2022.11.29
2023.01.20

収益向上を担うカスタマーサポートの役割とは?業務を効率化するシステムもあわせて紹介

現代のビジネスにおいては、商品やサービスを単に販売するだけではなく、丁寧なアフターフォローまで提供することで価値を最大化する取り組みが重要視されています。

このアフターフォローの役割を担うのがカスタマーサポートです。カスタマーサポートを実施することで、顧客満足度の向上、ひいては企業収益の向上につながります。

この記事では、カスタマーサポートの目的や役割、業務内容、効果などに加えて、カスタマーサポート業務を効率化できるシステムについても解説します。

1. カスタマーサポートとは

以下では、カスタマーサポートの概要について紹介します。

カスタマーサポートの目的と役割

カスタマーサポートとは、電話・メール・チャット・対面など、チャネルの種類を問わず顧客とコミュニケーションを行い、サポートする役割を持つ部門、またはその活動自体を指す言葉です。購入後のアフターフォローをはじめとする「顧客の課題を解決する」役割を強く持ちます。

カスタマーサポートの主な目的は、商品やサービスに対する顧客の疑問や不満を解消し、顧客満足度を向上することです。それにより、企業へのロイヤルティや収益の向上を目指します。

カスタマーサポートは、顧客の課題解決のために柔軟な対応が必要となるため、専門部署として設置されることが多いです。

カスタマーサポートの業務内容

カスタマーサポートの主な業務内容は、既存顧客からの商品・サービスに対する問い合わせやクレームなどへの対応です。たとえば、顧客が購入した製品が故障した場合に修理依頼を受け付けたり、商品の利用方法が分からない顧客に対して適切なサポートを実施したりします。

以下は、具体的なカスタマーサポートの業務内容です。

  • 商品やサービスの設定作業の支援
  • トラブルシューティング
  • 商品のアフターメンテナンス
  • 商品の使い方などの問い合わせ対応
  • 不良品・トラブルへの対応
  • 顧客からの意見や、商品のトラブルに関する情報などの収集・社内共有

カスタマーサポートを実施する効果

上述の通り、カスタマーサポートを実施することで、顧客満足度や商品・サービスへのロイヤルティを中長期的に向上させることができます。顧客は商品やサービスに対して、何らかの価値や利益があることを期待して購入しますが、商品やサービスが適切に利用されなければ、その期待に応えることはできません。

また、せっかく購入した商品が思うように使えなければ、顧客にとって大きなストレスとなってしまいます。「使い方が分からない」「故障した」といった顧客の課題やトラブルをカスタマーサポートが解決することで、顧客の期待に応え、満足度の向上を実現できます。

顧客満足度が向上すれば、「継続的に商品やサービスを利用したい」「現在使っている商品を買い替える機会があっても、再び同じメーカーの商品を選択したい」と感じてもらえるでしょう。

さらに、カスタマーサポートを通して顧客が持つニーズをとらえ、新商品の開発や既存商品の改良に役立てる取り組みも検討できます。商品・サービスへの不満や改善要望、利用に際して発生しがちな問題などを把握することができるでしょう。

加えて、現代におけるB to Cビジネスのリスクとして、SNSなどでの炎上が挙げられますが、適切なカスタマーサポートによって、このような危険を回避できる可能性が高まります。

2. カスタマーサポート業務を効率化するシステム

カスタマーサポート活動は、電話やメールに対して場当たり的に対応するのではなく、システムを使って効率的に対応するのが一般的です。
ここでは、カスタマーサポート業務の効率化に役立つシステムについて解説します。

コールセンターシステム・CTI

カスタマーサポート業務の代表的なチャネルである電話対応に有効なのが、コールセンターシステムCTIです。
コールセンターシステムとは、着信振り分けやオペレーターの稼働状況の可視化といった機能を備えるシステムです。

CTI(Computer Telephony Integration)は、コンピューターと電話を統合し、それぞれを連携して動作できるようにするシステムを指します。

コールセンターやカスタマーサポートの運営には、コールセンターシステムとCTIのどちらも必要であるため、基本的に両者は一体となった形で提供されます。

CRM

一貫したカスタマーサポートを実現するために重要となるのが、顧客対応履歴の一元管理です。CRM(Customer Relationship Management)は、「顧客との関係性を管理するシステム」という名称からもわかる通り、顧客の名称や電話番号に加え、購入履歴・問い合わせ履歴など、顧客との関係性を把握するための様々な情報を管理できます。

さらに、上述したコールセンターシステム・CTIとCRMを連携させることで、CRMに記録されている顧客情報や問い合わせ履歴を着信時にポップアップさせ、受電前に確認できるようになり、カスタマーサポート業務の効率化につながります。

チャットボット

近年では、電話に苦手意識を持つ顧客が増えています。そのような顧客層に向けて有効なツールがチャットボットです。
チャットボットを導入することで、問い合わせの経路を増やしつつ、定型的な対応であればチャットボットに任せられます。

これにより、電話による応対の負担が減るため、カスタマーサポート業務全体の負荷軽減にもつながります。

ただし、チャットボットでの応対は、100%の精度は出せない点に注意が必要です。特に、複雑な内容であるほど精度が下がる傾向があります。チャットボットに対応させる範囲は、あくまで定型的な内容にとどめ、必要に応じて人がフォローする体制を整えることが成功に導くポイントです。

FAQ

自社のWebサイトなどにFAQを作成し、顧客に自己解決を促す仕組みを作ることも、チャットボットと同様にカスタマーサポート業務の負荷軽減に有効です。

過去の顧客からの問い合わせ内容から、多くの顧客が疑問を持つポイントを洗い出し、あらかじめ回答を用意します。わかりやすいFAQによって自己解決ができれば、顧客側のコミュニケーションコストも削減できるでしょう。

ただし、FAQも万能ではなく、すべての疑問を解決できるわけではありません。顧客の課題が解決されない状態になってしまわないよう、必要に応じてカスタマーサポートへ誘導するように設計します。

加えて、FAQをカスタマーサポートの担当者自身も参照できるようにするとよいでしょう。これにより、応対品質の向上や対応時間の短縮効果も期待できます。

3. カスタマーサポートに求められる能力

カスタマーサポートに必要な能力として「傾聴力」「柔軟性」「対応力」が挙げられます。

カスタマーサポートの業務においてまず重要なのが、顧客の声を聴くことです。顧客が何を求めているのか、課題は何なのかを正確に把握する「傾聴力」が欠かせません。

また、顧客によって課題は多種多様であり、マニュアル外のニーズも多く発生します。そのため、臨機応変に対応できる「柔軟性」も大切です。例えば、応えられない要望であっても可能な限り代替案を提示することで、顧客の不満を軽減することができます。

そして、結局のところカスタマーサポートの業務は「人」対「人」です。カスタマーサポート担当者の人間性は、顧客満足度に大きく影響します。顧客と良好な関係を構築できるよう、人間味のある「対応力」はポイントとなるでしょう。

4.まとめ

この記事では、カスタマーサポートの目的や役割、業務内容、効果に加え、カスタマーサポート業務に有効なシステムについて紹介しました。顧客ロイヤルティの向上が重要視される現代のビジネスにおいて、カスタマーサポートは欠かせない取り組みです。カスタマーサポートを実施する際には、業務効率化のためのツールも併せて検討するとよいでしょう。