電話窓口を開設するメリット・方法・CTIなどおすすめサービス
近年、電話窓口を設けない企業が増えています。この背景には「電話対応はコストである」「電話対応よりも拘束力が弱くリソースの融通がきくメールが便利」いう認識があるようです。しかし、設立から数年がたち、ビジネスが順調に成長している時期だからこそ、お客様からの信頼獲得や接点強化の一環として電話窓口の開設を検討すると良いでしょう。
では、電話窓口を開設する方法にはどのようなパターンがあるのでしょうか。この記事では、メリットやおすすめサービスとともに電話窓口の開設方法を紹介します。
目次
電話窓口を開設する必要性とメリットとは?
電話窓口は、企業と顧客をつなぐ重要な場所です。しかし、以前のようにどの企業も電話窓口を設けている時代ではありません。ICTが発達した現代では、電話以外の通信手段が拡大し、わざわざ電話をかけずともコミュニケーションが取れるようになりました。
Eメールを筆頭に、SNSアカウントを用いたチャットや整備されたFAQなどは、対応コストを押し下げてくれます。もはや、顧客からの質問やクレームに対し、電話窓口で人間が対応する必要はなくなってきているのです。しかし、これはあくまでも「仕組み」の話です。
人間は感情の生き物です。自分が購入した製品やサービスに対する質問、クレームなどにどれくらい真摯に対応するかで、その企業に対する印象が大きく変わるでしょう。
また、電話で実際に人間が応対することにより「ビジネスの実態」を感じさせたり、「組織的な対応ができる」ことを印象付けたりと、信頼の強化が見込めます。
つまり、たとえコストをかけて電話窓口対応を行っても、長期的に見れば顧客の信頼や満足度の強化というメリットがあるのです。実際、世間ではまだまだ「電話窓口がある=信用できる」という風潮が存在しています。その証拠に、大手企業の大半は何らかの電話窓口を設けています。
いざというときの連絡先が公開されていて、電話をかければ人間が対応してくれる。この単純な事実が顧客に与える安心感は絶大なのです。
電話窓口を開設する方法は?
このように企業のイメージアップや顧客からの信頼強化に寄与する電話窓口は、概ね以下のような方法で開設できます。導入時の概算料金と併せて確認してみましょう。
固定電話回線を契約する(アナログもしくはデジタル)
● 初期費用(施設設置負担金)…36,000円(税別)もしくは無料
● 契約料…月額800円(税別)
● 基本料金…月額2,300円~2,750円(税別)
● 通話料…約2.83円/分〜
※施設設置負担金ゼロのプランは、初期費用がかからない分、月額料金に上乗せとなる場合があります。月額料金が割高になる
電話受付代行サービス
● 初期費用…無料
● 月額費用…受付着信数に応じて3,000円~20,000円程度
IP電話サービスを契約する(050番号を取得する)
● 初期費用…無料
● 月額費用…500円程度(税別)
CTIなどビジネスフォンの導入
● 初期費用…50,000円~
● 月額費用…20,000円~
Skypeの転送サービス
● 初期費用…無料(ただし、PCやインターネット回線が必要)
● 月額費用…850円(日本国内の固定電話・携帯電話と300分通話)
この中で最もシンプルな方法は、固定電話回線の契約です。しかし、固定電話回線の導入は時間的・金銭的コストがかかる割には、仕組みとして洗練されていません。通話以外に便利な機能がなく、電話がある場所で常に待機している必要があります。つまり、「電話に人間が合わせること」を強要されるのです。
したがって、効率よく電話窓口を開設し、運用するためには、自分のビジネススタイルに合わせた選択が必要になります。
各サービスのメリットとデメリット
次に各サービスのメリットとデメリットを開設します。
固定電話回線を契約する(アナログもしくはデジタル)
●メリット
・電話回線と電話機以外に特別な装置が必要なく、開設が簡単。
・電話番号が市外局番から始まる通常の番号のため、信用を得られやすい。
●デメリット
・「電話機で話す」以外の機能が貧弱で、付加価値が低い。
電話受付代行サービス
●メリット
・初期費用がほとんどかからない。
・月間の受電数が少なければ、トータルで割安になる。
・電話応対要員を用意する必要がない。
●デメリット
・電話を受ける人間がビジネスの中身に対して知見がないため、サポート窓口としては利用しにくい。
・一定数以上の受電があると、割高になる。
IP電話サービスを契約する(050番号を取得する)
●メリット
・単一のサービスとしては最も安い。
・プライべートな番号を流用して電話窓口を設けられる。
●デメリット
・「050番号」を使う事業者に対し、信頼性のあるイメージがしづらい。
・組織感や規模感を感じてもらいにくい。
CTIなどビジネスフォンの導入
●メリット
・CTIシステムを組み込んだビジネスフォンならば、電話窓口業務を効率化できる。
・人件費を最低限におさえつつ、高品質な電話窓口を開設可能。
・アンケート機能や音声ガイダンス機能など、単なる電話窓口を超えた「コンタクトセンター」を構築できる。
・クラウドを利用したCTI連携であれば、自社内に専用の設備を抱える必要がない。
・CRMやSFAなど、他部署の顧客情報を管理するシステムと連携して電話業務の効率向上を狙うことも可能。
●デメリット
・初期費用、ランニングコストともに比較的高額になる。
・一定以上のビジネス規模でなければメリットを感じにくい。
・導入前のシステム構築や見積もり、契約などがあり、導入に日数を要する。
Skypeの転送サービス
●メリット
・いわゆる「電話設備」が一切不要である。導入までの期間が短い。
・PCとヘッドフォンがあれば、簡単に電話窓口を開設できる。
・社内の連絡ツールとして威力を発揮する。
●デメリット
・組織感や規模感を出しにくく、対外的な信頼性の強化には直接結びつかない。
まとめ
このように、各サービスは一長一短に見えます。単に安さだけを求めるならば、IP電話サービスやSkype転送サービスが有利でしょう。しかし、顧客からの信頼の強化とともに、サポートの品質を向上させたり、顧客データを分析できたりするのはCTIを含むビジネスフォンです。また、従来のビジネスフォンの弱点であった導入スピードも、クラウド型コールセンターシステムによって改善されています。最短で5営業日程度の導入スピードを誇るサービスもあり、ビジネスの規模が一定以上ならベストな選択肢になり得るでしょう。
電話窓口の開設においては、費用の高低よりも、「自社のビジネス環境にどれだけマッチするか」や「長期的に信頼をどれだけ強化できるか」を重視した選択を心がけてみてください。
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