2020.02.12

小規模コールセンターのシステム化で注意すべきポイントとは?

コールセンターは、顧客接点を担う重要な部門です。
例え小規模であっても、将来の事業拡大を見越して、システム化を進める企業が増えています

ただし、システム選定を誤ると、導入・運用コストだけがかさんでしまいます。
小規模コールセンターのシステム化では、将来的な拡張の可能性を見据えつつ、適切な機能・料金・契約形態などを見極めたいところです。

ここでは、小規模コールセンターへ向けたシステム選定の勘所を紹介しています。

小規模コールセンターにシステム化が必要な理由

かつてコールセンターシステムは、大規模コールセンターにのみ適している、と考えられていた時代がありました。
確かに規模が大きければ、経費削減・業務効率化の効果は高いと言えます。

一方、小規模なコールセンターのシステム化にメリットが無いかと言えば、そうではありません。
むしろ、小規模なうちにこそ、システム化を推進すべきとも言えるのです。

以下は、小規模コールセンターをシステム化すべき理由をまとめたものです。

管理・集計機能の強化

小規模なコールセンターでは、管理者が他の業務を兼任するケースがあります。
つまり、コールセンター全体の管理・業務改善に取り組みにくい傾向にあるのです。

一方、席数は少なくても、管理者やSVによる「稼働状況(応答率など)のデータ化」「レポート作成」などは業務改善をする上で必須です。
手作業やエクセル集計では、こうした業務の負荷が大きくなります。
したがって、システムによる効率化が必要だと言えるでしょう。

システム化によって管理者やSVの負荷が軽減できれば、コールセンター全体の管理・業務改善が進めやすくなるわけです。

リソース不足への対応

小規模なコールセンターほど、限られたリソースで多様な業務に対応しなくてはなりません。
そのため、オペレーターの負荷が高まり、離職に繋がる場合もあります。
予算の関係から人手を増やせない場合には、適切なシステム化で業務効率向上・オペレーターの負荷軽減を検討すべきでしょう。

ビジネスの成長を見越した先行投資

システム化は、対象業務の規模が大きいほど難易度が高く、予算や時間が必要になっていきます。
これに対し、規模が小さいうちに基礎的な仕組みが構築されていれば、事業の成長に合わせてスケールしやすくなります。
早期のシステム化は、結果的に予算や時間の節約に繋がっていくでしょう。

対応品質の維持・向上対策

小規模なコールセンターはインハウス(自社保有)であることも多く、オペレーターの製品・業務知識が深いという特徴があります。
それだけに顧客との会話も密度が高く、踏み込んだ案内が多くなる傾向にあります。
こういった質の高い業務を支えるためには、会話内容や顧客属性を正確に記録・管理する仕組みが必要です。

規模に関わらず要求される品質を担保するため

「待たされたくない」「スムーズに案内して欲しい」など、顧客がコールセンターに求めている対応品質は、規模に関わらず同じです。
小規模コールセンターであっても、大規模コールセンターと同じく、対応品質向上・稼働状況の見える化・業務効率化に努める必要があるのです。

小規模コールセンターにおけるシステム選定時のポイント

このように、コールセンターは「小規模だからこそ」システム化が必要であることが見えてきます。
また、近年では、コールセンターシステムのトレンドがオンプレミス型からクラウド型へと移行しつつあり、数席規模でも導入しやすくなっています。

そこで、小規模コールセンターにおけるシステム選定時のポイントを抑えておきましょう。

イニシャルコストが事業を圧迫しないか

コールセンターが数席規模であれば、システム化の予算もそれに見合ったものであるべきでしょう。
数席から導入でき、初期費用も数万円で済むようなシステムを選定したいところです。
クラウド型コールセンターシステムでは、1席5万円程度の初期費用で導入できるものがあります。

使いこなすための労力が少ないか

コールセンターシステムの導入において、「使いやすさ」は特に重視すべきポイントのひとつです。
小規模コールセンターであれば、オペレーターのトレーニングに割くリソースをできるだけ小さくする必要があるでしょう。
したがって、だれでも直感的に使えるシステムが適しています。

短納期での導入が可能か

小規模コールセンターには、大規模な導入プロジェクトは適していないと言えます。
数日単位の短納期で手軽に導入でき、使いながら微調整を続けられるシステムが向いているでしょう。

料金形態は適切かつ柔軟か

10席単位や100席単位での契約ではなく、1席単位でのきめ細やかな契約形態を選択したいところです。

契約期間が柔軟に選択できるか

導入してしばらくの間は、運用の基礎を固めていく段階です。
この時期にベンダーが提供するさまざまな追加機能を試してみたい、という管理者は少なくないでしょう。
ベンダーによっては、オプション機能を1か月単位でいつでも利用できるようにしているため、積極的に活用したいところです。

少人数でも効率よく業務を遂行する機能があるか

小規模コールセンターだからこそ、管理・集計・レポート機能の豊富さに着目しましょう。
限りあるリソースの中で、いかに効率化し、業務改善、対応品質向上に努めるか。
これらを遂行するためには、管理者の「右腕」となるコールセンターシステムが必要です。

ベンダーの実績は十分か

過去の実績、導入事例を具体的に確認できるベンダーがおすすめです。
特に、業界、業態、規模に関わらず様々な導入実績を持ち、クラウド型コールセンターシステムを提供しているベンダーならば、的確なアドバイスを提供してくれるはずです。

スケーラビリティ

繰り返しになりますが、小規模コールセンターだからこそ、スケーラビリティは重視すべきです。
事業の拡大に伴い、拠点や座席の追加にも無駄なく対応できるようなシステムが望ましいでしょう。
ちなみにスケーラビリティは、クラウド型コールセンターシステムが持つ強みのひとつでもあります。

小規模コールセンターシステム導入時の注意点

最後に、小規模コールセンターをシステム化する際の注意点を紹介します。
これまで紹介した内容と併せ、移行時の勘所として活用してみてください。

  • 小さく導入し、大きく育てることを意識し、部分的な導入から開始する。(ビックバン的な導入は避ける)
  • カタログやWeb上の製品仕様だけで判断せず、デモ・テスト環境での使用期間を設ける。
  • トライアル導入により、音声品質・使いやすさ(UI)・自社業務との適合度などを確認する。
  • 現場(オペレーター、SVなど)の意見を加味したうえで、システムを選定する。
  • システム化と並行しながら、ユーザートレーニングも行う。

まとめ

クラウド型コールセンターシステムの登場で、コールセンターシステムの利用が「大規模コールセンターの専売特許」という時代は終わりを迎えました。
現在では数席規模のコールセンターにも、豊富な機能を持ったシステムが導入できます

低コストかつスピーディーに、顧客接点の強化を達成したいのであれば、コールセンターシステム専門ベンダーへの問い合わせを検討してみてはいかがでしょうか。