オペレーター必見! BIZTEL の CM に出演中の俳優・松本若菜さんに聞いた「声で気持ちを伝える極意」とは
2022 年 10 月よりタクシーや WEB で放送されている BIZTEL の CM で、コールセンターのオペレーターを演じている俳優・松本若菜さん。今回 CM の一部リニューアルのため、ナレーションを収録する現場に、株式会社リンク BIZTEL 事業部を代表して小林梨花さんが取材を決行! コールセンターで働く皆さんに役立つ発声や想いを伝えるコツなどをうかがいました。
目次
伝えたい言葉を印象づけるテクニック
小林 松本若菜さんに CM 出演いただいている BIZTEL は、主にコールセンターで働くオペレーターさんやSV※さんの業務を支援するサービスとなっています。オペレーター業務と松本さんがなさっている俳優業はどちらも「表現を仕事にしている」「声で想いを伝える」という共通点があります。松本さんがセリフを言うときに聞き取りやすい声を出すために意識していることや発声のコツはありますか。
※ SV:コールセンターにおける責任者や管理者。オペレーターの研修や育成、センター全体のマネジメントなどを行う。
松本 そうですね。実は、両親から受け継いだものでありがたいなと思っているものの一つが、声なんです。私の声はすごく通るみたいで「聞き取りやすいね」と言ってもらうことが多いです。学生の頃は、合唱コンクールでみんなと同じように歌っているつもりなのに、先生からは「松本さんすごく声が出ていましたよ」と褒められたこともありました(笑)。これはたまたま持って生まれたものなので、聞き取りやすい声の出し方はアドバイスできることがないのですが……。もう一つの発声で言うと、セリフで立たせたい言葉があるときは、その前でちょっとだけ間を空けるようにしています。名前を言うときに「私は松本若菜です」と流れるように言うよりも「私は…松本若菜です」と間を空けて、名前の部分を強めに言うとすごく印象に残りますよね。これは意識して心がけていることですね。
小林 やっぱりセリフを聞き取りやすくするコツがあるんですね。電話越しでも大事なことをお客さまにしっかり伝えるために、ぜひオペレーターさんにも参考にしてもらいたいですね。
松本 印象づけたい言葉があるときは、そういう伝え方をした方が、聞いている側もそれが自然と残ると思います。
録音の音声を聞いて自分を見つめ直す
小林 コールセンターではクレーム対応をすることもあります。お客さまに謝罪の気持ちを電話で伝えなくてはいけないのですが、なかなか伝わらないこともあります。松本さんはセリフで気持ちを伝えるときにどんなことを意識していますか。
松本 声だけですべてを伝えるのは本当に難しいですよね。私たちは、撮影に入る前に台本を見ながら役者さん同士でセリフを言い合う、本読みという作業があります。その時に演出の方から「落ち着きすぎちゃっているのでもうちょっとトーンを高めにしてください」と言われることがあります。でも実際にお芝居に入って、身体の動きや顔の表情をつけていくと、同じトーンでも OK だったりするんです。きっと私たちは思っている以上に表情や動きで相手の気持ちを汲み取っているんでしょうね。
でもオペレーターさんたちは身振りや表情を見せることはできません。言ってみれば私たちの本読みと同じで、声だけで気持ちを伝えなくてはいけないわけですから、自分が思っている以上に抑揚をつけたり、声のトーンを高くしたりするといいのかもしれません。
小林 自分が思っているより強調して表現するくらいがちょうどいいのかもしれないですね。
松本 そうですね。ただ勢いが強過ぎて息が入ってしまうと聞き取りづらくなってしまうので、そこは練習が必要ですよね。私も電化製品が壊れたときに、コールセンターに電話をしたことがあるんですが、マイクの位置が悪いのかオペレーターさんの息が入って話が聞きづらかったことがあります。でもこれって自分では気づかないですよね。自分が応対している声を聞くことはできないので……。同じコールセンターで働く仲間や家族など、周りの人に電話応対を聞いてもらうと練習にもなるし、ステップアップにもつながるかもしれませんね。
小林 確かに自分の音声を聞くと、こういうところができてないんだなと客観的に分析できますね。
松本 私が学生の頃はカセットテープというものがあって(笑)、それで自分の声を録音してみると、自分の声ってこう聞こえるんだとか、思いっきりしゃべっているつもりでも声が小さくて、これじゃ伝わらないなという発見もありました。機械を通すとまた違うように聞こえるので、電話応対を録音して聞いてみるのもお勧めです。声の抑揚やトーンを確認する意味でもいいと思います。
小林 BIZTEL には録音機能があって、自分の通話だけではなく、スキルアップのためにお手本になる他のオペレーターさんの通話を聞くこともできるんです。松本さんのお話にもあった通り、録音を聞くことがステップアップには大切だと、再認識しました。
松本 あとはマニュアル通りになりすぎないことも大切だと思います。実は私はアルバイト歴が長くて、接客業が多かったんですが、なるべくマニュアル通りではない柔軟な接客を心がけていました。もちろん、オペレーターさんの場合は、操作の説明など必要なことはマニュアル通りに話さなくてはいけないとは思いますが、その切り替えは大事ですよね。
小林 そうですね。全部がマニュアル通りでいいのであれば、メールやチャットで十分ですもんね。オペレーターという仕事は人がやるからこそ意味がある。マニュアル通りに覚えなければいけないところもありつつも、人が対応することでうまれる価値をお客さまに感じてもらえるようにするのも大切だなと思いました。私も接客業のアルバイトをやっていたので、今のお話をその時に聞いておきたかったです(笑)。
松本 自分が思っているよりも強調するくらいがちょうどいいという話をしましたけど、申し訳ないなというときは、電話であってもすみませんという表情で話す。楽しいときは口角を上げて話すと、その気持ちって伝わりますよね。AIがどれだけ進化しても出せないのが人間味だと思うので、人間味を出して、気持ちを伝えることが大切だと思います。
オフはいつもと違う自分になってストレス発散
小林 お客さまからのクレームはときに理不尽なものもあり、オペレーターさんが精神的な負担を感じてしまうこともあります。松本さんがストレスを感じてしまうときはどうやって感情をコントロールしていますか。
松本 私は、相手が年上の方だったら「うちの母もよそでこういうことをしているかもしれないな」と、相手を自分の近しい人に置き換えるようにしていました。そうするとぐっと我慢ができる(笑)。
これは長いアルバイトで培ったコツで、いまでは自然とそうするようになっています。
小林 なるほど、自分の両親だったらって考えたら怒る気がなくなっちゃいますね。それでもストレスが溜まったときにする、特別な発散法はありますか。
松本 私もストレス発散が苦手で、切り替え上手な人が本当にうらやましい。どうしたらいいのか分からなくて、以前、ものすごく憧れている大先輩に「どうやってストレスを解消していますか」と聞いたことがあるんです。そしたら「そんなのないよ。自分だってすごく悩むよ」という答えが返ってきて、それを聞いてこんな素晴らしい人でも悩みもあるし、ストレスも感じているんだと分かって、逆にホッとしたというか、悩んで当たり前なんだと分かって、ちょっと楽になりました。
小林 一人じゃないというか……。
松本 みんな自分だけって思ってしまいがちですが、そんなことないんですよね。辛い思いをするとそこから抜け出すのはなかなか大変ですけど、でもそれが経験となっていつか役に立つ。そう思うようにしています。それでもストレスが溜まったときに私が実践していることが一つあって、それは、とにかく家から出ないこと。
小林 え、そうなんですか? いつも外に出てアクティブに過ごしているイメージでした!
松本 とんでもない(笑)。休みの日は一歩も外に出ないって決めて、だるだるの T シャツを着て、愛猫とだらだら過ごすのが至福の時間です。
私は普段俳優という人前に出る仕事をしているので、常に緊張している状態が続いています。だからあえてオフの日はそれとは真逆、人前に出ないような恰好でとことんリラックスする。ストレス発散とは違うかもしれないですけど、オンとオフを完全に切り替えることで、次のオンタイムもがんばろうという気持ちになるんです。
小林 やっぱりオン・オフの切り替えが大切ですね。オフは自分を徹底的に解放するみたいな。早速、今週末だるだるの T シャツで寝てみます(笑)。
電話嫌いは深刻に考えすぎないのがコツ
小林 最後に、最近は電話以外のコミュニケーションツールが普及しているため、電話が苦手な方が増えているようで、私もその一人なのですが……。「電話が苦手」を克服するためのアドバイスをお願いできますでしょうか。
松本 私は何か伝えたいことがあるとメールとか LINE より、まず電話したいと思っちゃう方なので、苦手という方が多いことに驚いているのですが……。逆にどういうところが苦手に感じますか?
小林 相手の顔が見えないことや知らない人と会話する緊張感で怖いというか不安になってしまって、これを伝えなきゃと、どんどん早口になっちゃうんです。
松本 電話の場合は自分がゆっくり話すと、案外相手もこちらのペースに合わせてゆっくり話してくれるので、まずは早口にならないこと。これを全部伝えなきゃと、早口になってしまう気持ちもすごく分かるんですけど、あえてゆっくりしゃべってみる。
伝えたいことをすべて話せなかったり、話の道筋を考えていても途中で想定外のことが起きてしまうこともあると思います。そんな時は焦ってすべてのやりとりを一回の電話で終わらせようとするのではなく、「後ほど折り返しお電話させてください」と、一区切りをつけて周りにアドバイスを求めたりと、改めて応対に臨めるよう準備をするなど、あまり深く考えずに何度も電話で話して、慣れていくことが大切だと思います。ただ、あまり気を張っていると余計にしんどくなってしまうし、苦手意識も増えてしまうので、まずは家族とか気心が知れた人と電話をするところから始めるのがいいかもしれませんね。
小林 そうですね。確かに、こうなったらどうしようって考え過ぎていました。「深く考えなくてもいい」と言ってもらえて、肩の力が抜けました。オペレーターさんにも私にも役立つ素敵なアドバイスをたくさんもらったので、この後は松本さんにBIZTELを体験してもらって、BIZTELの魅力を知ってもらいたいと思います。本当にありがとうございました。
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※本記事は、LINK Watch!『オペレーター必見! BIZTELの CM に出演中の俳優・松本若菜さんに聞いた「声で気持ちを伝える極意」とは』の記事を引用しています。