ボランティア活動が熱い。被災地をまわる同僚に詳しい話を聞いてみました。
こんにちは。BIZTELブログ編集の三浦です。
実は、「BIZTEL」を提供する株式会社リンクには、ボランティア活動に精力的に取り組んでいるメンバーがいます。会社の休みを利用し、チーム内の仲間も誘って各地をまわっているとのことで、社内でも大きな話題となりました。
日本では地震や台風などの自然災害が毎年のように発生しており、被災された方は日常が一変してしまうような事態に遭われています。そんな被災地の方々が早く元の生活に戻れるよう、多くのボランティアの方々がさまざまな形の支援活動をしています。災害の多いこの国にとって、本当に大切な活動です。
そこで今回は、実際に何度も被災地に足を運んている BIZTEL事業部 堀 頌平さんの取り組みを通じて、ボランティアの方がどんな想いを持って被災地に足を運び、どのような活動をしているのか一緒に見ていきましょう。
目次
きっかけは、“憧れのロックミュージシャンたち”
-それでは、ここからはボランティア活動に取り組んでいる堀さんにお話を聞いてみたいと思います。まずは読者のみなさまに自己紹介をお願いします。
堀:よろしくお願いします。北海道出身の29歳、堀 頌平です。上京して、もう少しで10年になります。
BIZTELサービスデスクという、お客さまからの問い合わせ対応や納品業務を行うチームに所属しています。具体的には、BIZTELの操作や設定方法についてお答えしているのですが、コールセンター運営の課題やお悩みを伺ったうえで、どうすればそれが解決できるかといったことも含めてサポートしています。
-ありがとうございます。では早速ですが、堀さんが取り組んでいるボランティアについて、どのような活動をしているか教えていただけますか。
堀:はい、大きく分けて2つのボランティアに軸を置いています。1つは災害派遣のボランティアで、もう一つは大規模なイベント会場でゴミの分別などを行うクリーン活動です。
-2つのボランティアをされているのですね。それぞれ詳しくお話しを聞きたいのですが、その前に、「ボランティアをやってみよう」と思ったきっかけはどんなものだったのでしょうか?
堀:大好きなロックミュージシャンたちが、3.11の災害後にすぐに東北に訪れてボランティア活動をしている姿を見たのがきっかけでした。
3.11の時、私は上京して1週間足らずということもあって、すぐに行動に移したいという気持ちはあっても、実際には何もできないという状況でした。その後も、当時勤めていた会社が忙しく、土日も仕事をしていたため、なかなかボランティアのための時間をつくれずにいました。ようやく災害ボランティアやクリーン活動に積極的に参加できるようになったのは、リンクに入社して土日が休めるようになってからですね。
-ミュージシャンの方に動機をもらってボランティアを始められたのですね!そういえば、堀さんが音楽レーベルのロゴの入ったジャケットを着て出社するのをよく見かけます。日頃から音楽に対する愛情をとても感じます…!
堀:はい、それが1番のきっかけでした。
泥のかき出し・木の伐採・ペンキ塗り…被災したリンゴ農園での多岐にわたる活動
-さて、ここからは具体的な活動についてお聞きしたいと思います。まずは、災害派遣ボランティアについて直近の活動を教えてください。
堀:昨年の大雨で被害にあわれた長野県のリンゴ農園で活動しています。今年も2月末に2日間、長野に行ってきました。復旧活動は一般住宅が優先されるため、リンゴ農園に集まるボランティアが少ないとの情報を受けたので、定期的に訪問しています。
-リンゴ農園では具体的にどのような活動をされていますか?
堀:千曲川の堤防が決壊し、大量の泥が農場や家屋に入ってきてしまいましたので、まずは泥をかき出す作業などをしていました。現在は泥のかき出しはすべて終わっているのですが、泥を大きくかぶってダメになってしまったリンゴの木を伐採するなど、とにかくできることは何でもやっています。
-泥のかき出しや木の伐採まで…。活動内容が幅広いですね。
堀:本当にいろいろやっています。泥にまみれた小屋をつぶしたりですとか。
-小屋をつぶす…!
堀:あとは、ペンキ塗りとかもしています。
メディアでは泥出しや物を運ぶシーンなどがよく取り上げられていますので、そういった活動ばかりだと思われがちですが、実はそんなことはなくて、支援物資の仕分けなどといった細かな作業が結構あります。ボランティア受付のコールセンターの電話対応など、男性女性問わずできることもたくさんありますね。
ボランティア活動をする仲間。そして、現地の人びとの反応は
-こうした復旧活動を、ボランティアに集まったみなさんがされているんですね。一緒に活動をしている方々は、どんなきっかけで参加しているのでしょうか?
堀:私は幡ヶ谷再生大学[復興再生部]とNPO法人ボランティアインフォ
また、今回の長野県のボランティアで一緒になった方からは、「中越地震の際に、長野から大勢の人がボランティアに来てくれたから」ですとか、「3.11の時に東北に来てくれたので、今度は私たちが長野に来ました」といった話をよく伺いました。やはり、助けてもらったから恩返しをするっていう方が多いようです。東北から来たという小学生とも一緒に活動したのですが、すごいなって思いましたね。
-ボランティアを通じて、本当に素晴らしい助け合いが行われているのですね。こうしたボランティアのみなさんと活動を共にすることについて、リンゴ農家の方々の反応はいかがでしょうか?
堀:若者が地元から流出して少ないそうなので、農家の方々からは「ボランティアに若い人がいっぱい来てくれるのがとてもうれしい」という話を伺いました。
また、川の決壊などの被害が影響して、近所付き合いも少なくなってきているとのことでした。大人数で集まって活動したり、お酒やご飯食べたりすることも無くなってきていたそうなので、ボランティアの人たちとそういったことができるのはとても楽しいと仰っていました。
-ボランティアに集まった人たちとの交流自体も被災地の方から感謝されているのですね。さて、堀さんはこれまでにいろんな被災地でボランティアをしてこられたと思うのですが、それぞれの地域での活動が一段落したときに、何か思うことや感じることはありますか。
堀:そうですね。例えば、去年は岡山にもボランティアに行ったのですが、一度活動した土地にはもう一度足を運びたいと思いますね。それは毎回どこに行ってもすごく思います。
愛着ができたというのもありますし、現地の人に教えてもらってローカルなお店にも行くことができて、地元の方の目線でいろいろなことを知ることができます。新型コロナウイルスの影響もあって今はなかなか難しいですが、定期的に岡山にも帰りたいですし、東北も大好きなのでボランティアでも観光でもバンバン行きたいですね。
野外フェスでのクリーン活動を通じて、イベント参加者にも意識の変化が
-ボランティアのもう1つの軸として取り組まれている、イベントでのクリーン活動についても教えてください。
堀:主にロックフェスなどの音楽系イベントや、キャンプ系のイベントで活動しています。イベントに参加された方々にゴミの分別に協力をお願いして環境への意識を持っていただいたり、分別したゴミを取りまとめて回収地点まで持っていったりしています。
これまで参加したイベントですと、一番規模が大きかったのはフジロックですね。あとサマーソニックとか。
-どちらも有名なイベントですね!野外フェスでは、やはり沢山ゴミがでますか?
堀:尋常じゃないくらい出ますね。こうしたイベントを通じて、小さいお子さんにもゴミの分別方法を教えて、家に帰ってからも環境への意識を持ち続けてもらえたらと思い、活動しています。
また、こうした音楽イベントのクリーン活動を通じて生まれた関係から、「みんなで災害ボランディアに行こう」という話になることが結構あります。音楽イベントで2日間ずっと一緒に活動していますので、災害ボランティアの際も連携し合って効果的な活動ができます。人脈づくりではないですが、こうした効果も含めて音楽イベントに参加しているというところもありますね。
-クリーン活動で得たものが災害ボランティアにも有機的に繋がっていくのですね。
堀:そうですね。すごく繋がっていきます。
一番衝撃を受けた経験
-ここまでお話を聞いて本当にいろいろな経験をされているのだと感じましたが、ボランティアを通じて堀さんの中で一番強く印象に残っている出来事はなんでしょうか?
堀:3.11の時に、新宿から歩いて横浜まで帰ったのですが、家に着いてテレビをつけた時に被災して火に包まれている気仙沼市の様子が映し出されたのを見たんです。それが私にとって一番強い衝撃でした。その後、気仙沼市になにか貢献したいという気持ちをずっと根底に持ち続けていたのですが、リンクに入社して土日に休めるようになって、ようやく3年前に同市で開催された復興ライブイベントに参加することができました。実際に大勢の方が亡くなってしまった場所で行われたのですが、こうやって気仙沼市で再びイベントが開催できるようになったこともそうですし、それに少しでも携れたことが嬉しかったです。終わった後は涙が止まりませんでした。
ボランティアを始めたい人におすすめしたいこと
-強く心に残った経験についてシェアしていただき、ありがとうございます。私自身もそうですし、堀さんの話を聞いてボランティア活動を始めてみようと考えている読者もいらっしゃると思います。もしボランティア活動を始めるとしたら、何から始めたら良いでしょうか。
堀:現地に活動しに行くことばかりがピックアップされますが、ボランティアにもいろいろあって、例えば長野に対してであれば長野産のリンゴを買うだけで災害支援になります。産地の方にお金が落ちますので。その土地の特産品を買ったり、ふるさと納税をしたり、こうした身近なこともボランティアになります。
もし余裕があって何か活動したいと思う人は、はじめから災害ボランティアに参加するのはハードルが高いですから、まずは自分が好きなことから始めるのが一番いいと思います。例えば、私は音楽が好きなので音楽イベントに参加することから始めました。少しずつ慣れていったら、大体そういうイベントにはボランティアスーパーマンみたいな人が参加しているので、その人たちに教えてもらったり誘ってもらったりして、一緒に活動してみるというのが良いと思います。例えば、動物が好きな人でしたら、捨て猫たちのための活動をしているNPOとかも沢山ありますし、そういったところから始めてみるとか。まずは、好きなものから取り組むのが良いと思います。
-ありがとうございます、私もまずは身近なことから始めてみたいと思います!さて、2019年から株式会社リンク社内でボランティア活動を支援する制度が始まりました(宿泊と交通費を会社が負担する制度)。その制度についてどのように感じていますか?
堀:制度の導入後、ありがたいことに活動の幅が広がりました。より多くの現場に足を運ぶことができるようになりましたし、宿泊経費とか交通費を出してもらっている分、地元の飲食店で思いっきり消費するように心がけています。あと、ささやかながら会社のみんなにもお土産を買って帰ることができるようになりました。
-これは嬉しい制度ですね!
堀:ボランティアのメンバーに会社が支援してくれている話をすると、みなさんから「いい会社だね」と言われます。企業活動の一環でボランティアに参加されている方とも社内制度について情報交換をするのですが、こうした支援制度はなかなか無いみたいです。
まだまだ続く新型コロナの影響。今の私たちにできることは
-現在は新型コロナウイルスの影響で、外出や都道府県をまたいだ移動がしにくい状況にあり、ボランティア活動にも影響が出ていることと思います。
堀: 3月〜5月に予定していたボランティア活動や音楽系のイベントは全部キャンセルになりました。長野県にも訪問する予定があったのですが、やはり中止になってしまって、そこでの活動全般が停止しているような状況です。
また、新型コロナウイルスの影響で、ボランティア活動だけでなく業務にも変化が出てきてました。BIZTELをリモートワークで利用する企業が増えていまして、それに伴って問い合わせも増加しています。スムーズに業務をしていただけるよう、お困りのお客さまに対してしっかりサポートしたいと思っています。日本全体が苦しい時期なので、私も今できることを精一杯やる、という感じですね。
-まだ先行きが見えない状況ではありますが、今後のボランティア活動について、チャレンジしてみたいことはありますか?
堀:BIZTELサービスデスクのメンバーに声掛けして、ボランティアに興味のある人を沢山巻き込んで活動できれば良いなと思っています。
あと、来年で3.11から10年が経ちますので、東北にももっと行きたいです。また、新型コロナウイルスで影響を受けているサービス業に対しても何かできればと考えています。今、ライブハウスなども非常に深刻な状況です。私の人生のルーツはそこにありますから、支援をしていきたいです。
-お話を聞かせていただき、ありがとうございました!最後に、ここまで読んでくださったみなさまにメッセージをお願いします。
堀:ここまで読んでいただき、ありがとうございました。BIZTELブログをご覧の方は、コールセンターなどのサポート業務をする立場の方が多いと思います。実は、ボランティア活動とコールセンター業務には共通点が多いです。オフィスで仕事をするコールセンターと、現地で体を動かすボランティア活動とではもちろん違いがありますが、サポートをするという部分で根底は同じなので、学ぶことが非常に多いと感じています。コールセンターやサポート業務に携わっている方は、機会があればぜひボランティアに行ってみてください。困っているお客さまに寄り添い、助け合う心が養われると思います。
終わりに
今回は、BIZTELサービスデスクに所属するリンク社員のボランティア活動についてご紹介しました。
取材をした私自身も、今できることからボランティアを始めてみたいと思っています。BIZTELブログの読者のみなさまにも、今回の記事が何かを始めるきっかけになれば幸いです。
取材に応じてくれた堀さんの今後の活動についても、またこのブログを通じてご紹介できたらと思います。ぜひ続報を楽しみにお待ちください!
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