2019.12.13

コールセンターシステム導入事例~なぜ導入は成功したのか?(前編)

コールセンターシステムがビジネスに与える影響は、年々大きくなっています。
自社のビジネス基盤強化の一環として、コールセンターシステムの導入を検討している担当者は少なくないでしょう。

しかし、コールセンターシステムの導入は一定以上の労力・費用が必要になることから、何度もトライ&エラーを繰り返すことが難しい分野です。

そこで、コールセンターシステム導入を成功に導くヒントを、目的別に整理し、解説していきます。

目的別コールセンターシステム導入の成功事例

コールセンターシステム導入の目的は、企業が抱える課題によって変わってきます。
ここで、コールセンターシステム導入の目的を整理してみましょう。
コールセンターシステム導入の目的は、以下4つに集約されると考えられます。

  1. 業務効率化(オペレーションの効率化、オペレーター間の業務量平準化など)
  2. 顧客満足度向上(VOC収集、カスタマーサクセス対策など)
  3. コストダウン(人件費抑制など)
  4. 「攻めの領域(アウトバウンド業務強化、新規開拓、契約継続率向上など)」対策

それでは早速、目的別の成功事例を見ていきましょう。
本稿(前編)では、4つの課題のうち「業務効率化」と「顧客満足度向上」の2つについて、成功事例を紹介します。

1.業務効率化を目的とした事例

○株式会社ザイマックスグループ

ファシリティマネジメントを提供する株式会社ザイマックスグループでは、商業施設の設備トラブルや修理手配の代行業務を担うコールセンターを保有しています。

このコールセンターは、自社のPBXを経由したアナログ回線+ハードフォンという組み合わせでした。
しかし、半年後に控えた大型契約に対応するため、コールセンターの補強・拡大を見据えたとき、「運用の限界」が見えてきたとのことです。

そこで、クラウドベースのコールセンターシステム「BIZTELコールセンター」を導入し、「Kintone」を使ったCRMと連携させました。

  • 課題
    • 拠点間(東京、大阪間)のリアルタイムな連携が難しい
    • 移転・レイアウト変更が難しい
    • 入電によって全てのハードフォンが一斉に鳴り出すためオペレーター間の業務量に偏りがでる
    • 顧客ごとに異なるオープニングトーク、運用ルールに対応するためメモやエクセル表が欠かせない
    • 他部署宛の電話受付、転送による業務の圧迫
  • 導入効果
    • PBXがクラウド化されたことでコールセンターの移転、連携がスムーズに行えるようになった
    • CTI連携によって入電対応前に顧客情報を特定できるようになり、対応品質とスピードが向上した。
    • 稼働状況モニタリング各種レポート機能を活用した業務量の把握や分析が可能になり、入電数の増減など、将来起こり得る事態に対して対策を講じやすくなった。

コールセンターシステムは、単に業務効率化を推進するだけではなく「サービス品質向上」や「業務量の平準化」にも結び付くことがわかります。
コールセンター管理者にとって、この点は大きなメリットになるのではないでしょうか。

※株式会社ザイマックスグループの導入事例詳細はこちら

2.顧客満足度向上を目的とした事例

○株式会社エラン

入院時に必要となる日用品のレンタルサービスを手掛ける株式会社エランでは、利用者への請求書発行・問い合わせ対応を担うコールセンターを運営しています。

当初はビジネスフォンで構築されていましたが、顧客満足度向上を目的としてコールセンターシステム(BIZTELコールセンター)を自社開発のCRMと連携させ、一定の効果を上げているとのことです。

  • 課題
    • 録音機能がないために顧客対応時の「言った」「言わない」から始まるトラブルが多かった。
    • オペレーターが顧客の詳細情報を確認する術がなく、適切な応対ができないシーンもあった。
  • 導入効果
    • コールセンターシステムの通話録音機能により、「言った」「言わない」のトラブルを解決しやすくなった。
    • 自社CRMシステムとのCTI連携し、入電時に「お名前」「利用した病院・施設」「利用履歴」「料金」等の基本情報を自動的に表示できるようになったことで、特に高齢な方とのコミュニケーションがスムーズになった。

※株式会社エランの導入事例詳細はこちら

○フィブロ製薬株式会社

医薬品、健康食品やサプリメントの商品開発・製造事業を主力事業とするフィブロ株式会社では、自社販売サイトへの問い合わせへの一次対応をアウトソーサーへ委託していました。

それまで二次対応のみだった自社側の体制を変更し、一次対応から受電できるようにコールセンターシステムを導入しました。

  • 課題
    • アウトソーサーからの情報提供、エスカレーション内容に不備や認識の齟齬があり、顧客の声を正確に把握しにくい状況にあった。
    • 上記理由から的確な二次対応を行いにくく、顧客の感情を害してしまうケースが発生していた。
  • 導入効果
    • 通話録音機能によって、「一次対応(アウトソーサーの対応内容)を確認したあとで二次対応を行う」といった事前準備が可能になり、対応品質が向上した。
    • 月に10~20件程度発生していたクレームが約20分の1に減少した。

※フィブロ製薬株式会社の導入事例詳細はこちら

コールセンターシステムの通話録音機能は、顧客とのトラブルを未然に防ぎ、クレーム率を低下させる効果があります。顧客との認識のズレを無くし、的確な対応を行えるからです。

また、顧客側に「前回の問い合わせ内容を覚えていてくれる」という安心感が生まれることも見逃せません。
安心感は信頼を生み、信頼はコミュニケーションをスムーズにする効果に繋がります
さらに、コミュニケーションがスムーズになれば、より的確で質の良い対応が可能になるでしょう。
こういった“正のサイクル”が顧客満足度向上につながるといえるのではないでしょうか。

ちなみに、国内最大級のフリマアプリを提供する「メルカリ」でも、顧客満足度向上を目的として、コールセンターシステムが導入されています。
「大型メルカリ便」の提供開始にあわせ、電話での問い合わせが想定される場合にのみ、電話ボタンを表示するような仕組みで運用しています。
ユーザーからの問い合わせに対してスムーズな対応が行えるほか、「顧客の声」を体験できることが、社内のカスタマーサービスレベル向上に貢献しているとのことです。

※株式会社メルカリの導入事例詳細はこちら

まとめ

本稿ではコールセンターシステム導入の目的を4つに分類し、「業務効率化」と「顧客満足度向上」について成功事例を紹介してきました。

次回(後編)は、「コストダウン」と「攻めの領域」を目的とした導入事例、さらに「コールセンターシステム導入が成功した理由」に焦点をあて、解説していきます。