるサポートの内容や受付時間も確認しておきたいポイントでしょう。システムを新たに導入する際にはトラブルがつきものです。導入時や運用時に発生した不明点・トラブルを迅速に解消できるよう、どの程度のサポートが受けられるのかを把握しておきましょう。
自社が利用するシステムとの連携実績
CRM連携などの機能を使う場合には、自社で利用しているシステムとの連携が問題なく行えるかを確認する必要があります。
自社が使うシステムを含め様々なシステムとの連携実績があり、信頼の置けるベンダーを選ぶのがベターです。
クラウドPBX利用の際に気になることを解消!電話番号の継続とFAXはどうする?
クラウドPBXは既存のPBXと仕組みが異なるため、導入に際して電話番号やFAXの利用に一部変更が必要となるケースがあります。
以下では、クラウドPBXを利用する際に多くの方が気になるであろう、「電話番号の継続利用可否」と「FAXの利用可否」について解説します。
電話番号の継続可否について
クラウドPBXの導入を検討する際に気になるポイントのひとつが、「どのような電話番号が利用できるのか」ではないでしょうか。
サービスにもよりますが、一般的に利用される03 / 06などの地域番号や、IP電話に利用される050番号、いわゆるフリーダイヤルに用いる0120番号などはクラウドPBXでも利用できます。
電話番号を新規に発行する場合には問題ありませんが、現在の電話番号をそのまま継続利用したい場合、選択するクラウドPBXサービスにより利用可否が変わる点に注意が必要です。
以下では、クラウドPBXサービスであるBIZTELを例に紹介します。
03/06などの地域番号を継続利用したいケース
BIZTELでは、03 / 06などの地域番号は基本的に継続利用が可能です。
主要都市(※)など一部地域の電話番号については、固定電話番号ポータビリティ(LNP:Local Number Portability)を利用することで、そのまま番号を引き継げます。また、ひかり電話オフィスエースを利用している場合も継続利用が可能です。
ただし、ひかり電話オフィスエースの電話番号を継続利用したい場合は、専用ルータを拠点ごとに設置しなければなりません。
BIZTELでは、これらの条件に当てはまらない場合でも、専用ゲートフェイを設置することで、既存の電話番号の引き継ぎが可能です。ただし、専用ゲートウェイの設置には一定の費用がかかります。
※:東京(03 / 042)・大阪(06)・名古屋(052)・札幌(011)・仙台(022)・横浜(045)・さいたま(048)・千葉(043)・京都(075)・広島(082)・福岡(092)などが該当
0120・0800・0570などの番号を継続利用したいケース
0120や0800・0570番号などについては、契約するキャリアの変更が必要になるケースもあるものの、原則としてBIZTELで継続利用できます。
050から始まる番号を継続利用したいケース
IP電話に利用される050番号は、原則としてBIZTELでの継続利用はできません。ただし、一部のケースにおいて継続利用できる可能性もあるため、詳しくはお問い合わせください。
クラウドPBX導入時にFAXを継続利用する方法
現在も業務で利用している企業が多いFAXですが、一般的なFAXは電話(アナログ)回線を利用するため、インターネット回線を使って電話機能を実現するクラウドPBXの場合、そのままでは利用できません。
クラウドPBX導入後も同様の回線環境でFAXを継続利用したい場合は、受信枚数が多くない場合、転送サービスを利用してFAXをインターネットFAXに転送する(転送通話料が発生します)、もしくはFAX専用に既存の電話回線を維持するなどの対応が必要になります。
最近では、インターネットFAXの利用が一般的です。インターネットFAXとは名前の通り、インターネット回線を通してFAXの送受信を実施する仕組みのことを指します。インターネットFAXでは、FAXで送られた書類をデジタルデータに変換して受信します。
インターネットFAXのメリット
インターネットFAXには、以下のようなメリットがあります。
- どこからでもFAXを送受信できる
インターネット経由でFAXを送受信するため、外出先や自宅など、オフィス以外からでも利用可能です。
- コスト節約
PCなどがあれば利用できるので、FAXを送受信するために複合機などを導入する必要がありません。また、紙に印刷する必要もないため、紙代やインク代などを削減できます。
インターネットはクラウドPBXとの相性も良いため、これを機にインターネットFAXへの切り替えも検討するとよいでしょう。
クラウドPBXを導入する際に注意すべきこと
クラウドPBXの導入で失敗しないためには、どのような観点に気を付けるべきでしょうか。以下では、主な注意事項について紹介します。
安定したインターネット回線の利用
クラウドPBXを利用する際、インターネット回線の通信環境が通話品質に影響します。通話品質の維持・向上のためには、有線で接続して安定性の高いインターネット環境を用意する必要があります。
特に近年ではリモートワークの普及により、従業員がそれぞれの自宅でクラウドPBXを利用するケースも多く見られます。クラウドPBXの利用イメージを具体化した上で、インターネット環境をあらかじめ確認したり、通話のテストを実施したりしておきましょう。
セキュリティ対策状況の確認
クラウドPBXを利用する上では、サービス提供事業者が実施しているセキュリティ対策のチェックも必要です。近年では、クラウドサービス全般のセキュリティ機能が大幅に底上げされており、オンプレミスと遜色のないレベルを実現している製品もあります。FW(ファイアウォール)や暗号化・ウイルスチェックなど、各サービスが提供しているセキュリティ対策機能を確認し、自社のセキュリティポリシーを満たしているかチェックしてみてください。
コスト面の精査
クラウドPBX導入の失敗例の一つとして「思ったよりもコストが高くなった」というケースがあります。クラウドサービスは、利用量に応じて課金される契約形態のものが多いです。そのため、利用する回線数・アカウント数・オプション機能などによってコストが変動する点に注意しましょう。
将来的な利用規模や自社業務に必要な機能・オプションサービスを含めて、十分なコストメリットが得られるかどうかをシミュレーションすることが重要です。導入前のシミュレーションが綿密であるほど、コスト面での失敗リスクを低減できます。
業務の要件に合うかどうかチェック
クラウドPBXに限ったことではありませんが、初期コストがかかる代わりに詳細なカスタマイズができるオンプレミス型に比べ、クラウドサービスはカスタマイズに制限があることが多いです。
特に、オンプレミスPBXからクラウドPBXに移行する場合、サービスによっては現在の機能を同じ条件で継続利用することができません。クラウドPBX移行時には、自社の環境で実現している内容が再現できるのかを事前に確認すべきでしょう。
また、クラウドPBXのなかには、APIで外部のサービスと柔軟な連携ができるものもあります。APIの活用によって、カスタマイズや開発を行わなくても、自社の求める運用を実現できる可能性があります。検討時に、APIの有無や活用方法などをベンダーに確認してみるとよいでしょう。
まとめ
電話環境の構築にはクラウドPBXがオススメです。インターネットがあれば使えるので場所を問わず利用でき、コストも抑えてスピーディーに導入できます。また、アカウント数などの利用状況に応じた料金プランを提供しているサービスが多いため、小規模から始めるスモールスタートにもうってつけです。
特別な事情がない限り、費用面や運用面から比較しても従来のPBXやIP-PBXと比べクラウドPBXが最善といえるでしょう。電話環境の構築や改善のためにクラウドPBXを検討してみてはいかがでしょうか。
※「PBX」についてもっと知る
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