2021.04.09
2022.02.18

コールセンター構築時のポイントとは?ソフト・ハード両面から解説

顧客接点を強化するためには、ソフト(業務プロセス・マネジメント・組織体制など)とハード(システム・ツール面)の双方を考慮したコールセンター構築がおすすめです。
とくに、ハード面の土台を固めることは、業務効率を追求するうえで欠かせないポイントになります。

ここでは、コールセンター構築時のポイントを網羅的に解説していきます。

コールセンター構築時の流れ

冒頭でも述べたように、顧客接点強化につながるコールセンターを構築するには「業務プロセス・マネジメント・組織体制などといったソフト面」と「システムやツールなどのハード面」を考慮していく必要があります。
以下は、一般的なコールセンター構築時の流れを整理したものです。

コールセンターのコンセプト設計

コンセプト設計では、コールセンター構築の「目的」「ゴール」などを明確にします。顧客満足度向上・企業全体としての顧客対応の効率化など、ゴールの種類によって設計が変わるため、非常に重要なフェーズです。

指標の定義

目的・ゴールに到達するためには、「何をもって達成とするか」を明確にしなくてはなりません。このとき、誰もが理解できる形にするために「ゴールの定量化(視覚化・数値化)」を行います。具体的には「KGI」をまず設定し、KGIに至る過程を評価するためのKPIを決めるという手法が一般的です。

設計

コールセンターの設計は、「業務プロセス」「マネジメント」「組織体制」「育成体制」などを考慮して行います。コールセンター全体の業務の流れやマネジメント業務の種類、どのポジションの人間が何をしているか、どのような人材育成を行うのかを計画し、システムへと落とし込んでいくわけです。

システム構築

設計が固まった後は、実際に必要とされる設備・ツールを明らかにします。具体的には、電話回線の敷設やネットワーク構築、業務に必要なシステム(CRM・CTI・PBXなど)の選定が含まれるでしょう。このとき、設計フェーズとのつながりを意識しながら機能軸で選定を行う方法がおすすめです。
また、導入ベンダーの実績も考慮するようにしましょう。

コールセンター構築時に注力すべきハード面のポイント

近年のコールセンターは役割が拡大していることから、業務内容の高度化・複雑化が進んでいます。また、オペレーターひとりひとりの業務量も増加しがちです。そのため、少ない労力で効率よく業務を進めるための基盤が必要となります。ここでは、基盤となるシステム構築時のポイントについて整理しておきましょう。

業務に必要な機能の整理

まず、業務に必要な機能の整理を行いましょう。ちなみにコールセンターでよく使われている機能としては、「通話録音」「IVR」「ACD」の3つが挙げられます。

  • 通話録音

オペレーターの電話対応を録音する機能です。「言った・言わない」から発生するトラブルの防止、クレーム内容の分析、オペレーターの応対品質の評価など、幅広い業務での活用が期待できます。

  • IVR(自動音声応答システム)

自動再生される音声ガイダンスを用いて、応答・取次業務を無人化できる機能です。音声案内に応じて顧客がダイヤルボタンを押下し、ボタンに応じた窓口へと取次を行うことが可能です。顧客側は電話につながるまでの待ち時間が削減され、オペレーター側も応答・取次業務がなくなるため、双方にメリットがある仕組みです。

  • ACD

あらかじめ設定したルールに従い、受付が可能なオペレーターに着信を振り分ける機能です。着信させるオペレーターの優先順位を決めたり、受付可能な状態になってから時間が経過している順に着信させたりと、さまざま条件が設定できます。

ハードの選定

機能軸での選定が完了した後は、各機能を搭載するハードの選定に入ります。一般的には電話機・PBXやCTIといったツールの調達と設置、回線契約などが含まれるでしょう。

電話機の候補としては、従来型のハードフォン(固定電話機)やPCにインストールするソフトフォンなどが挙げられます。近年はオペレーターの負荷軽減や導入の手軽さから、ソフトフォンが選択されるケースが増えています。

また、PBXもオンプレミス型からクラウド型へと移行が進んでいます。コストや柔軟性を重視する場合は、イニシャルコストが小さく、ベンダーに頼らずとも設定変更が行えるクラウド型PBXが適しているかもしれません。

  • 高機能化・業務効率化のためのツール選定(CTI)

必要な機能を満たし、さらなる業務効率を高めるためのツールを選定します。ここではコールセンター全体を統括するコンピューターシステム「CTI」の選定が中心になるでしょう。CTIの選定では、「イニシャルコスト」「納期」「カスタマイズ性」「導入ベンダーの実績」などを重視し、自社にマッチした製品を選びたいところです。
また、外部システムとの連携が可能か否かも重要な選定ポイントです。CRMやSFAと接続することで、顧客情報をリアルタイムに把握しつつ迅速な対応が可能になります。

さらに、規模拡大や冗長化・分散化に対応できるコールセンターを望む場合は、クラウド型CTIが適しています。クラウド型であれば、座席や拠点追加を伴う変更がスピーディーかつ手軽に行えるからです。

  • 回線契約

電話回線は「アナログ回線」「ISDN」「ADSL」「光ファイバー」の中から選択することになります。ただし、アナログ回線は2025年1月をめどにIP網への移行が決定しています。また、ISDN・ADSLは2024年をめどに廃止が決定していることから、現状では光ファイバーを選択すべきでしょう。

ネットワーク構築と設定

機能・設備・ツールの選定が完了した後は、コールセンターのネットワーク構築と設定に入ります。

  • 社内ネットワーク設計

コールセンター全体のネットワーク設計を行います。有線・無線といった接続方法や必要な周辺機器を決定し、ネットワークの概要図を作りましょう。

※BIZTELは無線での接続も可能ですが、音声品質の安定性の観点から有線接続を推奨しています。

  • VPN設計

複数拠点やテレワーク制度の運用を想定する場合、企業のセキュリティ要件によっては遠隔地同士をセキュアに結ぶVPNが必要になるでしょう。VPNは、公衆回線網を利用しコストパフォーマンスに優れる「インターネットVPN」、閉域網を利用することで高いセキュリティ強度を誇る「IP-VPN」、より柔軟で複雑なネットワーク構築が可能な「広域イーサネット」から選択することになります。コスト・セキュリティ・柔軟性の中で優先度を決め、自社にマッチした仕組みを選択していきましょう。

  • ネットワークセキュリティ関連

企業ごとのセキュリティ要件に従って、FW(ファイアウォール)やネットワーク監視ツールなどを設置し、それぞれの設定も行います。

  • LAN構築

有線LANの場合は、PCにLANケーブルを接続し、さらにLANケーブルの集積・中継を行うハブを設置してネットワークを構築します。無線LANの場合は、LANケーブルとハブの代わりにアクセスポイントを設置します。アクセスポイントは、製品ごとに電波の強度や範囲が異なるため、設置する場所の広さやPCの数などに応じて選択していきましょう。

  • 無線LAN利用時のセキュリティ設定

無線LANの場合は、ネットワークのセキュリティ設定も必要です。とくに通信の暗号化によるセキュリティ対策は、必ず行うようにしましょう。無線LANで使用される暗号化規格としては「WEP」「WPA-PSK(TKIP)」「WPA-PSK(AES)」「WPA2-PSK(AES)」があります。この中でもっとも強固なのは「WPA2-PSK(AES)」です。特別な事情が無い限りは「WPA2-PSK(AES)」の選択がおすすめです。

まとめ

ここでは、コールセンター構築時の流れやポイントを具体的に解説してきました。
現代のコールセンターでは、的確なシステム・ツール選定によって業務効率・品質を上げていく必要があります。ツール選定やネットワーク構築について知見を持つ人材が自社にいない場合は、コールセンターシステムの構築・運用の実績が豊富なベンダーに相談をしてみてはいかがでしょうか。