2018.04.12
2022.02.18

音声データの使い道が広がる!コールセンターにおけるAI活用法

家電製品や自動車、医療などさまざまな製品やサービスで人工知能(AI)が活用されています。それはコールセンターも例外ではありません。オペレーターの業務を完全にAIで代替することは実現できていませんが、オペレーターの業務を補助し、コールセンターの効率的な運用を支援するといった活用が現実的なものとなってきています。

運用の支援といっても何のことかわからないかもしれません。例えば、コールセンターの運営においてこんなお悩みを抱えてはいませんか?

  • 人手が不足しており、顧客からの問い合わせに応対できていない
  • 顧客からの問い合わせや後処理に時間がかかっている
  • 応対品質に平準化ができていない

これらのお悩みもAIを活用することで解決できるようになるのです。本記事では、コールセンターの課題を解決するAIについて、その機能や活用方法を解説します。

コールセンターでのAI活用を検討する際にぜひご活用ください。

コールセンターの3つの課題

コールセンターの運用に活用されるようになってきたAI。なぜこれほどまでにAIが広がりを見せているのでしょうか。その背景にはコールセンターにおける3つの課題が隠れています。まずはコールセンターの課題を整理しましょう。

オペレーターの不足

コールセンターにおける課題の一つ目はオペレーターの不足です。どの業界も人手不足の影響を受けていますが、その中でもコールセンターの影響は計り知れません。コールセンターの業務はクレーム対応への不安や求められる業務知識が膨大なことからネガティブなイメージを持たれる方も少なくありません。

また、オペレーターを採用できたとしても人手が不足しているために十分なトレーニングもできないまま、現場に出されることもあるかもしれません。業務に慣れていないために、顧客からの問い合わせに対してストレスを感じやすいでしょう。そのため、コールセンターでの離職率が高まる要因のひとつとなっています。コールセンターにおける人手不足を解消するにはオペレーターの業務負荷を下げる対策が必要です。

顧客応対や後処理に時間がかかる

コールセンターの課題の二つ目として顧客応対や後処理に時間がかかることが挙げられます。コールセンターの効率的な運用にはこれらの業務にかかる時間が鍵になります。KPIとして設定されている企業も多いのではないでしょうか。

顧客応対に時間がかかる原因としては関連資料の検索が挙げられます。日々寄せられる顧客からの問い合わせはさまざまで、問い合わせごとに関連資料を探す作業がつきものだからです。

後処理については問い合わせ内容の要約や連携する情報の抽出に時間を取られてしまいます。後処理をなくしてしまえば話は簡単ですが、貴重な顧客情報を捨てるようなこともできません。顧客応対と後処理の時間短縮には何らかの対策を立てる必要があります。

応対品質の平準化

コールセンターの三つ目の課題は応対品質の平準化が挙げられます。オペレーターごとに応対品質が異なれば、コールセンターが提供するサービスに一貫性がなく、企業の信頼が崩れてしまいます。そのため、顧客応対は一定の品質を保たなければなりません。

しかし、新人オペレーターにベテランと同じ品質を求めるのも無理な話です。いくらトレーニングを積んだからといって問い合わせや顧客の傾向をつかみ、適切に応対するには経験に頼らざるをえないでしょう。

注目されているAIの機能

コールセンターの課題が浮き彫りになったところでコールセンター業務にて注目されているAIの機能について理解しておきましょう。これらの機能がコールセンターの課題を解決するために役立ちます。

音声認識

音声認識は人間の音声をAIが認識し、テキスト形式に変換する機能です。スマートフォンアプリでメモを取る際に利用したことがある人も多いのではないでしょうか。手軽に扱え、音声をテキスト化してくれるのでボイスレコーダーの代わりとなったり、音声で検索を行ったり、さまざまな用途で活用されています。

自然言語処理

自然言語処理とは、人間が日常的に使っている自然言語の構文を解析し、意味のある言語としてAIが認識する機能です。AppleのSiriも自然言語処理を扱っています。質問を投げかけると回答してくれますよね。他にも家の電化製品の設定やニュースの読み上げなど、ホームアシスタントと呼ばれる機器も広まりつつあります。

マイニング

マイニングとは、膨大なテキストや音声から規則性や傾向を抽出する機能です。主にビッグデータから顧客の属性や傾向といった特徴を抽出して、販売施策に活用する場面が増えています。人間の分析力ではつかめないモノとモノとの関連性を明らかにできる画期的な機能です。

コールセンターにおけるAI活用法

コールセンターが抱えるさまざまな課題、そしてAIの機能について解説してきました。コールセンターの課題をAIがどのように解決するのかといった疑問が次に浮かんでくると思います。それでは、課題解決に役立つコールセンターにおけるAI活用法を解説していきます。

問い合わせに対する自動対応

オペレーター不足に悩むコールセンターを支援するのが問い合わせに対する自動対応です。コールセンターには日々さまざまな問い合わせが寄せられますが、問い合わせの内容は似通ったものが多く、パターン化することができるでしょう。企業のウェブサイトなどでは、FAQとしてよくある問い合わせの回答を掲載しています。

電話による問い合わせの大半がパターン化できるのであれば、定型文を用意してAIに自動で回答させることが可能です。自然言語処理の機能を利用して顧客の音声を認識し、定型化された回答を返すといった活用がなされています。

よくある質問に対してはAIで対応し、未解決の質問や複雑な問い合わせにはオペレーターにエスカレーションする機能も実際に活用されています。AIでできること、オペレーターじゃないとできないことを把握し、適切に配置することでオペレーター不足を補うことができるでしょう。

コールセンター業務の効率化

コールセンター運営の効率を考える上で避けては通れない顧客応対と後処理。応対しながら関連資料を検索するロスや後処理での要約にかかる時間を減らせればコールセンター業務の効率化につながります。AIを活用することでこれらの業務にかかる時間を短縮させることができるのです。

関連資料検索の手間を削減するには、AIの自然言語処理機能が役立ちます。オペレーターとともに問い合わせ内容を聞くことで顧客の課題を文脈から読み取り、自動で関連資料を検索することが可能です。そのため、オペレーターは表示された関連資料から必要な情報を抽出するだけで済み、スピーディーな回答ができるようになるでしょう。

後処理についてもAIの音声認識とマイニングが役立ちます。音声認識によって問い合わせ内容を丸ごとテキスト化し、連携が必要な情報はマイニングによって自動化すればいいのです。問い合わせ内容の要約といった集中力が必要とされる後処理業務の負荷が減り、大幅に時間を短縮することが可能です。

顧客応対の品質向上

応対品質を向上させるために考えなければならないのが新人オペレーターのトレーニング。しかし、人手不足のためにトレーニング期間を十分に取れないのが実態です。こういった課題もAI導入によって改善に導くことが可能です。

新人オペレーターの応対品質を上げるためには業務負荷を減らし、回答に専念できる環境を作らなければなりません。AIによる問い合わせ内容に応じた関連資料の自動検索はもちろんのこと、回答案やアドバイスを行うAIも登場しているので、新人オペレーターの業務負荷を大きく削減できるでしょう。必要な情報が自動で提示され、回答に集中することができれば一定の応対品質を維持することも可能です。

BIZTELコールセンターのAPI紹介

コールセンターにおけるAI活用の効果をご理解いただけたと思います。しかし、AIの活用はコールセンターシステムがある前提の話です。コールセンターシステムが提供する音声データがなければAIを効果的に活用することはできません。

コールセンターシステムとAIがどのように連携するのかと疑問に思うかもしれません。クラウド型コールセンターシステムの「BIZTELコールセンター」は音声データを取得できるAPIを提供しているので、その仕組みを見ていきましょう。

構成は非常にシンプルです。音声データを蓄積しているBIZTELサーバからAPI連携により録音ファイルを取得するだけ。一度取得してしまえば、録音ファイルをテキスト化して後処理時間の短縮に活用してもよし、録音ファイルをマイニングして顧客情報の分析に活用してもよしといったさまざまなAI活用法が考えられます。

AIを活用すれば既存の業務を効率化できるだけでなく、顧客の特徴を分析して新たなソリューションを生み出すことも可能です。しかし、AIだけでは意味がなく、顧客応対に特化したコールセンターシステムがあってこそメリットを享受できるのです。

まとめ

オペレーターの不足や時間がかかる顧客応対、応対品質の平準化などコールセンターはさまざまな課題を抱えています。そんな課題を解決できるのがAIの活用です。全てのオペレーションをAIで代替するまでには至っていませんが、コールセンター業務を支えるさまざまな機能提供が現実のものとなっています。

コールセンターシステムもコールセンター業務を支えていますが、AIと連携することでさらに活用の幅が広がります。コールセンターにAIを導入する際はコールセンターシステムとの相性も検討しましょう。

 

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