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BIZTEL API使ってみた vol.15 通話評価を自動化!「AI連携」を使って音声レビューの工数を削減したい ~第2弾〜

「BIZTEL API使ってみた」シリーズでは、BIZTELがもっと便利に使えるようになる
API連携機能を活用して、サービス担当者が様々な機能の実装にチャレンジします。

前回の記事はこちら

やってみたいこと

『BIZTEL API使ってみた vol.14 通話評価を自動化!「AI連携」を使って応対品質チェックの工数を削減したい』の第2弾として、今回は引き続き「AI連携」を活用した通話評価の自動化を試みます。

コールセンター業務の中で、お客さまに重要な情報を正確に伝えることは、品質管理において欠かせません。特に、電話予約時に法的な説明や契約に関連する重要事項を正しく伝えているかどうかは、後々のトラブルを未然に防ぐためにも大切です

今回は、「AI連携」を活用して、お客さまに「重要事項説明」をきちんと伝えられているかを自動的に評価する仕組みに挑戦したいと思います。

チャレンジャー

使用するツール

BIZTELの利用ライセンス

・コールセンタープランのご契約

今回はOpenAIのAPIモデル「gpt-4o-mini」を利用しています。
AI連携はBIZTELバージョン3.9.0以上で利用可能ですが、OpenAIのAPIモデル「gpt-4o-mini」を利用するには、BIZTELのバージョンが3.10.0以上である必要があります。

BIZTELで必要なオプション

AI連携
※詳細はこちら「1. AI連携」をご覧ください。

・音声認識連携(AmiVoice API)
※詳細はこちら「1.音声認識連携(AmiVoice API)」をご覧ください。

BIZTEL以外に必要なもの

・OpenAI API
※ChatGPTのAPIの使用には、従量制の料金が適用されます。
料金に関する詳細は、OpenAIのWebサイトをご覧ください。

・AmiVoice API
※AmiVoice APIの使用には、従量制の料金が適用されます。
料金に関する詳細は、AmiVoice APIのWebサイトをご覧ください。

動作の全体像

Before:現状の業務プロセス例

例)1回あたり10分程度の通話の場合、応対品質の評価にかかる所要時間は30〜50分程度になります。
※1 例えば「契約が成立した通話は必ず確認する」という運用フローがある場合、オペレーターがその通話に「タグ」を付けておくことで、管理者が確認対象を簡単に把握できるようになります。

After:「AI連携」を利用した業務プロセス例

例)1回あたり10分程度の通話の場合、「AI連携」による自動評価であれば、評価結果の確認・アウトプットが【1分程度】に短縮されます
※2 通話中に通話履歴から「AI連携」を実行すると、リアルタイムで応対のセルフチェックができます。要点を確認しながら対応できるため品質改善につながります。

設定の実践

OpenAIの事前準備

OpenAIのAPIキーを発行します。
※お客さまにて、OpenAIのアカウント作成および、OpenAI APIキー発行が必要となります。
発行手順は「2.OpenAIの事前準備」をご参照ください。

BIZTEL事前設定

1.BIZTEL管理画面の「AI連携」>「OpenAI APIキー登録」を設定します。
(3.10.X未満のお客さまは「連携オプション」>「AI連携」>「Open AI APIキー登録」から設定します)

今回はより精度の高いモデルを利用するため、モデル名は「gpt-4o-mini」を入力してください。詳細は「OpenAI APIキー登録」をご参照ください。

2.BIZTEL管理画面の「AI連携」>「プロンプト設定」を設定します。
(3.10.X未満のお客さまは、「連携オプション」>「AI連携」>「 プロンプト設定」から設定をします)
詳細は「3.2 AI連携 プロンプト設定」をご参照ください。

▼以下は、プロンプトの入力例です。

– コールセンターのオペレータとお客様の通話内容を、以下の評価指標に基づいて評価してください
– 結果はMarkdown形式ではなく、シンプルな箇条書きにしてください。出力イメージは■出力例を参考にしてください。
– 必ず各項目がすべて確認されているか、および最後に確認事項が全て再確認されているかをチェックしてください。
– 全項目で対応できていたら○、1つでも確認できていないものがあれば×で評価してください。
– 評価の理由については、できている項目もできていない項目もお客様とオペレータの会話を引用しながら箇条書きで簡潔に補足してください。
– 特に、キャンセル待ちの今後の対応では「空きが出た場合の連絡」と「空きが出なかった場合の連絡」が行われているかを確認してください。単に「キャンセル待ちができる」という確認のみでは評価しないでください。

■評価指標
1. [確認事項]を全てお客様に確認しているか。
2. [重要事項]の説明が全てなされているか。
3. 最後に[確認事項]を全て再度お客様に確認して、間違いがないか確認しているか。

■確認事項
– ご宿泊代表者の名前
– ご宿泊代表者の連絡先
– ご宿泊の予約日付/人数(内訳)
– 到着時間/駐車場の利用有無
– 食事の有無
– アレルギーの有無

■重要事項
– アレルギー対応について、完全な除去はできないことを説明しているか。
– キャンセルポリシー(キャンセル時の費用など)を説明しているか。
– キャンセル待ちの対応(空きが出た場合、出なかった場合の連絡方法)を説明しているか。

■出力例
【総合評価】:〇か×
評価理由:

【確認事項】:〇か×
評価理由:
– ご宿泊代表者の名前:〇か×(補足)
– ご宿泊代表者の連絡先:〇か×(補足)
– ご宿泊の予約日付/人数:〇か×(補足)
– 到着時間/駐車場の利用有無:〇か×(補足)
– 食事の有無:〇か×(補足)
– アレルギーの有無:〇か×(補足)
– 上記全項目の再確認:〇か×(補足)

【重要事項】:〇か×
評価理由:
– アレルギー対応についての説明:〇か×(補足)
– キャンセルポリシーの説明:〇か×(補足)
– キャンセル待ち対応の説明:〇か×(補足)

AI解析実行

通話中もしくは通話後、履歴画面またはワークスペースよりAI解析を実行します。
※今回はコールセンター履歴画面の履歴モーダル画面から実行します。

「AI連携」を活用し、プロンプトに評価指標を詳細に設定することで、全体的に問題が無いように見える応対でも、AIの解析によって改善点を自動で抽出し把握することができるようになります。

「何が不足していたのか」「良かった点はどこか」などを具体的に評価してくれるため、次回以降の応対の改善につなげることができます。

また、オペレーターが通話中に通話履歴からAI連携を実行することで、応対のセルフチェックをリアルタイムで行え、自身の課題を修正しつつ質の高い対応につなげられます。

結果

今回は「AI連携」機能を活用した通話評価の自動化 第2弾をご紹介しました。
この機能を使うことで、お客さまに重要な情報を正確に伝えられているかを自動で確認することができます。
特に注意が必要な「契約に関する説明」や「法的な重要事項」を正確に伝えているかも評価できるため、トラブルを未然に防ぎ、応対品質の向上を図ることができます。

さらに、応対品質管理にかかる工数を削減できるため、管理者の作業負担も軽減されます。結果として、管理者はより重要な業務に集中でき、業務全体の生産性向上が期待できます。

また、AIによる一定基準の評価により、評価者ごとのバラつきを解消し、標準化が実現できます。評価結果に対するオペレーターの納得感が得やすくなりますので、モチベーションの低下を防ぎ、離職防止につながることも期待されます。

皆さまのコールセンター運営がより一層効率化され、顧客満足度の向上につながりますと幸いです。
ぜひ「AI連携」をお試しいただき、その効果を実感してみてください。

編集後記

今回は、BIZTELのAI連携を活用した、通話評価の自動化・効率化の仕組み第2弾を実践しました。

「BIZTEL API使ってみた」シリーズでは、BIZTELの利用者が実際に思いついた業務改善のアイデアをもとに、今後も様々な機能を紹介する予定です。

簡単に実現できるよう、設定方法も交えながらお伝えしますので、読者のみなさまもぜひチャレンジしてみてください。
現在、BIZTELをご利用中のお客さまも、「こんなことがしたい」というご希望がございましたら、BIZTELサービス担当までご相談ください!