事例から学ぶ、通販事業へのコールセンターシステム(CTI/PBX)の導入
業種や業態を問わず、コールセンターの強化を経営課題に掲げる企業が増えています。中でも通販事業は、コールセンターの強化がビジネスの成長に直結する分野だと言えるでしょう。
コールセンターシステムの導入では「なぜ、何のために」を明確に定義すること大切です。
ここでは、通販事業を展開する企業の導入事例を紹介しつつ、コールセンターシステム導入を成功に導くためのポイントを紹介します。
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目次
通販事業でコールセンターシステムが重視される理由
まず、なぜ通販事業においてコールセンターが重要なのかを整理してみましょう。
唯一の顧客接点
通販事業では、店舗などで一般的に発生しうる対面コミュニケーションが存在しないことが多いです。そのため、消費者側から見ればコールセンターが唯一、企業と接点が持てる場となります。コールセンターとのやり取りは顧客にとって重要な体験であり、商品のリピート購入や定期購買コースの継続を決心するための材料なのです。
企業側から見ても、コールセンターの対応次第で契約率・解約率が大きく変動するなど、ビジネスに与えるインパクトが大きいと言えます。
コールセンター次第で評価が変わる
上記の理由から、コールセンターの対応次第で企業そのものの評価が決まってしまう可能性すらあります。製品に対する評価だけでなく、企業が持つブランドイメージや信頼性にも深い影響を与えるでしょう。
製品開発・マーケティングのベースになる
通販事業を展開する企業にとって、コールセンターは製品やサービスの開発・顧客ニーズをつかむための貴重な場となります。
いずれもコールセンターの大切な役割として認識されてきましたが、製品だけでなく、そこに付随する「体験」を重視する消費者が増えたことで、これまで以上の対策が必要になっていると言えます。
そこで重要になるのが、システム化です。限られたリソースでいかに顧客接点を強化し、対応品質や顧客満足度の向上に努めるかが重要になります。
通販業界におけるコールセンターシステムの導入事例
次に、通販業界におけるコールセンターシステムの導入事例を紹介していきます。事例ごとに課題・効果・システム選定のポイントも併せて紹介します。
株式会社北の達人コーポレーション
- 概要
株式会社北の達人コーポレーションでは、インターネット通販で一般消費者向けに健康食品や化粧品を販売するeコマース事業を展開している。自社製品の問い合わせ窓口としてコールセンターを設けており、解約窓口の一部は外部委託で対応していた。
- 業務課題
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- 外部委託で行っていた解約応対の自動化。
- 顧客への美容カウンセリングの品質向上。
- 全体的な顧客対応品質向上。
- 導入後の効果
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- IVRで解約したい商品を選択後、名前と電話番号を発話することで解約を自動受付する仕組みを構築。オペレーター4人分の工数を削減。
- 応対時間を可視化できるようになり、美容カウンセリング時に十分な時間をかけて顧客とコミュニケーションを取れているかチェックが可能になった。
- レポート機能・お客様アンケート・通話内容などを照らし合わせて、オペレーターの育成に役立てる体制が整備された。
- システム選定のポイント
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- 非IT人材でもカスタマイズが可能なこと。
- 将来的なビジネスの成長に対応可能なスケーラビリティを備えていること。
- 使いやすく、安定していて、豊富な導入実績を持っていること。
株式会社アラタナ
- 概要
株式会社アラタナでは、創業以来ECに特化したテクノロジーサービスの提供を行っていた。オフィス移転とZOZO(当時スタートトゥデイ)グループへの参画を機に、電話システムのリプレイスとコールセンター事業の立ち上げに踏み切った。
- 業務課題
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- ガイダンス・休日などの設定や着信グループの変更をスピーディーに行えるコールセンターシステムの導入。
- 少ない席数から始めて、事業の成長に応じて拡張できるシステム環境の構築。
- 導入後の効果
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- システムの管理画面を通じて、センター管理者がいつでも簡単に設定変更できるようになった。従来のシステムでは設定変更をするたびに発生していた業者への作業依頼費用が削減できた。
- コールセンター部門立ち上げの経験を持つ人材が少ない中で、スケジュールの遅延なく立ち上げを完了した。
- コールセンターシステムとビジネスフォンを同一サービスで統一したことから、システム費用と管理費用を同時に削減できた。
- システム選定のポイント
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- 運用効率を考慮し、コールセンターシステムとビジネスフォンが同一のサービスであることを優先した。
- 設定がシンプルで分かりやすい製品であること。
- 予算設定に合っていること。
○株式会社ケイシイシイ
- 概要
北海道を拠点とする製菓メーカーである株式会社ケイシイシイでは、実店舗とともに通販事業も展開している。コールセンターでは、日本全国から寄せられる注文受付や問い合わせの対応を行っている。また、オペレーターの教育や対応品質の管理など、マネジメント業務も担っている。
- 業務課題
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- カスタマーサービスの品質向上に向けたシステムの補強。
- 統計情報(着信数や応答率など)の正確さを上げ、サービス品質向上の足掛かりとする。
- 導入後の効果
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- 統計情報(応答率・処理時間・離席時間・稼働率)や録音データをオペレーターとの週次面談に活用することで、スキル向上とコミュニケーション活性化が進んだ。
- 管理者がリアルタイムで通話内容を聴きながらオペレーターにアドバイスが送れるようになったほか、内容ごとに適切なオペレーターに応対を振り分けたり、着信のあったお客さまの情報をPC上に自動表示したりすることができるようになった。その結果、カスタマーサービスの品質が向上した。
- システム選定のポイント
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- 管理しやすく正確な統計情報が提供できるシステムであること。
- オペレーターの教育をサポートする機能があること。
- CRMや基幹システムとの連携が可能であること。
- 問い合わせ対応が素早く、正確な回答を提供するベンダーであること。
○フジッコ株式会社
- 概要
フジッコ株式会社では、惣菜事業を中心に、健康食品や乳酸菌サプリメント、その他独自製品を提供する通信販売サイトを運営している。同社のコールセンターは、自社センターおよびアウトソーサー数社で構成されており、インバウンド・アウトバウンド業務を担っている。
- 業務課題
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- オペレーターごとの業務量の均一化。
- 人事評価の適正化。
- 導入後の効果
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- エージェント別レポートや着信ポップアップ機能により、後処理や顧客情報確認にかかる時間が短縮できた。
- KPIに基づいた人事評価の導入で、オペレーターの意識改革が進んだ。
- 複数の拠点で、同じ電話番号を使った受電が可能になった。その結果、全拠点においてオペレーターごとの業務量が均一化された。
- 業務量の均一化が進んだことで、入電量・対応人数が同じであるにも関わらず、応答率が4%上がった。
- システム選定のポイント
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- 操作性が良く、PC操作が不慣れなオペレーターでも手軽に操作できること。
- 自社センターの管理者の少なさなどをカバーできるよう、アウトソーサーとの連携がしやすいクラウド型を採用すること。
通販事業におけるコールセンターシステム導入のポイント
これまでの事例を踏まえると、通販事業におけるコールセンターシステム導入のポイントは、以下のように整理できます。
- できるだけ本業に集中できるよう、非IT人材でも使いやすいシステムを選ぶ。
- 小規模運用から開始して、大規模運用につなげられるようなスケーラビリティがあることを重視する。
- 問い合わせに対するレスポンスが早く、調査や回答の精度が高いベンダーを選ぶ。
- CRMなどの顧客管理システムとスムーズに連携できる製品を選ぶ。
- オペレーターの個人評価を適正化できるシステムを選ぶ。
まとめ
本稿では、通販事業におけるコールセンターシステムの重要性や導入事例、導入時のポイントなどを解説してきました。
通販事業では、コールセンターの強化が顧客満足度や売上・契約率に直結するため、システムの選定は慎重に行うべきです。まずは、通販事業への豊富な導入実績を持つベンダーに問い合わせてみてはいかがでしょうか。
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