目指せ、 定着率大幅アップ! コンタクトセンターコンサルタントが教える、 理想の新人オペレーターデビュー
多くのコンタクトセンターが抱えている課題である「慢性的なオペレーター不足」。
その原因の一つに新人オペレーターの定着率の低さがあります。
人と話す仕事をしたい、スキルアップをしたいと研修に参加したものの、デビューを果たす前の新人研修で辞めてしまう人も少なくありません。これではいつまで経ってもオペレーター不足は解消できないまま。そこで今回は、コンタクトセンターのコンサルタントである池田浩一さんに、デビューするまでのフォローのコツや、定着率をアップさせる新人研修の方法について教えてもらいました。
目次
新人オペレーターが定着しないのはなぜ?
新人オペレーターが離職してしまう原因は大きく3つあります。
1つ目は「採用面接」です。採用基準が明確でなかったり、現場の担当者が採用にタッチせず、人事や採用担当者のみで面接したために、いざ働きだすと現場が求めていた人材とは違っていたということがよくあります。
それに比例して受講生が覚えなくてはいけない内容は増える一方です。多くのコンタクトセンターの研修は、問題なく研修についていける一部の人を基準に作成されています。業務を覚える要領が良く、かつ電話対応の基礎もすでに身につけている人でないとこなせない内容になってしまっています。これでは多くの人が脱落してしまうのも当たり前ですよね。
新人オペレーターさんが働きやすい職場、働きたいと思う職場を、センター長やSV、先輩オペレーターなどコンタクトセンターに関わる全員で作ることが、定着率を上げるために最も大切です。
新人研修の見直しが定着率アップの第1歩
新人研修は楽しませることが大切
あとこれは絶対にやってほしいというのが、実際の電話応対の音声を聴くことです。いくら応対マニュアルを読んで勉強しても、実際にお客さまからかかってくる電話はその通りにはいきません。リアルな電話のやりとりを聴くことで、こう返せばいいのかとか、こういう言葉遣いが必要なのかなどと、学べることがたくさんあります。また、新人研修で音声を聴いておくと現場に出たときのギャップが少なくなり、定着率が上がります。
eラーニングの活用が大きなカギ
新人研修&教育にフル活用
例えば、新人さんは現場に出ると、緊張のため笑声(えごえ)や明るい応対ができなくなるといったことが多々あります。こうした課題が発生した際に該当するテーマの動画を観て復習することで、注意すべきポイントが頭にすっと入り、その後の電話応対にもリラックスして臨めるようになります。動画は全て5分程度で気軽にさっと観られるので、その他にもOJT中に気がついた点があったらいつでも復習できます。
そして三度目の活用シーンが、デビューしてから3ヵ月後のタイミング。ここで再度、基礎をすべて見直すように指導します。最初の3ヵ月はどうしても業務知識に集中せざるを得ないので、多少のことは目をつぶりますが、それをそのままにしておくと応対がどんどん雑になっていきます。この時期にもう一度、マナーや言葉遣い、明るい声の出し方といった基礎を復習してもらうことで、ぐっとレベルが上がります。すると、お客さまから電話応対を褒められたり、ありがとうと言ってもらえたりという嬉しいことが増えていきます。仕事のモチベーションも上がり、定着率アップにつながるでしょう。
講師にも大きなメリット
理解度のチェックや、研修内容についての簡単なフィードバックにも活用
また、各研修動画には受講者が「いいね!」をつけるボタンがあります。もし「いいね!」の数が少なかったら講義内容が退屈なものになっていないか見直してみるといった形で、研修の改善に活用できます。
担当業務や経験に応じた「コーストレーニング」も作成できる
負の連鎖を断ち切るために新人研修改革を
満足なサービスができない上に、どんどんロスコストが増えていく。