やってみて分かった、リモート教育の課題とコツ【後編】

前回は、Web会議システムを使ったリモート教育のメリットやデメリットについて事例をご紹介しました。今回はそれらを踏まえ、どのようにリモート教育をすればよいのか、そのコツについてご紹介します。

ただし、ご紹介するものは個人の体験に基づく感覚的なものであり、参考程度にお考えください。

 

構成について

・研修のボリュームは従来型の3割減を目安に。

Web会議でのリモート教育ではシステムトラブルが発生したり、受講生がなかなかログインして来なかったり、また何らかのトラブルでログインに時間がかかったりと、想定外のケースが起こりがちです。

また、相手の理解度を上げるためには、いつも以上にゆっくりと話したり、何度も説明したりする必要がでてくるでしょう。受講生に質問や発言を促す機会も増えてきます。

これらの理由により、従来型の研修構成と同じでは時間が足りなくなる可能性があり、ボリュームを少し減らすほうがいいかもしれません。

 

・受講生が飽きないような仕掛けづくりは、より緻密かつ計画的に。

研修中はサボっている人や、ボーっとしている人がいてもおかしくありません。またリモート教育ではどんなに研修内容が素晴らしくても、画面をずっと眺め続けていたら飽きてくる場合もあるでしょう。受講生の発言機会を増やしたり、グループワークなどの機会を増やしたりするような仕掛けが必要です。

 

・シンプルに分かりやすく伝える。

従来型の研修ではついてこられたのに、リモート教育では受講生が理解することを諦めてしまう、といったケースがあります。

説明が難しいものや、本題から少し離れた話題(参考情報など)はなるべく減らし、構成を分かりやすくシンプルにすることが理解度を高めるコツです。

 

・パワーポイントなど画面に表示させる資料の文字は大きく。

人によっては小さい画面のPCの方もいらっしゃいます。また画面いっぱいに文字があると読む気も失せてしまいます。

一度に見せる情報量を徹底的に減らし、シンプルに見せて分かりやすくするのがポイントです。

 

実施手法について

・受講生の人数は従来型研修より減らすのがベスト。

例えば、これまで20人くらいの実地研修をしていたのであれば、リモート研修では10~12人程度がちょうどよい数ではないでしょうか。

従来型の研修では講師が全員の顔を一度に見回すことができますが、リモートではそうもいきません。PCによっては一度に見られる顔の数は限られています。

また研修中に受講生へ確認する機会も増えるので、受講人数が多いと時間オーバーになることもしばしば起こります。そのため、一度に受けられる受講生は少ないほうが、講師は研修全体をコントロールしやすくなります。

 

・ネットが混みやすい日時は避ける。

教育の実施タイミングとして、ネットが混みやすい曜日や時間帯は接続トラブル音声・映像品質の問題が起こる確率が高い気がしています。特に朝一番の研修の場合、事前テストや復旧対応への時間的余裕が少ないため、避けたほうが賢明かもしれません。

経験上、夕方以降に実施した研修についてはトラブルが少なかったです。

 

・講師はマイク付きカメラのほうが楽に研修できる。

ヘッドセットは、長時間の研修では耳がつかれてしまうことがあります。可能であれば、とくに講師はマイク付きカメラやスピーカーなどの環境で行った方が良いかもしれません。

これまで使用してきた中で、こちらのスピーカーフォンがとても便利でした。

※Jabra 法人向け 2年保証付き SPEAK510 MS Bluetooth搭載携帯用・小規模会議用スピーカーフォン マイクロソフト社認証

 

・講師の環境はなるべく無音環境を用意。

講師のいる場所の騒音や雑音が多いと、受講生はストレスを強く感じ、集中力に悪影響がでてしまうようです。

講師が教育を実施する環境は、ペットや幼児の声、救急車のサイレン音などが頻繁に聞こえるといったことがないか、事前にチェックしておくことが肝要です。

この騒音・雑音問題は、受講生の満足度調査をした場合、不満足要因の上位に入ってくるので注意してください。

 

教育対象者との関係性について

・受講生と講師が既に面識がある方が、研修効果が高い。

前回のブログでのデメリットに記載した通り、講師も受講生も初顔合わせだと、相手との距離感をつかむのに苦労します。一度顔を合わせた関係であれば、お互いのコミュニケーションも円滑にでき、結果として効率的かつ効果的な研修がしやすくなります。

・(外部講師の場合)講師と企業担当者との間に信頼関係があること。

研修では想定外のことが起こります。講師と企業担当者が離れた場所にいても、阿吽の呼吸で対処しなければなりません。研修講師と受講生の関係性も大事ですが、同時に研修講師と発注企業の担当者やシステム担当者との関係性も大事になります。

 

リモート教育システム「shouin for コンタクトセンター」について

ここまで、Web会議でのリモート教育のコツについてお話ししてきました。

在宅勤務が広がりを見せる中、もう一つ効果的なリモート教育が、クラウドを利用した動画研修です。

弊社は、“動画研修で教育を効率化!”をテーマに、クラウド型の教育システム「shouin forコンタクトセンター」の提供を始めました。

どんなことができるのか、少し見てみましょう。

 

・「動画」で研修ができる。

「話の聴き方」や「クレーム対応トレーニング」など、コンタクトセンター専門の講師による研修動画がプリセットされており、すぐに研修ができます(さらに、最新動画が定期的にアップデート配信されます。)

受講生はPCやスマホからいつでもどこでも研修を受けることができます。受電が落ち着いている時間帯など、隙間の時間に動画を見ることができるので、研修のためのスケジュール調整がとても楽になります。

また、受講生全員に研修が行き渡るまで、講師同じ研修を繰り返し行うといったこともなくなり、効率化が実現します。

自社のサービスや業務に関する研修についても、スマホなどで撮影した動画をアップロードすることで受講生に共有することができます。

 

・教育を「管理」できる。

研修内容の理解度を確認するためのクイズの実施や、受講状況や習熟度を集計して確認することができます。コンタクトセンター全体の研修の状況が見える化できるので、教育の管理がグッと楽になります。

また、研修生と教育担当者が1対1でやり取りできる「日報機能」を使って、個別にフォローアップすることも可能です。

詳細については、こちらのWebページをご確認ください。