2022.04.04

クラウドPBX導入の失敗事例とは?パターンごとの対策を解説

コスト削減や業務の効率化・スモールスタートの実現など、クラウドPBXには様々なメリットがあります。しかし一方で、導入でつまずいてしまい期待したような成果が得られないという失敗例もよく見られます。

クラウドPBXの導入を成功に導くためにも、起こりうる失敗パターンを把握し、その対応策を事前に検討しておくことが重要です。

この記事では、クラウドPBX導入の際によくある失敗事例と対応策について解説します。

1. クラウドPBXとは

クラウドPBXとは、従来は社内などに設置していたPBX(Private Branch eXchange:構内交換機)をクラウド化したものです。
インターネット上で通話・通信を行うことができるため、場所を問わずに会社の代表番号による発着信が可能になったり、Webブラウザやアプリケーションから簡単に設定変更ができたりするなど、電話環境の大幅な改善が可能となります。

また、物理的な機器を持たないクラウドPBXは設置工事が不要であるため、サービスの契約が完了してから比較的早く利用を開始できます。

このように、多くのメリットがあるクラウドPBXですが、期待した成果をあげられず、導入に失敗してしまうケースも見られます。

次章では、「クラウドPBXを新規導入するケース」と「オンプレミス型PBXから乗り換えるケース」の2パターンに分けて、よくある失敗事例について解説します。

2. クラウドPBXの失敗例とその対策①:クラウドPBXの新規導入の場合

新規事業の開始やコールセンターの立ち上げなどでクラウドPBXを導入する場合には、どのような点に気を付けるべきなのでしょうか。

以下ではまず、新規導入の場合にありがちな失敗事例と対応策を紹介します。

回線数・端末数の増加に伴い、想定以上にコストが高額になってしまった

初期費用が安いことにメリットを感じてクラウドPBXを選定したものの、自社の事業規模拡大のために回線数やアカウント数を増やしていった結果、月々の利用料が導入当初の想定よりも高くなってしまうケースもあります。

クラウドPBXは拡張性にすぐれ、初期費用を大幅に削減できる点がメリットですが、当然ながら規模を拡大すると費用も上がります。サービスの選定時には、初期費用や当面の運用費用だけでなく、将来的な事業規模の拡大を考慮し、あらかじめ総合的なコストをある程度想定した上で比較することをおすすめします。

音声の品質が悪い

クラウドPBXの導入後、「回線が安定せず音声が途切れる・聞き取りにくい」など、音声品質に関するトラブルが発生してしまうこともあります。クラウドPBXの音声品質は通信インフラの発展とともに向上はしているものの、残念ながら未だ事業者によっては品質に難があるケースもあります。事前にサービスの品質に関する評判をチェックしたり、無料トライアルを活用したりして、可能な限り導入前に安定性や音声品質を確認することが大切です。

また、呼量が増え、通信が集中した結果、品質が悪化するケースも少なくありません。クラウドPBX導入に併せて、十分な品質が保てるよう社内のインターネット回線を整備することも重要です。

自社で使用しているシステムとの連携性が悪い

製品によっては、すでに自社で利用しているシステムとスムーズに連携ができない可能性があります。ベンダー選定の際には、システム連携の実績や、自社で利用しているシステムとの連携性なども考慮しましょう。

ベンダーの対応に不満がある

価格面で優れているベンダーと契約したものの、やりとりを重ねていくうちに「質問や依頼への対応が遅い」「設定に不備がある・時間がかかる」「知識がない」など、対応に不満を抱くケースがあります。ベンダー側に経験やノウハウが不足している場合には、このようなトラブルが発生しやすいでしょう。

そのため、ベンダーを選定する際には、商品の価格や機能だけではなく、導入後のアフターフォローや導入実績なども事前にチェックするべきです。特に、豊富な実績を持つベンダーは、対応が早くサポート体制も整っている可能性が高いです。

3. クラウドPBXの失敗例とその対策②:オンプレからの乗り換えの場合

前項ではクラウドPBXを新規導入するケースでの失敗について解説しました。ここでは、オンプレミス型PBXからクラウドPBXへ乗り換える際に考えられる失敗パターンと対応策を紹介します。

電話番号が継続できなかった

オンプレミス型PBXからクラウドPBXへ乗り換える際に最も気になる点が「現在利用している電話番号の継続」でしょう。

サービスによっては利用できない市街局番などもあるため、オンプレミス型PBXからクラウドPBXへ移行する際に、現在利用している自社の電話番号を継続できないケースがあります。

自社の電話番号を変更すると、顧客にその旨を連絡する手間がかかるだけでなく、顧客が誤って過去の電話番号に連絡してしまうことでビジネスチャンスを逃すリスクも懸念されます。

クラウドPBXへの移行時には、必ず自社の電話番号が継続して利用できるかどうかを確認しましょう。

コストが割高になった

新規導入のケースでも紹介しましたが、オンプレミス型から乗り換える場合もコストには注意が必要です。クラウドPBXは初期費用が安く、利用する人数や機能に応じた柔軟な料金体系が特徴です。しかし、サービスによってはランニングコストが高くなり、今まで利用していたオンプレミス型PBXのトータルコストと変わらない、もしくは割高となってしまう可能性もあります。

クラウドPBXの料金体系はサービスごとに異なります。利用する回線数やアカウント数により発生する費用はもちろん、自社業務に必要な機能・オプションサービスも含めて料金を見積もり、十分なコストメリットが得られるか事前にシミュレーションするべきでしょう。

従業員から使いにくいと言われる

クラウドPBXへの移行に限ったことではありませんが、これまで利用していたものから新しいものに変更になる際につきものなのが、「前の方がよかった」という意見です。

電話は日常的に従業員が利用するものです。そのため、いかに機能面にすぐれたクラウドPBXを選んでも、従業員がうまく使いこなせなければ応対品質が下がり、クレームやトラブルの原因となるおそれも出てきます。

とくに、高齢の従業員が在籍している場合には、直感的に操作できるサービスを選定することが望ましいでしょう。また、利用者への事前説明や操作マニュアルの展開、社内でのサポート窓口の設置など、操作方法に慣れてもらうための取り組みを積極的に行うことも大切です。

細かなカスタマイズができない

クラウドPBXは、機能や席数がパッケージ化されているため手軽に利用できる一方で、オンプレミス型ほど細かいカスタマイズに対応できない場合があります。

オンプレミス型PBXからクラウドPBXへ移行する際は、自社の環境で実現している内容が再現できるのかを、事前に確認しておいたほうが良いでしょう。

4.まとめ

この記事では、クラウドPBXのよくある失敗例とその対策について、新規導入のケースとオンプレPBXからの乗り換えのケースに分けて解説しました。

クラウドPBXの導入にはさまざまなメリットがあるものの、導入時につまずいてしまってはせっかくのメリットを活かすことができません。新規導入・乗り換えのいずれの失敗例も事前の確認で回避できるケースがほとんどですので、ここで紹介した失敗ケースを把握しておき、クラウドPBXの導入を成功に導きましょう。