コールセンター向けAIの3大種類とCTI連携メリット|要約・自動分類の事例も紹介
目次
コールセンターにおけるAI活用とは?主な種類とCTI連携のメリット
近年、人手不足の解消や業務効率化の切り札として、コールセンターへのAI(人工知能)導入が急速に進んでいます。
コールセンターにおけるAI活用は、単なる「自動化」に留まりません。電話とコンピューターを統合する「CTIシステム」と各種AIを連携させることで、オペレーターの業務負担を劇的に軽減し、顧客満足度(CS)の向上とコスト削減を同時に実現できるのが最大のメリットです。
しかし、「自社のコールセンターにはどのAIが最適なのか」「具体的にどう業務が変わるのか」が分からず、導入に踏み切れない担当者の方も多いのではないでしょうか。
本記事では、現在のコールセンターDXを牽引する「3つの主要AI(音声認識AI・生成AI・ボイスボット)」について、それぞれの特徴やCTI連携で実現できること、そして代表的なサービスを分かりやすく解説します。
コールセンター向けAIの3大種類と、CTI連携でできること
音声認識AI
音声認識AIは、文字起こしができるシステムです。
CTIシステムを介して電話と連携することで、通話内容をテキスト化することができます。お客さまの発言のメモや、応対履歴の入力、苦情やトラブルに関する報告書の作成などにかかる手間を大幅に削減することが可能です。また、通話内容を後から確認する際も、録音を聴くのと比較して短時間で行えます。
連携する音声認識AIのサービスによっては、会話に出てきたワードをもとに関連するマニュアルやFAQをオペレーターに表示したり、クレームと類推できる単語やNGワードが発せられたら管理者に通知できたりと、さらに便利な機能が利用できます。
CTI連携ができる代表的な音声認識AI
- AmiVoice(株式会社アドバンスト・メディア)
- MSYS Omnis(丸紅情報システムズ株式会社)
- PKSHA Speech Insight(株式会社 PKSHA Technology)
- AI Dig(エス・アンド・アイ株式会社)
- RECAIUS(東芝デジタルソリューションズ株式会社)
生成AI
AIがユーザの指示にしたがって文章を作成したり、情報の整理をしたりと、従来は人が行っていたさまざまな作業が自動化できる技術です。ChatGPTなどのAIチャットボットで利用されていることでもお馴染みです。
CTIシステムによって電話・音声認識AI・生成AIサービスの3つを組み合わせて使うことで、通話内容の書き起こしを要約でき、応対履歴の入力などにかかる作業時間を大幅に削減できます。
そのほか、顧客とオペレーターの会話内容から、VOC(お客さまのご意見・ご要望)の抽出、FAQの作成、言葉づかいのチェック、ヒアリング項目の抜け漏れの確認なども可能です。
CTI連携ができる代表的な生成AI
- OpenAI API(OpenAI, Inc.)
- Azure OpenAI API(Microsoft)
ボイスボット
ボイスボットは、AIを活用して電話の自動応対ができるシステムです。 問い合わせ内容への回答や、購入・解約の手続き、予約日時の変更といった対応を自動で行うことができます。
CTIシステムと連携することで、ボイスボットからオペレーターへ通話を取り次ぐ場合に、それまでお客さまとボイスボットの間でしたやり取りの内容や相手方の電話番号を、オペレータに表示できます。
また、内線を経由して取り次げるようになり、オペレーターへの転送にかかる通信費を削減することもできます。
CTI連携ができる代表的なボイスボット
- AI Worker VoiceAgent(株式会社AI Shift)
- PKSHA VoiceAgent(株式会社 PKSHA Technology)
- commubo(株式会社ソフトフロントジャパン)
- LINE WORKS AiCall(LINE WORKS株式会社)
- QANT スピーク(株式会社RightTouch)
【事例】AIの要約と問い合わせの自動分類で、全国60拠点の電話対応を最適化
コールセンターへのAI導入とCTI連携がどのような成果をもたらすのか、具体的な企業事例を紹介します。
パナソニックグループで住宅設備機器の開発・製造・販売を担うパナソニック ハウジングソリューションズ株式会社さまでは、クラウド型CTI「BIZTEL」とCRMシステム(FastHelp5)を連携し、音声認識AIと生成AIを活用した先進的なコールセンターDXを実現しています。
1. 導入前の課題
- 手動入力による工数とデータの偏り:通話後の応対履歴を担当者が手動で入力していたため、工数がかかり入力率が上がらなかった。また、人によって入力内容に偏りがあり、正確な業務分析が困難だった。
- 拠点ごとの電話応対による非効率:全国の各拠点が個別に顧客対応を行っていたため、営業担当者に問い合わせが集中したり、突発的な人員変動へのエリア間相互フォローが難しかった。
2. AI・CTI導入による解決策(取り組み)
- 「音声認識」と「生成AI」の連携:通話内容をAIで自動的に文字起こし(音声認識)し、そのテキストを生成AIによって自動で要約・分析する仕組みを構築した。
- 一次受け拠点の新設と集約:電話を一次受けする「ビジネスコンタクトセンター」を新設。BIZTELのクラウド機能を活かし、全国約60拠点・1日約3,200件の入電を集約して各拠点へ柔軟に内線転送できる体制を整えた。
3. もたらされた導入効果
- 「均質なデータ収集」による業務改善の推進:AIが通話内容から自動で要約や分類(自動ラベル付け)を行うため、客観的かつ均質なデータ収集が可能になった。これにより、主観に頼らないデータに基づいた業務改善を推進できる環境が整った。
- 後処理時間の短縮と人員の柔軟な配置:AIが要約や問い合わせ内容の自動分類を担うことで、オペレーターの通話後入力にかかる工数を大幅に削減。さらに、拠点間での柔軟な相互フォローが可能になり、全国の電話対応の最適化が実現した。
まとめ:CTI×AI連携でコールセンターの未来を変える
コールセンターへのAI導入は、現場の深刻な人手不足を解消し、業務効率を劇的に向上させるための鍵です。
本記事でご紹介したように、音声認識AIによるリアルタイムな文字起こし、生成AIによる自動要約やVOC(顧客の声)の抽出、そしてボイスボットによる電話応対の自動化など、各テクノロジーには明確な強みがあります。
パナソニック ハウジングソリューションズ株式会社さまの事例が示す通り、AIによる「要約」や「問い合わせ内容の自動分類」といった一歩踏み込んだ活用は、オペレーターの負担(後処理時間)を劇的に減らすだけでなく、客観的なデータに基づく高度なマネジメント(組織の最適化)をもたらします。
そして、これらのAIの価値を最大化させるために欠かせないのが、柔軟な外部連携ができる「CTIシステム」の存在です。
自社のコールセンターが抱える課題(応対品質のバラつき、後処理業務の逼迫、あふれ呼の多さなど)に合わせて、まずは最適なAIの選定と、それを支えるCTIシステムの検討から始めてみてはいかがでしょうか。
※「CTI」についてもっと知る
→CTIとは?知っておきたい機能や種類、導入のポイントやシステム連携について徹底解説!
→クラウド型CTIシステムの選び方とは〜ポイントと主要5サービスの比較〜
→顧客からの信頼を獲得する!電話窓口を開設するメリット・方法・CTIなどおすすめサービス








