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2022.01.13

コールセンター運営でよくある課題とシステムによる解決策とは?

コールセンターは「企業の顔」ともいえる、顧客接点の役割を担う重要な部門です。しかし、コールセンター業界全体が慢性的な人材不足にあることから、離職率の高さや応答率の低下に多くの企業が頭を悩ませています。

これらの課題解決の一助となりうるのが、コールセンターシステムを始めとしたテクノロジーの導入や外部リソースの活用です。
この記事では、コールセンターが抱える課題とともに、システムやアウトソーシングを用いた解決策について紹介します。

1. コールセンターが抱える課題とは

では、コールセンターが抱える主要な課題について見ていきましょう。
まずは、コールセンター業界全体が抱える、人材に関する課題について解説します。

業界全体の課題:人材不足・離職率の高さ

現在、コールセンター業界は慢性的な人材不足に陥っています。

顧客との接点(チャネル)が増えるにつれて、コールセンターの業務も多様化・複雑化しており、オペレーターには豊富な知識や高度なスキルが求められるようになってきています。さらに、電話で様々なお客さまとやりとりを行うことから心身に負担がかかってしまう傾向にあり、離職率が高いことで担い手が少なくなっているのが現状です。

業務の大変さから採用してもすぐに辞めてしまうことも多く、能力のあるオペレーターが育たないことで、質の高い運営を維持できないという企業も少なくありません。
優秀なオペレーターは限られており、新しいスタッフが採用できたとしても一から教育をしなければならないため、時間もコストもかかります。

多くのコールセンターが、オペレーターの負荷をどのように軽減し、長期的に働いてもらうか頭を悩ませている状況です。

センター運営の課題:応答率が低い

ここからは、センター単位での課題について見ていきましょう。

応答率とは、顧客からの着信件数に対してオペレーターがどれだけ電話が取れたか、その割合を数値にしたものです。顧客満足度に直結する重要な指標ですが、コールセンターへの入電が増加し、それらに応対するオペレーターの人数が足りなければ、当然ながら応答率は下がってしまいます

問い合わせの増える時間帯や季節、広告の出稿といったイベント発生時に電話が取りきれなくなる企業も多く、注意しながら運営する必要があります。

センター運営の課題:稼働率が低い

一方で、応答率を向上させるために人員を過度に増やすと、問い合わせの少ない閑散期にオペレーターの稼働率が低下してしまう問題が起こります。

特に、自社内にコールセンターを設置しているインハウス型の場合、オペレーターの人数調整が難しく、無駄が発生しやすいでしょう。稼働率の低下はコールセンターの費用対効果の低下につながるため、適正な数値が保てるよう改善が必要です。

センター運営の課題:顧客満足度の低下

電話がつながらなかったり、オペレーターの対応に不備があったりすると、顧客に不信感を与えてしまい、満足度の低下を招いてしまうおそれがでてきます。

顧客満足度の向上は、自社製品の継続利用や追加購入にも影響します。どんなときでも適切で行き届いたサービスが行えるよう、応対品質の管理が欠かせません。

センター運営の課題:在宅勤務への対応

コロナ禍の影響で多くの企業がリモートワークを取り入れるなか、在宅コールセンターも浸透しつつあります。しかし、既存システムが在宅勤務に対応できておらず、実現が難しいコールセンターも多く存在しています。

今後も在宅勤務へのシフトチェンジが続く可能性は高いため、差し迫った課題と言えるでしょう。

2. コールセンターにおける課題の解決策と注意点

それでは、これらの課題にどのように対応すればよいのか、解決策と注意点について解説します。

AIなどの高度なシステムによる業務効率化

近年ではAI技術を活用し、会話の音声認識や問い合わせ内容の要約といったことを実現するシステムが次々と登場しています。顧客応対履歴の登録を自動で行うなどの業務効率化も可能です。

これらのシステムを導入することで、トータルコストの削減や従業員の負荷・処理時間の低減に加え、後作業が減ってオペレーターの手が空くことから応答率が向上するなど、先に挙げた課題の解決が期待できます。また近年ではAIを用いた感情解析によってオペレーターのメンタルケアを行い、離職を防止する取り組みも始まっています。

チャットボットやIVRの導入

チャットボットを導入すれば、定型的な質問への対応が任せられます。これにより、入電による問い合わせ数の減少、ひいてはオペレーターの業務負荷の抑制につながるでしょう。
ただし、チャットボットが対応できるのはあくまで限定的な範囲であり、複雑な質問についてはオペレーターに引き継がなくてはなりません。よって、チャットボットとオペレーターでうまく分業できるような環境の構築が重要です。

また、IVR(自動音声応答システム)を導入して問い合わせの切り分けを行ったりすることも、入電数やオペレーターの業務負荷の削減に効果的です。

アウトソーシングの活用

アウトソーシングすることで、人員の需要変動に対応しやすくなります。

また、自社でオペレーターを採用する必要がないため、その分のコストや時間が削減できるほか、基礎的な電話対応のスキルについては委託先が指導を行うので、教育にかかる手間も大幅に減らせます。
ただし、オペレーターにすぐに注意が促せるインハウス型と比べて、アウトソーシングによるコールセンターでは応対内容に改善点があった際にスピード感を持って修正することが難しいといった側面があります。

両者のメリットを活かす方法として、インハウス型のコールセンターをベースに、不足している人員をアウトソーシングするといった運営も考えられます。「部分的アウトソーシング」については以下の記事で解説を行っていますので、参考にしてください。

※ 参考:コロナ時代の「応答率改善・営業時間拡大」の特効薬。コールセンターの「部分的アウトソーシング」とは?

オペレーターの教育

オペレーターの教育体制を整え、顧客への応対能力を向上させることはもちろん重要です。しかし、前述したように、採用してもすぐに辞めてしまうケースも多く、優秀なオペレーターの育成は簡単ではありません。

そこで大切になるのが、オペレーターひとりひとりに合わせた育成です。コールセンターシステムで録音したトーク内容を振り返り、スキルの習得状況をチェックするなど、個別のフォローを行うことが離職防止につながります。

また、AIを活用して通話内容をテキスト化し、キーワード検索できるようにすることでフォローが必要なトークを簡単に発見できるようにするといった取り組みも、研修を効率的に進めるにあたって有効でしょう。
このほか、コロナ禍の影響で対面や集合での研修が難しい場合などには、動画を活用したオンライン教育システムの利用も検討してみてください。

BCP対策の実施

コロナ禍はもちろん、災害発生時でも業務が継続できるようにBCP対策を実施すべきでしょう。特に、コールセンターの停止が大きなビジネスリスクとなるケースにおいては、積極的な取り組みが求められます。

具体的には、システムのクラウド化・多重化(一つの回線で複数の種類の通信を行うこと)や、業務データの遠隔地バックアップ、事業継続計画手順書の作成などを行うことで、緊急時の業務停止リスクが軽減できます。

3.まとめ

この記事では、コールセンター運営に関するよくある課題と、主にシステムを活用した解決策について解説しました。コールセンターにおける課題は多岐にわたりますが、システムで解決できるケースも多いです。

まずは自社で顕在化している課題を把握し、それに合わせたシステムを検討して、より効率的・効果的な運営を目指しましょう。