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2021.05.20

クラウドPBXのデメリットとは?ベンダー選定が解消のカギ

近年、PBXは社内設置型のオンプレミス型PBXから、インターネットを介して機能を提供するクラウドPBXへの移行、いわゆるクラウド化が進んでいます。
しかし、クラウド化を検討する上では、クラウドPBXのメリットだけでなく、デメリットについてもしっかり把握しておく必要があります。デメリットを解消することで、オンプレミス型PBXと同等以上の環境を構築することも可能です。

ここでは、クラウドPBXのデメリットとその解消方法について紹介します。

クラウドPBXとは

クラウドPBXは、PBXが持つ機能をクラウド上から提供するサービスです。インターネット回線さえあればPBX機能が利用できるため、イニシャルコストを最小化することができます。
近年はオンプレミス型PBXからクラウドPBXに移行する企業が増えており、今後スタンダードになる可能性が高いです。

クラウドPBXのデメリット

クラウドPBXはオンプレミス型よりも手軽に運用が可能ですが、一方で移行によって発生しうるデメリットについても留意しておく必要があります。
後述しますが、クラウドPBXのデメリットとされるものは多くが事前の準備で解消できるので、デメリットを把握した上で適切な導入・運用ができるようにしましょう。

以下は、一般的に挙げられるクラウドPBXのデメリットです。

クラウドPBXのデメリット

通話品質の不安定さ

クラウドPBXのベースは「IP-PBX」です。IP-PBXはインターネットプロトコルを使用して音声通信を行うため、インターネット回線に音質が左右されます。そのため、インターネット回線の通信速度が低下したり、遅延・瞬断が発生したりすると、通話品質の低下を招くことがあります。

セキュリティリスク

一般的に、パブリックネットワーク(公衆インターネット回線)を使用する場合は、不正アクセスやパケット・スニッフィング(パケット盗聴)などのセキュリティリスクが発生すると言われています。
パブリックネットワークには、不特定多数の人間がアクセスするため、セキュリティリスクをゼロにすることは難しいのが実情です。また、クラウドシステムを運用するベンダー側からの情報漏洩リスクもゼロではありません。

特定番号への発信規制

クラウドPBXは、一般的に「110番(警察への緊急時ダイヤル)」「119番(消防への通報ダイヤル)」など特定の番号への発信ができません。

通常の電話回線とのFAX連携が難しい

「電話+FAX」の組み合わせを採用している場合、ほとんどはアナログ電話回線によってFAX通信を確立しています。そのため、インターネット回線を使用するクラウドPBXでは、FAXが使えなくなる可能性があります。

回線移行によって電話番号が変わる

これまで使用していたアナログ電話回線からIP電話へ変更した場合、番号が変わってしまうことがあります何年も使用していた電話番号が変更されると、顧客への案内や社内周知に時間と手間がかかってしまいます。

ランニングコストが大きくなる

クラウドPBXはサブスクリプション形式の契約が一般的です。したがって、毎月一定の利用料金が発生します。電話の数やコールセンターの規模次第ではあるものの、導入後数ヵ月程度の短いスパンで比較した場合、オンプレミス型PBXよりもランニングコストが高くなることもあるでしょう。

クラウドPBXのデメリットは大半が解消可能!

このように、クラウド型PBXには「通信品質」「セキュリティ」「FAX連携」「番号変更」「ランニングコスト」などにおいてデメリットが生じる可能性があります。しかし、これらについてはすでに多くの企業で対策が講じられており、大半は解消することが可能です。

通話品質(音質)の不安定さ

通話品質(音質)の不安定さは、光ファイバー回線の利用で解消することができます。近年は、光ファイバー回線を利用した固定電話サービスが成熟しており、アナログ回線にも劣らない通話品質が実現されています。
また、社内のLAN環境を有線で構築することで、安定性が高まる傾向にあります。クラウドPBXを提供するベンダーも設備・環境の改善にはとくに注力しているため、きちんとしたベンダーを選べば音質について重大な問題が発生する可能性は低いでしょう。

セキュリティリスク

セキュリティについては、ベンダー側のセキュリティ対策やサービス内容を比較して選定を行えば問題はほぼ発生しません。セキュリティリスクはクラウドが登場した当初から指摘されてきた事柄であり、どのベンダーもセキュリティ対策には常に注意をはらっています。その結果、強固なセキュリティ機能を持つクラウドサービスが増えています。

特定番号への発信規制

そもそも一般的な企業やコールセンターにおいて、特定番号への発信頻度はかなり低いのが実情です。「頻度よりも手段がないことが問題だ」と感じる場合は、特定番号への発信専用回線(スマートフォンなど)を別途設けることで解決できます。
ちなみに、大手キャリアでは特定番号へ発信できるサービスを提供しているため、スマートフォンや携帯電話を特番専用回線として使うことができます。

通常の電話回線とのFAX連携が難しい

FAX連携については、インターネットFAXサービスの活用で解消することができます。インターネットFAXに対応したクラウドPBXを採用することで、アナログ電話回線と同じような使い勝手を実現できます。

回線移行によって電話番号が変わる

回線変更による番号の変化は、LNPサービス(番号ポータビリティ)などを活用することで防ぐことができます。NTT東西エリアであれば継続利用できるケースが多いでしょう。
ただし、環境によっては番号継続のサービスが使えないこともあるため、事前にクラウドPBX提供ベンダーへ確認を行ってみてください。

ランニングコストが増える

仮にオンプレミス型PBXを使用していた場合、保守・メンテナンス・設定変更・機能追加などを年に数回行うと、その費用はかなりの額になることがあります。こうした費用を含めて計算すると、月額費用がかかったとしてもクラウド型PBXのほうが低コストである場合が多いのです。
クラウド型PBXはユーザがPBX本体を所有しないため、保守やメンテナンス費用の負担がありません。また、機能追加を行う場合も、ベンダーが用意しているオプションの範囲内であれば設備投資を行うことなく実現できます。
過去の運用実績や自社の業務プロセスを精査し、それに応じた機能を選択することで、オンプレミス型PBXよりもランニングコストが小さい仕組みを構築できるでしょう。

まとめ

ここでは、クラウドPBXのデメリットと解消方法について解説してきました。オンプレミス型PBXを長く使っている企業では、クラウドPBXの通信品質やセキュリティに対して不安を持っているケースも多いです。しかし、これらの課題はすでに対策が講じられているものばかりです。
クラウドPBXの導入実績が豊富なベンダーは、こうしたデメリットへの対応策をきちんと準備しています。ベンダー選定をしっかり行い、リスク対策を事前に確認しておくことでデメリットは解消できるでしょう。
クラウドPBXへの移行にあたっては、サービス内容やオプションに加え、取り扱いベンダーのノウハウや技術力も加味した選定がおすすめです。

クラウドPBXのメリットについてはこちら

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