2021年のコールセンター業界はどうなる?大胆予想!
2020年はコロナ禍により、コールセンターを運営する会社は皆、試行錯誤の一年でしたね。果たして2021年のコールセンター業界はどうなるのか気になるところです。
今回の記事では2020年の各社の対応を振り返るとともに、2021年の業界の動きを大胆予想してみました。
それでは見て行きましょう
目次
2020年の各社のコロナ対策は?
まずその前に2020年を振り返ってみましょう。
日本コールセンター協会が発行する『CCAJ News』2020年12月号に「コールセンターにおける新型コロナウイルス感染症対策に関する指針」アンケート結果報告が公表されています。
※一般社団法人 日本コールセンター協会ホームページ
※『CCAJ News』2020年12月号ダウンロードページ
アンケート回答企業の6割がエージェンシー(専業のコールセンターベンダー)のため、インハウス(社内で自社サービス等に関するコールセンターを運営)している企業とは実情が多少異なるかもしれません。それを踏まえてご覧ください。
(アンケート実施概要)
時期:2020 年 8 月25日( 火 ) ~ 10 月16日( 金 )
主体:一般社団法人日本コールセンター協会 総務委員会
回収:1.アンケート用紙(データ)に入力し、e メールまたは FAX で提出
2.Web アンケートで回答
対象:一般社団法人日本コールセンター協会 会員企業 216 社
回答:71 社
貴社のコールセンターでは、感染拡大防止のために、どのような対策を取りましたか?(コールセンターを保有する 58 社)
「全てのセンター・業務で実施した」と「一部のセンター・業務で実施した」の合計数順で見ると、トップ3は以下になります(同数による同順位含む)
1. 石鹸による手洗い、または手のアルコール消毒(58社、100%)
1. マスクやフェイスシールドの着用(58社、100%)
3. 窓の開閉や空調による換気(57社、98.3%)
3. デスク、複合機、電話等の共用備品・機器、手すり、ドアノブ等、多数の人が触れる部分のこまめな消毒・清拭(57社、98.3%)
これらについては、ほとんどのセンターで見られた傾向です。これに非接触型体温計を置いているところも多かったですね。
換気については、建物の構造上の問題やセキュリティのために限界はあるものの、可能な範囲で各社取り組んでいらっしゃったようです。
逆に少なかった項目として次のものが挙げられます。
1. ヘッドセット・パソコン・キーボード等の共用機器の個人専用化(40社、69.0%)
2. 正面を向き合わない座席配置に変更(41社、70.7%)
3. 座席をひとつ飛ばしにする(43社、74.1%)
3. マイクや耳当てのスポンジを、パソコン・キーボード・マウスはすぐに交換できるカバー部分の個人専用化(43社、74.1%)
キーボードやマウスなど、物を通しての接触感染によるクラスター発生はしばしばニュースになりました。共用機器の個人専用化に7割ものコールセンターが対応したというのは、逆に驚きですらあります。
もう一点の「正面を向き合わない座席配置に変更」や「座席をひとつ飛ばしにする」については、座席数やフロア規模に余裕があるコールセンターでないとできず、こちらも7割以上のコールセンターが対応したというのは良い方ではないでしょうか。
BIZTELユーザのなかには、小規模(10席程度)だったため、SVだけコールセンターにいて、他は皆、在宅で電話対応業務をしたところもありました。クラウドテレフォニーならではの使い方ですね。
コールセンターの運営において、どのようなコロナ対策を行いましたか? (コールセンターを保有する 58 社)
「全てのセンター・業務で実施した」と「一部のセンター・業務で実施した」の合計数順で見ると、トップ3は以下のとおりです(同数による同順位含む)。
1. 社内や社外の会議・ミーティングで電話・Web会議を活用(57社、98.3%)
2. 研修における遠隔による講義・面談の実施、Eラーニング等の自己学習の実施(44社、75.9%)
3. 採用活動における電子書類の授受、電話・Web会議による面接(40社、69.0%)
2020年はWeb会議システムに明け暮れた1年と言っても良いかもしれません。特にコールセンター業界で、研修や採用面談にまでWeb会議システムを利用した企業は7割にも及んでいます。この流れは2021年も続くだけでなく、定着する可能性があります。
弊社では「shouin for コンタクトセンター」というクラウド型の教育管理サービスを提供しています。ぜひ検討してみてください。
逆に少なかった項目は以下のとおりです(「委託先・発注社のみ」は除く)。
1. センターの夜間・休日対応の休止(15社、25.9%)
2. センターの営業時間の短縮(23社、39.7%)
3. 有人対応によらないチャネルの提供やセルフサービス化の導入(24社、41.4%)
営業時間の短縮や休業したのは4割以下であり、多くのコールセンターが通常通りの運営を続けました。東日本大震災の時もコールセンターは稼働するなど、社会インフラとしてその重要性は増すばかりです。
※参考
有人対応によらないチャネルの提供やセルフサービス化の導入は、おそらく時間の関係もあり4割程度の実施にとどまりましたが、今後の事業継続を考えた時に検討すべきひとつかもしれません。
2021年はどうなる?
①人材の大流動化が始まる。
多くの企業で現在、事業縮小や人材のリストラ・配置転換が進行しています。コールセンター業務を外部委託している企業では、委託契約を解除して自社の余剰社員をコールセンターに異動させ、自社運営へ切り替えるという動きが既に起こり始めています。
そのため、大手ベンダーで抱える派遣社員やパートタイム労働者の行き場がなくなり、コールセンターや人員の大量整理が2021年は発生しそうです。
また既に自社運営している企業でも、派遣社員に代わり正社員が登用される動きが加速するかもしれません。
一方、これまで人材不足に悩まされていた企業にとっては、熟練のコールセンタースタッフが採用できる機会となります。とくにここ数年、SVなどスキルを持った人材の流動性が低下していただけに、近年まれにみる豊作の年になる可能性が高いです。
優秀な人材をよそに取られないよう、これまでの採用条件を今一度見直しておくと良いかもしれません。
ただし、今年は必ず選挙があります。世論調査が始まる頃から大手ベンダーが大量採用に走るため、一時的に人材が枯渇します。予想では「オリンピック後に選挙」と言われており、人材募集をするなら夏前までに実施するのが無難です。
②品質と効率が再びクローズアップされる。
①の自社運営化により、熟練労働者から経験の浅いオペレーターが増えることで、応対品質や効率面での低下が懸念されます。
ここ数年のコールセンター業界は、AIや音声認識、NPS、DXなどテクノロジーばかりクローズアップされてきました。
そういった意味で今年は原点回帰、「品質」と「効率」がキーワードになるかもしれません。
別の言い方をするなら、顧客対応でライバルに差をつけるチャンスでもあり、カスタマー・エクスペリエンス対策が急務となります。
③好立地への移転がしやすい
”脱東京”・”テレワーク”・”コロナ不況”により、今年はこれまで入居できなかった都内の好立地に移転しやすいで状況と言えそうです。コスト面での交渉力も今が一番あります。
そして上記①の自社運営化により、大手ベンダーが都内に持っているコールセンターの撤退の動きも予想されます。
これまで不便な場所にあるため人材募集に苦労していた企業は、交通の便が良く、人が集まる場所への移転を検討してみるのも良いかもしれません。
④感情解析がコールセンターで流行する。
ここ数年クローズアップされ始めた感情解析。主目的は顧客の感情変化をつかむことで顧客応対の質向上やカスタマー・エクスペリエンスに活用することだったのですが、今年は内部向けにも活用される可能性が出てきました。
現在、「在宅ワーク」により従業員のストレスマネジメントがクローズアップされています。このストレスマネジメントに感情解析を活用しようというものです。
これによって画面越しには見えにくい相手の感情をタイムリーにキャッチし、悪化する前に対策を打てるようになります。
⑤日本経済が復活し、皆がハッピーになる!
2020年は悲しいニュースが多かった印象でした。
2021年は皆が元気になり、そして日本が元気になる、そんな1年にしたいですね。
さあ気持ちを切り替えて、ポジティブにいきましょう!