FastSeries(旧称:FastCloud)とコールセンターシステムを組み合わせるメリットとは

[最終更新日:2025/6/26]
近年、以前に増して顧客との関係強化が重要な課題になっています。
これに伴い、顧客と直接コミュニケーションを図るコールセンターが担う役割は、拡大傾向にあると言って良いでしょう。
特にCRMとの連携によるオムニチャネル化やカスタマーサクセス向上は、企業の成長を促す有効な施策になり得ます。
今回はコンタクトセンターソリューション「FastSeries」が提供するクラウドサービスと、コールセンターシステムとの連携についてご紹介します。
目次
FastSeriesとは?
FastSeriesとは、テクマトリックスが開発・提供するコンタクトセンターソリューションです。業界や業態を問わず、さまざまなコールセンターを強化できるシステムを、クラウドサービスで利用できます。
FastSeriesには、クラウドCRM・FAQナレッジシステム・ビジュアルIVR・ボイスボット・チャットボット・有人チャットシステムなど、幅広くデジタルコミュニケーションチャネルをカバーできる製品がそろっています。
クラウドサービスであることから、サーバー・ネットワーク機器の追加が必要なく、安価で素早い導入が可能です。
サブスクリプション型ビジネスの鍵を握る「コンタクトセンター」を構築するための要素が多分に含まれています。
ちなみにFastSeries製品は、CRMやFAQなど各製品がそれぞれ独立しており、必要なサービスだけを選んで契約することも可能です。
FastSeriesの主なシステムと機能
FastSeriesは、大きく以下の3つに分類されます。
それぞれの機能を具体的に見ていきましょう。
FastHelp(クラウドCRM)
FastHelpは、使いやすさを重視したコールセンター向けCRMシステムで、顧客の声(VOC)や顧客情報、問い合わせ内容を一元管理できます。
また、SNSやWebチャットなど、電話以外のチャネルにも対応できるオムニチャネル型のCRMです。
ウィンドウのカラーバリエーションが豊富で、シンプルで直感的に情報を判別しやすいレイアウトを採用しています。
また、問い合わせ履歴の確認や顧客情報の検索がしやすく、オペレータの負荷軽減・作業効率向上に配慮したCRMといえるでしょう。
さらに、以下のような機能で、コールセンター業務の効率化に貢献します。
- セルフカスタマイズ機能
- マルチグループ機能
- FAQテンプレート
- 通話モニタリング
- アラート
- 回答支援
- レポート
- トークスクリプト作成
- CTI連携
FastAnswer(FAQナレッジシステム)
FastAnswerは、オペレーターの顧客対応用ナレッジベースを構築できるほか、顧客向けのFAQとしても活用できます。
さらに会社の内部向け・外部向け両方のナレッジベースを同時に構築することも可能です。
顧客の声を内部ナレッジベースに蓄積し、FAQや顧客応対に反映させることで、顧客満足度の向上に寄与します。
デジタルコミュニケーション(ビジュアルIVR・ボイスボット・チャットボット・有人チャットシステム)
高度な顧客体験を実現し、コンタクトセンターの効率化も叶えるソリューションとして、FastSeriesには、FastNavigation(ビジュアルIVR)、FastVoice(ボイスボット)、FastBot(チャットボット)、FastText(有人チャットシステム)もラインナップされています。
オペレーターひとりで複数の顧客に対応することはもちろん、自己解決に導くことも可能です。
生成AI機能群 FastGenie
FastGenieは、テクマトリックスが提供する生成AI機能群です。他のFastSeries製品と組み合わせて利用すると、オペレーターの回答支援、対話内容のリアルタイム要約、VOC抽出、AIチャットボット、FAQ作成支援などの幅広い機能が網羅でき、コンタクトセンターのACW(後処理時間)削減といった業務効率化や、顧客満足度の向上が実現します。
FastSeriesとコールセンターシステムの連携で得られること
こうしたCRM・FAQナレッジ・デジタルコミュニケーションなどの製品を持つFastSeriesは、コールセンターシステムとの連携でさまざまなメリットを生み出します。
- 着信ポップアップ機能によって、本人確認の手間を削減できることに加え、通話前に顧客属性を確認できるため、オペレータの負担が減る。
- クリックトゥコールにより、ボタンをクリックするだけで架電できる。
- 通話履歴連携により、過去の対応履歴をいつでも確認でき、顧客応対品質向上に役立てられる。
- ACD(着信振り分け)により、人的リソースの有効活用が促進される。
- IVR(音声自動応答システム)により、少人数でも効率的なインバウンド業務が可能になる。
- コールキューイングにより、待ち時間と優先度の管理が容易になる。
- 通話録音データの連携で、顧客情報の蓄積・ナレッジベース化が可能になる。
- コールセンターの稼働状況が可視化され、リソース管理と業務負荷調整が容易になる。
こういったメリットを享受するためには、CRMとスムーズに連携できるコールセンターシステム(CTI)の選定が欠かせません。
例えば、BIZTELが提供するCTI連携機能では、「着信ポップアップ」や「クリックトゥコール」、「通話履歴連携」がスムーズに行え、FastSeries製品との間にシナジーを発生させます。
FastSeriesとコールセンターシステムを連携させたクラウド利用の事例
では、実際にFastSeries製品とコールセンターシステムを連携させ、業務効率化を達成した事例を紹介します。
株式会社クレステックでは、全国の自治体向けに条例の制定・改廃業務の負担を軽減するソリューションを提供しています。
このソリューションの顧客サポート部門において、BIZTEL CTIとFastHelp(クラウドCRM)の組み合わせを導入。
サポートデスクは10席、1日あたりのコール数は平均5~10件、繁忙期で20件程であるものの、問い合わせは高度な内容が多いそうです。
条例を扱うソリューションであることから、複雑な言い回しや専門用語がよく使われ、顧客環境を再現した検証作業も必要になるとのこと。
1度のやりとりで問題が解決することはまずないのだそうです。
つまり、濃密かつ回数の多い顧客とのやり取りについて、つねに進捗を確認し、情報共有を行うことが重要になります。
こうした課題へのアクションとして、コールセンターシステム(BIZTEL CTI)に蓄積された通話録音データを、FastHelpからリアルタイムに参照できるよう連携・カスタマイズし、進捗確認と顧客情報共有の精度を高めました。
その結果、業務効率が大幅に向上したそうです。
顧客応対の「質」が求められる昨今において、CRMとコールセンターシステムの連携が威力を発揮した好例かもしれません。
まとめ
顧客との長期的な関係が企業の成長に直結する時代にあって、カスタマーサクセスや顧客満足度向上の鍵を握る「コンタクトセンター」への期待が高まっています。
FastSeriesのようなクラウド型CRMをコールセンターシステムに接続すれば、統合型コンタクトセンターへの移行が容易になるでしょう。
本稿で紹介したように、FastSeriesはさまざまな機能で顧客窓口を強化し、オムニチャネル化や顧客対応品質の向上、業務効率化に貢献します。
CRM連携によるコールセンター強化の一環として、FastSeriesとコールセンターシステムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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