BIZTEL ビジネスフォン 導入事例
導入目的
見守りサービス「げんきです」に
BIZTEL×Claris FileMakerを採用
– 特定非営利活動法人コミュニティ・コーディネーターズ・タンク (以下:CoCoT)の活動内容についてお聞かせください。
小山氏:
CoCoTは、地域の困り事の解決に取り組む市民団体の支援と、調整役のコーディネーターの育成を目指して2004年に活動を開始しました。
2011年の東日本大震災をきっかけに、自治会や地域団体と協働し、地域で孤立する方の見守り活動を行うようになりました。その後、公益財団法人ニッセイ聖隷健康福祉財団から受託し私たちが行った高齢社会におけるまちづくりに関する調査研究から得た成果をもとに、新たな活動を開始しました。
それが、クラウドサービスを活用した地域の見守りシステム「あんしんプレミアムサービス げんきです」(以下:「げんきです」)になります。一人暮らしの高齢者の方などの見守りを社会全体で進め、次の世代にも希望のある社会につなげていく活動を多くの支援者とともに実践しています。
– ありがとうございます。次に、みなさまの役割について教えてください。
小山氏:
CoCoTの代表です。事業の全体統括に加えて、スーパーバイザーの役割を担うなど現場の業務も兼任しています。
川瀬氏:
後方支援が業務の中心です。特にシステムを活用するケースでは、効率の良い運用方法を考え、実現をサポートしています。財務などバックヤードも担当していますね。
東イン 小山氏:
今回のシステム提案・開発を担当した東イン株式会社の小山です。
– どのような業務でBIZTELを利用されていますか?
川瀬氏:
BIZTELをデータ管理システムのClaris FileMakerと連携し、私たちが提供する見守りシステム 「げんきです」で活用しています。
小山氏:
「げんきです」は、一人暮らしの高齢者の方を中心に、週に1度「お元気ですか」と電話をかけ、安否を確認するサービスです。
自動発信・自動応答の仕組みになっており、電話を受けた利用者は、元気であれば「1番」、心配や不安があり連絡がほしい場合は「9番」を押します。「1番」を押した方はこの時点で完了です。
「9番」を押した方に対しては、当日または翌日に見守りステーションの相談員から「どうなさいましたか?」と折り返し電話で確認をします。電話では、必要な対応をアドバイスしたり、相談内容をヒアリングしたりと、利用者に寄り添ったサポートをしています。
もしも、2日間続けて応答がない場合には、ご家族や見守りボランティア「ご近所見守りさん」にメールで連絡がいきます。そのほか、あらかじめ登録いただいている緊急連絡先に状況を知らせるフローも整備しています。応答がない場合の再コールの設定なども自動化しており、関係者が状況を確認しながら、必要な対処を行う体制を構築していますね。
– ありがとうございます。「げんきです」の運営はどのような体制で行っていますか?
小山氏:
専門の相談員2名と、補助スタッフ1名です。加えて、スーパーバイザーとして私も携わることもあります。体調面の不安なども含めた利用者からの相談に対して、適切なアドバイスができる体制を構築しています。
– システムの検討・導入に至るまでの背景について教えてください。
小山氏:
2007年ごろにテレビ番組で孤独死や孤立無縁死の特集が放送されたことで、「孤独死」という言葉が多くの人に知られるようになりました。その状況に危機感を抱いた診療所の医師や地域住民が、生活が困窮している方や一人暮らしの高齢者が診療所に来院しなくても安否確認ができる仕組みをつくることで、「孤独死」を防ぐことはできないかと考えたのが始まりです。
さらに、患者さんだけでなく、地域に住む一人暮らしの方にも広げ、定期的に自動電話で安否確認をし、互いに状況を共有して、何かあれば相談を受けたり診療所への訪問を促す仕組みを構築することにしました。自治会やNPOが見守りを担って、千葉県松戸市内7カ所の診療所に、それぞれ個別設置型サーバを設置し運用を開始しました。
– 当初のシステムには、どのような課題があったのでしょうか?
小山氏:
各診療所間で情報共有ができなかったことが課題でした。個人情報や誰がどういった内容で発信や応答をしたのかといった情報が、診療所の各サーバでバラバラに保持されていたためですね。
また、「ご近所見守りさん」である地域ボランティアや町内会、自治会の役員と、診療所が保持している情報の共有が困難な点も課題でした。各サーバをネットワーク連携させて情報を共有しようとしましたが、難しかったです。個別設置型のサーバの限界を感じましたね。
BIZTEL×Claris FileMakerで業務が大幅効率化。
作業時間は1/5に激減
– BIZTEL導入までの経緯や採用した理由を教えてください。
川瀬氏:
利用者の個人情報や応対状況を一元管理するために、個別設置型ではなく、集中サーバ型で独自システムの開発をスタートさせました。ただ、開発過程で工数が増えたり、保守メンテナンスの課題が発生したりしたため途中で断念せざるを得ませんでした。
その後、BIZTELとは別のクラウドCTIを導入しましたが複数の課題が発生しました。まず、自動発信をスケジュール化できないため、毎朝手動で自動発信をオンにする作業が必要でした。また、自動発信が開始するタイミングで相談員が必ずログインしていなければならないのも手間でした。それと、応対履歴を見るには、CSVをダウンロードしてExcelで管理する必要があることも大きな課題でしたね。
そのため、クラウドCTI導入後も、システムの見直し検討を続けていました。そんな時に、東インの小山さんに提案いただいたBIZTELとClaris FileMakerのAPI連携によって、これらすべての問題が解決できることがわかり、2022年10月から本格運用を開始しています。
東イン 小山氏:
CoCoTさんへの提案にあたり複数のCTIシステムを調査し、BIZTELとClaris FileMakerとの組み合わせであれば、すべての課題を解決した上で安価に実現できることがわかりました。
– BIZTELとClaris FileMakerの連携の概要を教えていただけますか?
東イン 小山氏:
Claris FileMakerの開発サポートを行っている株式会社サポータスと一緒に開発を進めました。「コールバックAPI」機能でClaris FileMakerと連携しリストを参照することで自動発信を実現しています。また、「API連携コールアクション」機能でClaris FileMakerと連携しBIZTEL側での応対結果をClaris FileMakerに返すことで、効率的なフォローコールや「ご近所見守りさん」へのスムーズな情報連携を実現しています。
– BIZTEL導入で当初の課題は解決しましたか?
小山氏:
解決しましたね。導入後は、1日の作業時間を5分の1程度まで削減できました。これまでは「9番」を押した方やその他必要な情報を確認するためには応対履歴のリストをcsvでダウンロードしExcelの表を作る必要がありましたが、今ではその作業が一切なくなったので本当に楽になりました。Claris FileMakerに応対履歴データが蓄積されているので、その画面を見ながら相談員がフォローコールをするといった効率的な業務になり、利便性が大きく変わりました。
川瀬氏:
BIZTELとClaris FileMakerの連携によって、指定した日時の自動発信が可能になったため、毎朝行っていた発信設定作業の負荷がゼロになって助かっています。自動発信に合わせて相談員が必ずログインしなければならない煩わしさも解消されました。今後利用者が増えても工数が増える心配もほとんどなく、ありがたいですね。
小山氏:
BIZTELの利用で、全国対応ができるようになりました。個別設置型サーバの場合、情報連携が難しいので対応エリアが松戸市内に限定されていましたが、今では市外からの申し込みにも対応ができるのでサービスの幅が広がりましたね。
– ありがとうございます。最後に、今後の展望をお聞かせいただけますか?
川瀬氏:
「会話をテキスト化する機能」が、今後は必要になってくるかもしれないですね。高齢者の中には自動応答の仕組みに気づかず、受話器に向かって一生懸命話をされる方もいます。そういったケースへの対応も含めて、音声をテキストデータとして確認できたり、発信した内容が記録される機能があったりすると、より業務を効率化できると思います。
小山氏:
聴覚障がいがある方が「げんきです」に申し込まれることもあります。何らかの障がいがある方は、孤立しやすく情報が入りにくい環境です。そのため、聴覚障がいの方を含めたより多くの方に利用いただけるように仕組みをアップデートし、見守りの範囲を広げていきたいと考えています。
本サービスの導入はBIZTELパートナー企業である株式会社サポータスが行いました。
■株式会社サポータスの詳しい情報やお問い合わせはこちらからどうぞ
https://fmsolution.supportas.co.jp/
社名 | 特定非営利活動法人コミュニティ・コーディネーターズ・タンク(CoCoT) |
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事業内容 | コーディネート事業・調査 / 研究事業・人材育成 / 研修事業・情報交換 / 交流連携の事業・提言事業・公共施設等の管理 / 運営に関する受託事業 |
URL | http://npo-cocot.com/ |
本事例で導入されている主なサービス・オプション
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