2022.02.01

コールセンターにおけるIoTの活用方法とは?IoTの概要も解説

センサや通信技術の発達、安価なクラウドストレージの登場によって、近年ではAIIoTを活用した取り組みにますます注目が集まっています。製造業などで生産システムのIoT化がすでに浸透しつつある中、コールセンターの運営においてもIoTやAIを活用した効率化への取り組みが始まっています。

この記事では、IoTの概要や実現できることをふまえながら、コールセンターにおける活用シーンについて解説します。

IoTとは

そもそもIoTとはどのようなことを意味する言葉なのでしょうか。まずは、概要と注目されている理由について解説します。

IoTの概要

IoTとは「Internet of Things」の略語であり、“あらゆるモノがインターネットに接続する”という概念を示す言葉です。漠然とした捉え方がされることも多いですが、一般的には「インターネットでPC以外のモノとモノを繋ぐこと、またはそうしたネットワークそのもの」、「モノ同士で自律的に動作・処理を行ったり、インターネットを介してモノから周囲の情報を伝達したりする技術」がIoTといえるでしょう。

これまでインターネットはコンピュータを端末として利用する必要がありましたが、IoTの登場によって、工場における製造設備や製品、トンネルや道路といったインフラ、化学プラントの配管など、製品(モノ)自体を端末としてインターネットに接続させ、自動的に操作できるようになりました。

IoTが注目されている理由

では、なぜいまIoTが注目されているのでしょうか。

その要因の一つとして、通信・センサの発達により、新たな技術を導入する際の様々なコストが低下したことが挙げられます。初期費用はもちろん、システムの運用・保守費用も低価格化が進んでおり、技術的にもコスト的にもIoT導入のハードルは年々下がってきています。

また今後、工場設備やインフラ設備の老朽化が進む中で効率的な保守点検作業を実施していく必要があるというニーズからも、遠隔での状況監視に有効なIoT技術が注目されています。

さらに、AI(人工知能)技術の発達もIoTの普及を後押しする要素の一つです。AIに学習させるための情報源として、IoTによって収集・蓄積したデータが活用されています。

エッジコンピューティングによるIoTの実現

このようにIoTの活用には多くのメリットがある一方で、多数のモノから同一のサーバーに接続した際に、通信や処理にかかる負荷が膨大になるという欠点もあります。またリアルタイム性が必要となる場面においては、通信の遅延時間も問題になり得ます。

そこで、1つのサーバーで集中処理するのではなく、IoT端末自体、もしくはIoT端末の近くに設置したエッジサーバーで処理を分散し、通信するデータを必要最小限にするエッジコンピューティングという仕組みが用いられるようになりました。

これによって通信負荷やデータ処理にかかる遅延時間を軽減することが可能となり、IoTはより実用的な技術として普及しました。

IoTにより実現できること

それでは、IoTは具体的にどのような場面で利用できるのでしょうか。ここでは、IoTによって実現できることについて紹介します。

遠隔から状態を把握する

離れた場所にあるモノの環境や動き・位置などの情報が把握できます。例えば、トンネル内部に故障が発生していないか、崩落などのリスクがある箇所はないかといったことをデータで監視することが可能です。

これまで人間が目視で行っていた作業を自動化できるため、業務負荷の軽減や生産性向上につながるでしょう。
また、検査のタイミングは任意で設定できます。頻度を増やすことで、より早期に故障の発生や崩落の危険性といった情報を検知できるようになります。

遠隔から操作する

IoT化した製品には、遠隔操作が可能なものもあります。
例えば、購入後に利用者が操作方法に困った際、オペレーターが製品を遠隔で操作して支援を行うことができます。

また、ドローンなど製造設備の監視を行う機器の場合、雨が降ったら作業を停止させるなど、天候や気温に合わせて操作することも可能です。

モノとモノを連動させて動かす

複数のIoT端末を相互に通信させ、自律的に動作させることができます。また、上述したエッジコンピューティングを利用し、IoT端末とエッジサーバーの連携による自律動作も可能です。

なかでも特に注目されているのが、自動運転技術です。例えば、カメラやセンサで取得した情報をもとに一定の条件下でハンドルを自動操作したり、衝突の危険が迫っていると判断したら音声ナビによる警告や自動ブレーキを作動させたりするなど、事故を回避する技術の実用化が始まっています。

身近なIoTの活用例

IoTは、私たちの生活のなかにも広く普及し始めています。以下では、身近なIoTの活用例を紹介します。

スマートホーム

冷蔵庫や洗濯機・エアコンなど様々な家電がインターネットにつながり、相互に連携したり、より簡単に動作させたりすることができるようになる、いわゆるスマートホーム化が進んでいます。

例えば、洗濯が終わったらメールで通知を出す洗濯機や、室温に応じて自動で電源がONになったり、外出先からスマートフォンで操作ができたりするエアコンといった、便利な機能を持つ製品が多数登場しています。

また、スマートホームを管理・操作するためのスマートスピーカーの需要も今後ますます高まっていくでしょう。

地図サービス

地図サービスアプリも、代表的なIoTの活用例として挙げられます。利用者のスマートフォン端末から収集した情報をもとに、道路や地域の混雑状況を表示することが可能です。

農業

農業においてもIoT化の波が訪れています。ハウス内の温度や湿度をモニタリングして生育に最適な環境づくりを行ったり、水やりや追肥を適切なタイミングで自動的に実施したりすることができます。

コールセンターとIoTの関係

これまでIoTの様々な活用方法について解説してきました。主に製造業や建築・インフラ業で普及が進んでいますが、コールセンターにおいてもIoTやAI技術を活かした取り組みが行われています。

コールセンターにおけるデータ活用

コールセンターにおいては、インターネットに接続し、発着信に関する情報や音声データをサーバーとやりとりするIP電話がIoT端末に似た役割を果たしているといえるでしょう。
近年、このIP電話から取得したデータとAIを活用した取り組みが増えています。

例えば、顧客とオペレーターの通話を録音してストレージに蓄積し、音声認識AIを使ってVOC分析(顧客の声を収集・分析して企業活動に反映させること)を行うことなどが挙げられます。

また、通話内容をAIでテキストデータ化し、頻出している問い合わせをチャットボットに学習させ、定型的な応対を任せるといったオペレーションも始められています。

顧客接点の多様化により、オムニチャネルでのセンター運営や顧客一人ひとりに合わせた応対が求められる中、音声認識・チャットボット・IVRなどのAIを用いた自動化技術を使い、省力化・省人化を目指す動きが活発になっています。

まとめ

この記事では、IoTの概要やメリットを紹介するとともに、コールセンターの運営においてどのようにIoTが活用できるか解説しました。IoTという概念は抽象的なものではありますが、コールセンターにおいても参考にできる部分があります。

特にCTI・コールセンターシステムを活用してデータ収集を行う取り組みは、これからのセンター運営の高度化・効率化において有効といえるでしょう。