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BIZTEL API使ってみた vol.14 通話評価を自動化!「AI連携」を使って応対品質チェックの工数を削減したい

「BIZTEL API使ってみた」シリーズでは、BIZTELがもっと便利に使えるようになる
API連携機能を活用して、サービス担当者が様々な機能の実装にチャレンジします。

前回の記事はこちら

やってみたいこと

コールセンターでは、オペレーター教育による応対品質の向上施策の一環として、SV(スーパーバイザー)が定期的にオペレーターの通話をランダムに抽出し、応対品質チェックが行われています。しかし、この応対品質チェックには相応の工数が必要となり、効率化が大きな課題となっています。

今回は、ChatGPTに指示を出し、通話内容のテキストに対してさまざまな処理が行えるBIZTELのオプション機能AI連携を活用し、通話評価の指標である
・オープニング
・クロージング
NGワードの有無
・お客さまからの感謝・満足を示す反応の有無
に焦点を当て、応対品質チェック自動化を試みたいと思います。

チャレンジャー

使用するツール

BIZTELの利用ライセンス

・コールセンタープランのご契約
今回はOpenAIのAPIモデル「gpt-4o」を利用しています。
AI連携はBIZTEL3.9.0以上で利用可能ですが、OpenAIのAPIモデル「gpt-4o」を利用するには、BIZTELのバージョンが3.9.23以上である必要があります。

BIZTELで必要なオプション

AI連携
※詳細はこちら「1. AI連携」をご覧ください。

・音声認識連携(AmiVoice API)
※詳細はこちら「1.音声認識連携(AmiVoice API)」をご覧ください。

BIZTEL以外に必要なもの

・OpenAI API
※ChatGPTのAPIの使用には、従量制の料金が適用されます。
料金に関する詳細は、OpenAIのWebサイトをご覧ください。

・AmiVoice API
※AmiVoice APIの使用には、従量制の料金が適用されます。
料金に関する詳細は、AmiVoice APIのWebサイトをご覧ください。

動作の全体像

Before:現状の業務プロセス例

例)1回あたり10分程度の通話の場合、応対品質の評価にかかる所要時間は30〜50分程度になります。

※1 通話分析オプションの「通話評価フィルタ」機能を利用すると、「トークスピード差」「かぶり回数」「沈黙回数」などのスコアから評価対象とする通話を抽出することが可能です。

After:「AI連携」を利用した業務プロセス例

例)1回あたり10分程度の通話の場合、「AI連携」による自動評価であれば、評価結果の確認・アウトプットが【1分程度】に短縮されます。

「AI連携」による通話評価の結果

以下は通話内容に基づく評価結果です。

## 評価結果

### 1. 会話の開始時の応対

– 会社名とオペレータ名の両方を名乗っている:〇
– 適切な挨拶をしている:〇
– 用件を明確に復唱している:〇

### 2. 会話の終了時の応対

– 自身の名前を再度名乗っている:〇
– 状況に応じた適切な挨拶をしている:〇
– 不明点がないか最後に確認している:〇
– 通話の最後まで顧客の話を聞いている:〇

### 3. オペレータからのNGワードの使用

– 否定的な言葉(無理、できないなど)の使用回数:2回
 – 「いいえ。それは無理だったかと思います。」
  – 「すみません、今はないですね。」

– 曖昧な言葉(たぶんなど)の使用回数:1回
 – 「多分現状はAIが自動判定いたしますので」

– 命令形の使用回数:0回
– 不適切な言葉の使用回数:0回

### 4. お客様からの感謝を表す言葉の使用

– 感謝や満足の表現の回数:8回
– 「ありがとうございます。」(複数回) 
– 「わかりました。」
– 「ちょっと使ってみようかな。」 
– 「勝手に判断して出題してくれるのはいいですね。」
– 「わかりましたちょっと試してみますね。」 
– 「検討します。」

## 総評

オペレータは会話の開始時と終了時において、会社名と自身の名前を名乗り、適切な挨拶を行い、お客様の用件を明確に復唱しているため、非常に良好な応対を行っています。また、通話の最後までお客様の話をしっかりと聞き、不明点がないか確認している点も評価できます。

NGワードの使用については、否定的な言葉や曖昧な言葉が数回使用されているものの、命令形や不適切な言葉は使用されていないため、全体的には良好です。
お客様からの感謝や満足の表現も多く見られ、オペレータの対応に対するお客様の満足度が高いことが伺えます。

全体として、オペレータの応対は非常に良好であり、お客様の満足度も高いと評価できます。

設定の実践

OpenAI事前準備

OpenAIのAPIキーを発行します。
OpenAIのアカウント作成および、OpenAI APIキー発行が必要となります。
発行手順は「2.OpenAIの事前準備」をご参照ください。

BIZTEL事前設定

1.BIZTEL管理画面の「連携オプション」>「AI連携 OpenAI APIキー登録」を設定します。
今回はより精度の高いモデルを利用するため、モデル名は「gpt-4o」を選択してください。詳細は「3.1 OpenAI APIキー登録」をご参照ください。

2.BIZTEL管理画面の「連携オプション」>「AI連携 プロンプト設定」を設定します。
詳細は「3.2 AI連携 プロンプト設定」をご参照ください。

▼以下は、プロンプトの入力例です。

以下の指標に基づき、コールセンターのオペレータとお客様間の通話内容を評価すること。

## 評価指標

### 1. 会話の開始時の応対
オペレータが会社名と自身の名前を名乗り、適切な挨拶をして、お客様の用件を明確に復唱しているかどうかを評価。

– 会社名とオペレータ名の両方を名乗っている:〇/×
– 適切な挨拶をしている:〇/×
– 用件を明確に復唱している:〇/×

### 2. 会話の終了時の応対
オペレータが名前を再度名乗り、適切な挨拶をして、通話を締めくくる前に不明点がないか確認しているかを評価。

– 自身の名前を再度名乗っている:〇/×
– 状況に応じた適切な挨拶をしている:〇/×
– 不明点がないか最後に確認している:〇/×
– 通話の最後まで顧客の話を聞いている:〇/×

### 3. オペレータからのNGワードの使用
オペレータが発話する内容の中に、お客様を不快にさせるような否定的な言葉、曖昧な言葉、命令形、不適切な言葉(タメ口、俗語)を使っていないかを評価

– 否定的な言葉(無理、できないなど)の使用回数
– 曖昧な言葉(たぶんなど)の使用回数
– 命令形の使用回数
– 不適切な言葉の使用回数

### 4. お客様からの感謝を表す言葉の使用
以下の通話内容からお客様が感謝や満足を表している回数をカウントしてください。

– 通話内容からお客様が発した「お客様:」がついている文章のみ検出
– 「オペレータ:」がついている文章はオペレータが発しているので検出しない
– 感謝や満足の表現には、前後の文脈にお客様からのポジティブなフィードバックや肯定的な反応がある場合

以下は通話内容:

AI解析実行

通話後、履歴画面またはワークスペースよりAI解析を実行します。
※今回はコールセンター履歴画面の履歴モーダル画面から実行します。

解析結果
※以下の画像は結果の一部を抜粋しています。

結果

AI連携」機能を用いることで、AI解析ボタンをクリックするだけで、複数の指標について自動で評価できるようになりました。

通話内容の評価観点をAI連携のプロンプトに記述するだけで、従来手作業で行っていた分析業務が自動化され、音声のチェックが格段に効率化されます。

さらに、SVの作業工数も大幅に削減できるため、より重要な業務に集中することができます。

編集後記

今回は、BIZTELのAI連携を活用した、通話評価の自動化・効率化の仕組みを実践しました。

この機能活用が「業務効率化」「応対品質の向上」に寄与し、より質の高い顧客サービスの提供に貢献できることを期待しています。
是非、「AI連携」の便利さと効果を実際に体感してみてください。

皆さまからのフィードバックをお待ちしております!

「BIZTEL API使ってみた」シリーズでは、BIZTELの利用者が実際に思いついた業務改善のアイデアをもとに、今後も様々な機能を紹介する予定です。

簡単に実現できるよう、設定方法も交えながらお伝えしますので、読者のみなさまもぜひチャレンジしてみてください。
現在、BIZTELをご利用中のお客さまも、「こんなことがしたい」というご希望がございましたら、BIZTELサービス担当までご相談ください!