2018.12.07
2022.11.01

スタートアップはカスタマーサポートの内製化が潮流!

サービスが拡大してくると多くの企業で「カスタマーサポートをどのように構築するか」という課題が発生します。サービスが小さいうちは、ビジネスフォンを使ってオフィスにいる人が電話に出て対応できても、サービス成長に伴い限界が訪れます。

カスタマーサポートをアウトソースすべきか、内製化すべきか悩んでいる企業も多いのではないでしょうか?近年、クラウドサービスのコールセンターシステムを活用してカスタマーサポートを内製化するスタートアップ企業が増えています。

そこでこの記事では、

●カスタマーサポート内製化の基本情報
●内製化の判断ポイント
●スタートアップの内製化事例

について解説します。カスタマーサポート構築の際にぜひご活用ください。

スタートアップがカスタマーサポートを内製化すべき理由

アウトソースはコストを抑える手段ですが、スタートアップのカスタマーサポートを考える場合にはいくつかの課題があります。

アウトソースの問題点

スタートアップがサービスを改善させる手段として、顧客からのフィードバックが必要不可欠です。
リリースしたサービスのフィードバックをもとにスピーディにサービス改善につなげる必要があります。この改善スピードがスタートアップの要といっても過言ではありません。

アウトソースでも、もちろん顧客のフィードバックを蓄積できます。しかし、社内の各部門と日々コミュニケーションをとっている人とアウトソース(外部の人)では、やはり社内の人間の方がスピーディな判断とフィードバックの反映が可能です。

また、アウトソースの場合、分析も第三者的なものにとどまる傾向があります。それと同時に、社内で改善を推進することが難しいケースが多いものです。そのため、スタートアップにおけるアウトソースでは、改善効果にどうしても限界が出てきます。

近年のスタートアップは、カスタマーサポートを内製化する傾向になります。
ここでは、その狙いやメリット・デメリットを解説します。

内製化の狙い

スタートアップ企業はスピーディな成長を実現するために、顧客からのフィードバックが必要不可欠です。リリースしたサービスのフィードバックをもとに、即時で改善につなげる必要があります。スタートアップでは、顧客フィードバックのスピーディな獲得を狙いとしてカスタマーサポートを内製化をする企業が増えています。

内製化のメリット

内製化のメリットは、スピーディな改善の実現です。内製化では、フィードバックや分析結果をすぐに担当部署や経営陣と連携し、スピーディな改善サイクルを実現することができます。また、上層部から新しい指示があった場合や新機能がリリースされた場合など、即座に対応することができます。これらの積み重ねがサービスの改善スピードに直結します。このような観点から、スタートアップ企業はカスタマーサポートを内製化する傾向にあります。

内製化のデメリット

デメリットとして多くの企業で課題になるのが組織の構築です。カスタマーサポートは、専門のアウトソーサーが存在する領域です。つまり、ノウハウやナレッジが必要となります。システム面では、クラウドサービスの登場により以前より環境が整いましたが、組織的な観点が大きな課題としてあります。このことについては、次の章で解説します。

内製化の判断ポイントとは?

スタートアップがカスタマーサポートを内製化すべきか、重要な判断ポイントがあります。
ここでは、2つの重要なポイントを解説します。

アウトソースとのコスト比較

経営観点として最も重要になるのがコストかと思います。
内製化の場合、ランニングコストの主な要素は、人件費・通信費(通話料)・システム費用です。

アウトソースの場合は、基本的に稼働人数に応じた課金となり通信費やシステム費用は内包されていることが多いでしょう。システムも指定しない限りアウトソース先が保有しているものを使うことができます。アウトソースの場合、1人50万円程度〜/月が一般的です。他に初期費用も掛かります。

カスタマーサポートの組織を構築できるか

次に重要となるのが組織を構築できるかという観点です。カスタマーサポートの構築は、トークスクリプトやエスカレーションフロー、KPIの設計などノウハウが必要です。現場の教育も組織がある限り続きます。立ち上げ期は大きな労力が必要となるでしょう。また、比較的離職率が高い領域になるため、採用の課題もつきまといます。

このように、カスタマーサポートの内製化は容易ではありません。コストおよび組織構築の観点からアウトソースよりもメリットを出せるかが重要な判断ポイントとなります。

このように、カスタマーサポートの内製化はいくつかのハードルがありますが、大きなメリットがあるからこそ多くのスタートアップが取り組んでいます。次の章では、成功事例をご紹介します。

内製化の成功事例

ここでは、スタートアップのカスタマーサポート内製化の成功例として、以下の3つの事例を取り上げます。

株式会社お金のデザインの事例

株式会社お金のデザインは、日本初の独自開発のロボアドバイザーによる個人向け資産一任運用サービスである「THEO(テオ)」などのサービスを提供しています。お金のデザインでは、「Customer Experience Designer」というコンセプトのもと、お客さま視点で物事を考え、企画や顧客接点の改善に繋げていくためにゼロからコールセンターを内製化で立ち上げました。企画や顧客接点の改善だけでなく、情報共有や文化づくりという観点でも内製化による効果を得ています。

こちらにより詳しい情報を掲載しています。ぜひご覧ください。

株式会社アラタナの事例

株式会社アラタナは、EC-CUBEをベースとしたECサイト構築パッケージ「カゴラボ」の提供とECサイト売上向上のためのコンサルティングサービスなどを提供する会社です。2015年8月、親会社であるスタートトゥデイからBtoB事業における運営業務を引き継ぐことが決定し、内製化で新たにコールセンター部門を立ち上げました。立ち上げでは、スピーディにスタッフの新規採用とともにコールセンターシステムを構築し、予定通りスタートトゥデイから業務の引き継ぎを実現しました。

こちらにより詳しい情報を掲載しています。ぜひご覧ください。

株式会社freeeの事例

クラウド会計ソフト シェアNo.1のサービスである「freee」は、お客様に価値の高いサポートサービスを提供するためにカスタマーサポートを内製化しています。以前より内製化に取り組んでいましたが、通話中の雑音やタイムラグなどシステム的な課題を抱えていました。利用するコールセンターシステムの導入によってカスタマーサポートの品質に影響が出ます。この事例では、システム的な品質改善や業務効率化についての知見を学ぶことができます。

こちらにより詳しい情報を掲載しています。ぜひご覧ください。

まとめ

この記事では、カスタマーサポート内製化の基本情報と内製化の判断ポイント、スタートアップの内製化事例について解説してきました。スタートアップでは、カスタマーサポートの内製化が主流となってきています。内製化を成功させるポイントは、コールセンターシステムやクラウドPBXなど、組織とカスタマーサポートの基盤となるシステムです。この記事をぜひカスタマーサポート内製化の参考にご活用ください。