コールセンターシステムの費用は?クラウドとオンプレを比較
コールセンターシステムは、コールセンター業務を支援するさまざまな機能が搭載されています。オペレーターの最適化や応対品質の向上を推進し、業務の効率化に役立ちます。
しかし、コールセンターシステムにいくらメリットがあってもコストに見合わなければ導入する意味がありません。「コールセンターシステムの導入って、なんだか費用が高そう…」という印象を抱いている方も少なくないでしょう。コールセンターと聞くとオペレーターが何百人もいる大規模なものを想定してしまい、コストも高いというイメージが強いという人もいるのではないでしょうか。
高価なシステムは、資本力のある大企業向けのものが多かったのですが、 今では高機能ながら価格を抑えたコールセンターシステムも登場しています。システムの種類によってコストが異なるため、料金体系を理解して自社に適したコールセンターシステムを導入しましょう。
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目次
クラウド型のコスト
コールセンターシステムはクラウド型とオンプレ型(オンプレミス型)の2種類に分かれます。クラウド型の登場により、規模を問わずコールセンターシステムを導入することが現実的になりました。クラウド型コールセンターシステムの料金体系や具体的なコストを解説します。
クラウド型は初期費用と月間利用料のみ!
クラウド型の費用は、基本的に初期費用と月間利用料のみです。オンプレ型ではサーバ購入費や配線工事費、開発費など高額な初期費用がかかりますが、クラウド型ではインターネットからサービスが提供されるため、導入コストを抑えることが可能です。
月間利用料もオペレーターの席数に応じて課金されるサービスがほとんどです。また、さまざまな機能がオプションで提供されており、自社に必要な機能のみ選択できます。そのため、自社に必要な分だけのコストで済み、無駄がありません。
年間を通してコールセンター業務の繁閑もあると思います。クラウド型であれば月ごとにプランを変更できるため、繁閑に合わせた調節も可能です。
運用コストも抑えられる!
初期費用や月間費用のほかにも運用コストも考えなければなりません。席替えや部署移動、拠点移転の際には配線工事や設定変更を行う必要があります。従来は業者に依頼するほかありませんでしたが、クラウド型であればWeb上から簡単に設定変更が可能です。
また、システムを使っていればメンテナンスも避けられません。サーバOSやアプリケーションのバージョンアップ、トラブル対応など自社で行うにはかなりの労力が必要になります。しかし、クラウド型であれば面倒なメンテナンスもサービス提供者に任せられます。自社で何も行う必要はないため、運用コストを抑えられるでしょう。
具体的な料金は?
クラウド型の具体的な料金について見ていきましょう。具体例として、クラウド型コールセンターシステムの「BIZTELコールセンター」の料金を取り上げます。
「BIZTELコールセンター」では、小規模から大規模まで対応したプランを提供しています。小さく始めて徐々に規模を拡大でき、自社に必要なオプションをいつでも追加できる柔軟な料金体系です。
スモールスタートに適している座席課金プランでは、初期費用50,000円/席、月間利用料15,000円/席で提供しています。サービスにもよりますが、オンプレ型ではサーバ購入費や開発費などを含めると数十万あるいは百万円以上の導入コストがかかるでしょう。オンプレ型と比べていかに導入コストが抑えられるかお分かりいただけると思います。
オンプレ型のコスト
オンプレ型は自社でサーバを保有し、運用する形態です。カスタマイズや他システムとの連携に優れているため、オンプレ型を選ぶ企業もあります。オンプレ型の料金体系や運用における課題について解説します。
初期費用が高いオンプレ型
オンプレ型の料金体系は初期費用と月間の運用保守費用がかかります。初期費用にはサーバ購入費や開発費がかかり、高額な導入コストが必要です。
ハードウェアの故障対応やアップデート、アプリケーショントラブルに対応するために運用保守費用も考えなくてはなりません。業者に依頼しなければならず、その都度コストがかかります。
長期的に見ればクラウド型よりもオンプレ型の方が安くなると思う方も多いと思いますが、開発されたシステムがそのまま使い続けられることは少ないでしょう。事業環境の変化に伴い、システムの改修が必要になります。サーバOSやクライアントOSのバージョンアップも必須になります。そのため、システムのバージョンアップに伴う煩わしさを考えると、常に最新バージョンを利用できるクラウド型の方がオススメです。
頭を悩ませるリプレイス
オンプレ型で機能追加などの改修を続けても、通信速度の改善や新たな技術の利用といった既存のシステムでは対応できない問題が出てきます。また、サーバも長期間利用していれば交換が必要になってくるため、数年おきにリプレイスを検討することになります。
リプレイスでは、新たにサーバを購入したり、システムを開発しなければなりません。カスタマイズや他システムとの連携が柔軟にできる利点があっても、度重なるリプレイスによるコスト増加は避けたいところです。クラウド型であればリプレイスにかかるコストや労力を削減できるため、現在では主流のソリューションとなっています。
具体的なコストは?
オンプレ型の導入にはサーバの購入費の他に開発費が必要になります。コールセンターシステムがパッケージとして提供されており、ライセンス料を支払う形態が一般的です。
サービスによりますが、パッケージのライセンス料は年間50万円程度、席数ごとに支払うライセンス料は15,000円/席が相場です。また、保守費用として、ライセンス料の20%がかかると想定しておきましょう。
サーバもスペックによって価格がまちまちですが、ライセンス料と合わせると低く見積もっても百万円を超える導入コストが必要になるでしょう。導入後の運用やリプレイスを考えるとそれ以上のコストがかかるため、コストを抑えたければクラウド型がおすすめです。
クラウド型/オンプレ型をコストで比較
ここでは、実際に導入する場合を想定して、クラウド型とオンプレ型のコストを比較します。
(※ここで紹介する数値はあくまでも概算値であり目安です。ただし、クラウド型についてはBIZTELの料金を参考に算出していますので、実態に近い数字となっています。)
パターン1「小規模座席で最低限の機能を構築する場合の導入費用」
スモールビジネスのサポート、窓口の新設、サテライトで新規拠点を開設するなど、比較的小規模なスタートを想定した場合のコストです。
席数:10席を想定
機能:5回線同時通話、新規番号発行×1、導入サポート(管理者・オペレーターへの操作トレーニング)
●導入 + 稼働初月のコスト
クラウド型(BIZTELの場合)
初期費用 28万円~ + 月間利用料 約9万円
合計 37万円~
オンプレ型
初期費用 100万円~ + 月間保守費用 2~3万円
合計 102~103万円 (+ オプション追加費用 ※)
※初期導入時のパッケージに含まれていない場合にかかる費用
パターン2「大規模座席で運用を拡張した場合」
既存の中核事業に専用窓口を設置する場合など、大規模なコールセンターを立ち上げるケースを想定したコストです。
想定席数:100席
機能:CRM連携(着信ポップアップ+通話履歴連携)、100回線同時通話、新規番号発行×1、導入サポート(管理者・オペレーターへの操作トレーニング)
●導入+稼働初月のコスト
クラウド型(BIZTELの場合)
初期費用 233万円~+月間利用料 90万円
合計 323万円~
オンプレ型
初期費用800~1,000万円 + 月間保守費用22~30万円
合計822~1,030万円 (+ オプション追加費用 ※)
※初期導入時のパッケージに含まれていない場合にかかる費用
※別途通話料がかかります。
※あくまで目安ですので、正しい金額はベンダーにお問い合わせください。
規模に応じてイニシャルコストの差も大きく
このように、コールセンターシステムの構築費用をクラウド型/オンプレ型で比較した場合、イニシャルコストに2~3倍もの開きがあることがわかります。この差は、コールセンターの規模が大きくなるごとに拡がっていく場合が多いでしょう。
一般的に、オンプレミス型のコールセンターシステムを導入するのは、100席を超える大規模なコールセンターです。前述の試算(パターン2)からもわかるとおり、100席規模以上のシステム導入は、800万円〜1,000万円以上の初期費用がかかると想定されます。
また、こうした初期費用のほかにも、「OSのライセンス費用」「PBXなどハードウェアの保守費用」「機能追加による設定変更費用」などが導入時の契約に含まれていないこともあります。
さらに、オンプレミス型はPBXの設定を変更したり、機能を追加したりといった作業に高額な費用がかかるため、クラウド型のように柔軟・迅速なシステム変更がしにくいといった特徴もあります。
しかし一方で、その分インターネット回線に依存しないため高い通話品質を保つことができるなど、安定性やセキュリティ面ではオンプレミス型が長けています。そのため、業種やセキュリティ要件によってはオンプレミス型を採用している企業も多いです。
「契約の柔軟性」「稼働開始までの時間」でもクラウド型が有利に
コスト以外の面で比較した場合も、クラウド型が有利になる傾向が確認できます。
クラウド型は契約形態・期間も柔軟性に富む
オンプレミス型の契約期間は3年や5年など年単位での契約が前提となっている場合が多いです。また、契約の内容とシステム構成が密接に結びついていることから、業務プロセスの変更や規模の拡縮に時間がかかってしまう場合もあります。
一方、クラウド型であれば、最低1カ月程度の短期で契約を結ぶことができます。また、CTI/PBXなどに機能を追加する場合でも、オプション契約を結ぶだけでよく、こちらも月単位で契約期間を区切ることができます。「今までは10席だったが、来月から20席に拡大したい」「来月からCRM連携による着信ポップアップを使いたい」という場合でも、最低限の初期費用と月間利用料で手早く実装できるのがクラウド型の強みなのです。
以下に、クラウド型で利用できるオプションの例をあげます。
CRM・SFA・MA連携
国内外のメジャーなCRM・SFA・MAとのCTI連携が可能になるオプションです。着信ポップアップやクリックトゥコール、通話履歴連携などが利用できるようになります。
番号継続利用
電話番号ポータビリティなどのサービスを使い、従来のシステムで使用していた地域番号(03~、06~など)をクラウド移行後も使用することができます。長年使っていた番号を変更せずに、クラウドへの移行が進められます。さらに、ゲートウェイ機器を利用することで番号ポータビリティが使えない番号の継続利用も可能です。
セキュリティオプション
ファイアウォール/IPSの設置やディスク暗号化・ログ監査といったセキュリティ強化を行うオプションです。金融機関などに求められる厳しいセキュリティ要件や、クレジットカード業界のPCI DSS基準にも対応可能です。
機器トラブル対応やメンテナンスによるコスト・時間の圧縮
一般的にクラウド型CTI/PBXなどは、ハードウェアのトラブル対応・メンテナンスなど「保守作業」をベンダー側が行います。また、仕様の範囲内のものであれば、各種設定変更もブラウザ管理画面から利用者側で対応できるようになっています。
これに対してオンプレ型は、保守作業や設定変更を行う場合、ベンダーからエンジニアを派遣してもらう必要があります。さらに、作業には数日を要することもあります。詳細はベンダーごとに異なるため、簡単に比較はできませんが、保守作業・設定変更にかかる時間はクラウド型のほうが圧倒的に短いことは間違いないでしょう。
短期のコールセンター立ち上げが可能
クラウド型コールセンターシステムの大きなメリットとして、「納期の短さ」があります。これは「本番稼働までのリードタイムの短さ」にもつながってきます。
●オンプレミスでコールセンターシステムを構築する場合
- 初期設計(2週間程度)
- 機器選定と搬入・実装・カスタマイズ(2~3週間程度)
- ユーザトレーニング(2週間程度)
→運用開始まで2カ月程度の期間が必要
●クラウド型でコールセンターシステムを構築する場合
- 初期設計と設定など(2週間程度)
- ユーザトレーニング(2週間程度)
→運用開始まで1カ月程度
期間はあくまでも例ですが、クラウド型は単純に「機器搬入や実装の手間」がある程度省略されるため、その分だけリードタイムを短縮できるのです。
まとめ
コールセンターシステムは業務効率化や応対品質の向上に役立つ機能が搭載されています。しかし、いくら利点があってももスピード感や柔軟性がなければこの変化が激しい時代にはマッチしないのではないでしょうか。
クラウド型/オンプレ型はそれぞれメリット・デメリットが異なります。オンプレ型はカスタマイズや他システムとの連携の面ではオンプレ型が柔軟に対応できますが、導入時や運用、リプレイスなど高額なコストがかかります。
多機能でも導入コストが低く、自社の状況に合わせてコストを調節できるクラウド型がオススメです。小さく始めて段階的に規模を拡大できるクラウド型コールセンターシステムをぜひ検討してみては?
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